★1954年SSS商事他シーニクルーザー グレイハウンドバス~ブリキ自動車コレクションから157 | ポルシェ356Aカレラ

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★都内新規感染1日1万人超え
1月15日(土)に行った東京オートサロン2022会場の人混みではオミクロン株に感染するのではと結構不安だったのですが、そもそも平日私が通勤で乗るJR中央線は肩が触れ合う程度に混んでおり、混雑度はオートサロンの会場以上と言えます。都内の新規感染者数が1万人を超える日も出てきた現在、混んだ電車で通勤することは基礎疾患のある私の場合はかなり怖いと感じます。小池都知事は不要不急の外出自粛を要請しているものの強制力は何もないため法人や学校といった社会活動はこれまで通りに続けられ、そのため都内の電車やバスは相変わらず混んでいます。
現在感染の主流となっているオミクロン株の場合、もし感染しても一般的にはこれまでのコロナのように重篤な肺炎などになって重症化する比率が低いことから、高齢者や基礎疾患のある人が感染しないよう注意すれば、あまり神経質になる必要はないとの意見もあり、尾身さんは外出自粛をする必要はなしと小池都知事とは反対のことも言っていますが、感染者数の増加に伴い重症者数は確実に増えています。出来るだけ感染しないよう万全の対策を取りたいところです。
まあ、しかし、幾ら気を付けていても現在の都内の感染状況ではいつ感染しても不思議ではないため、この週末は感染しても数日は家から出ずに過ごせるように解熱剤や喉の痛みに効く薬や缶詰、カップラーメンなどの食料を買っておきましたyo☆☆


★閑話休題
国産旧車ファンの人には、また「何じゃらホイ」的な全く興味が湧かない記事となり申し訳ないのですが、今日は「ブリキ自動車コレクションから」シリーズ第157回記事として、国産玩具メーカー各社がリリースしたGMCシーニクルーザー「グレイハウンドバス」のブリキ製品をメインにご紹介しますne☆☆☆


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★ローウィのGMCシーニクルーザー
レイモンド・ローウィ(仏: Raymond Loewy、1893年11月5日‐1986年7月14日)のデザインと言うと鉄道車輛ではペンシルバニア鉄道GG1型電気機関車、自動車ではスチュードベーカー、日本でも不二家のマークや煙草ピースのパッケージがよく知られています。
バス車両としては、GMCの有名なシーニクルーザーが代表的です。後部を半2階として眺望を良くしたデザインは、日本のバスにも影響を与え、国産初の本格的セミデッカーバス (半2階式バス:厳密には戦前の三菱製にルーツ有)と言われる1954(昭和29)年製造の西鉄バス(日野ブルーリボンBD11・西日本車体工業製ボディ)や1959(昭和34)年に東京の国際観光自動車が導入した箱根観光路線用のセミデッカーバス「特急プリンス号」3台(いすゞBH-162:川崎航空機ボディ、日野BQ10PK:富士重工ボディ、三菱ふそうAR470改:富士重工ボディ)がシーニクルーザーに影響を受けて誕生しています。


●絵本に描かれたシーニクルーザー「グレイハウンドバス」
ひかりのくに昭和出版・ひかりのくにデラックス絵本「せかいの乗物」(B5判・全16頁)より。絵: 梅本 恂 画伯。



●グレイハウンドバス「シーニクルーザー」広告
1950年代の広告。







●五十嵐平達 著「GMCコーチの歴史」
自動車史・自動車文化史研究の巨人・五十嵐平達氏(1924ー2000年)が二玄社・別冊CAR GRAPHIC「世界のバス’81-’82」(1981年11月25日発行)に20頁に亘り書かれたGMCバスの歴史を取り纏めた世界初と言われる論稿でシーニクルーザーについても貴重なGM保存写真と共に触れられています。


シーニクルーザー最終クレイモデル


4灯ヘッドライト、後2軸のローウィのデザインによる1948年シーニクルーザー


1954年改良型シーニクルーザーPD-4501



★五十嵐平達氏のブリキコレクションの中のシーニクルーザー
ネコ・パブリッシング1996年8月10日発行・五十嵐平達 著「写真が語る自動車の戦後」28/29頁掲載画像。右側上方に萬代屋の三菱3輪とメグロの間にシーニクルーザーが元箱と共に写っています。KTS製造、販売メーカーはSSSインターナショナル商事?



★山中湖高村美術館に展示されていた五十嵐平達氏のブリキバスコレクションの中のシーニクルーザー
1996年8月25日撮影。山中湖高村美術館には五十嵐氏所蔵の実車カタログ、シガレットケース、ポスター、ブリキ玩具といったものが多数展示されており、その中に五十嵐氏自身がデザインしたスーパーデラックスはとバスAタイプ「月光仮面」のマルサン製2台、萬代屋の民生コンドル、浅草玩具の東名急行バスと共にSSSインターナショナル商事販売と思しきシーニクルーザーのブリキも展示されていました(残念ながら、このピンボケ画像しか残っていません)。





●東京玩具商報1955年12月号新製品紹介欄に掲載された寺井商店のシーニクルーザー「グレイハウンドバス」 (国立国会図書館の蔵書より複写)
東京売価100円と記載があることから、大きさ違いで数種類リリースされた寺井(ダイヤ)製シーニクルーザーの中で22cmサイズのものと思われます。1954年のPD-4501シーニクルーザーの実車誕生からあまりタイムラグなくリリースされていたことになります。



●東京玩具商報1956年4月号に掲載された浅草玩具人形(後の浅草玩具/エーワン)広告 (同上)
広告中央にシーニクルーザー「グレイハウンドバス」の写真が掲載されています。浅草製のシーニクルーザーも大きさ違いで数種類リリースされており、広告に掲載されたものは37.5cmサイズの最も大きなもののように思われます。浅草玩具からも実車とリアルタイムでリリースされていたことが判ります。





●画報「科学時代~自動車の驚異」に掲載されたブリキ自動車の中のグレイハウンドバス 
国際文化情報社・1959年5月10日発行。カナメ産業のポルシェ356Aハードトップ、旭玩具の初代トヨエース幌付、野村トーイの日産590COEバス等と共に右上に40cm以上はありそうな実車とは少々異なるカラーリングのグレイハウンドバス(メーカー不明)が写っています。



●洋書「A World of BUS Toys&Models」
Schiffer Book・1999年刊。159頁。ISBNコード:0-7643-0814-9。縦280×横215mm。KurtKurt M.Resch氏のバスモデルコレクションを纏めた1冊で日本製のブリキも多数掲載されています。但し、はとバスなど日本の事業者のバスモデルは殆ど掲載されていません。グレイハウンドバスについては日本製のブリキも幾つか掲載されています。


1954年のシーニクルーザー PD-4501デビュー時にGMが50台限定で作った全長30インチ=約76cmの巨大なオフィシャルモデル。


左:寺井商店の電動モデル、右:KTS(SSSインターナショナル商事?)。何れも全長375㎜。



●まんだらけZENBU82号「ブリキのバス特集」に掲載されたグレイハウンドバス
2017年8月15日発行のまんだらけオークションカタログに掲載されたグレイハウンドバス達。残念ながらあまり出来の良いものは出品されていませんが、1950~1960年代当時、北米向けに大量に船積みされたブリキのバスの中でグレイハウンドバスは出せば売れる売れ筋商品だったことが判ります。日本製ブリキのシーニクルーザーだけ集めても立派なコレクションが出来る程の種類がリリースされていますが、その出来はマチマチで玉石混交だったことが判ります。


リモコンも多数出ています。




【1954年GMCシーニクルーザー PD-4501 実車主要スペック】 (1954 GMC Scenicruiser Typ. PD-4501 Specification)
全長12190mm・全幅2438㎜・全高1632㎜・ホイールベース6629㎜・車重17000kg・最小回転半径13720mm・4700ccディーゼルエンジン2基・最高出力320hp・変速機3速MT・乗車定員45名・最高速度80km/h



【シーニクルーザー1】 約1/32スケール SSSインターナショナル商事?/KTS/LNC製
ブリキ製。全長375㎜×全幅95㎜。ナンバー文字:S115-57。リア前輪フリクション駆動。箱無。殆ど同じサイズで寺井商店製もありますが、こちらをリアルタイムで五十嵐平達氏が購入しただけあって寺井製より出来は良いです。車体左後ろに円形の中にKTSの商標、車体右後ろにL.N.C.の商標がプリントされています。ナンバー文字がSSSインターナショナル商事でよく見られる「S」始まりであることから、SSSインターナショナル商事が販売した製品と推察できますが確証はありません(トヨタ博物館に保管されていると思われる五十嵐コレクションの元箱の記載を確認出来れば販売メーカーは判明すると思われます)。画像の個体は、そこそこ遊ばれているようで、1階/2階のフロントウインドのクリアパーツが失われています。










全長75㎜のマッチボックス66番1/159グレイハウンドバスとの大きさ比較




円形の中にKTSロゴ


菱形の中にLNCロゴ


シャシー裏




【シーニクルーザー2】 約1/45スケール 正木屋製
ブリキ製。全長275㎜×全幅60㎜。ナンバー文字:1955(恐らく販売年)。リア前輪フリクション駆動。箱付。富士山にStone文字の正木屋製。箱付未使用品ながら、ボディ右側面に黄ばみが発生しています。




製造年を示すと思われる「1955」のナンバー






全長75㎜のマッチボックス66番との大きさ比較




正木屋ロゴマーク


シャシー裏




【シーニクルーザー3】 約1/55スケール 寺井商店製
ブリキ製。全長220㎜×全幅55㎜。ナンバー文字:1910。リア前輪フリクション駆動。箱無。恐らく上掲の東京玩具商報1955年12月号に掲載された都内100円売の寺井(ダイヤ)製品。






全長75㎜のマッチボックス66番との大きさ比較




DAIYA=寺井商店のロゴ




【シーニクルーザー4】 約1/78スケール SSSインターナショナル商事製
ブリキ製。全長156㎜×全幅40㎜。ナンバー文字:なし。後輪フリクション駆動。箱無。
リアを単軸とした廉価なブリキ製品。地球儀の中にSSS文字のロゴに変更される前の3つの山形の下にSSS文字の旧ロゴ時代のSSSインターナショナル商事製品。






全長75㎜のマッチボックス66番との大きさ比較




SSSインターナショナル商事の旧ロゴマーク




【シーニクルーザー5】 約1/35スケール 野村トーイ製 コンチネンタル サロン バス
ブリキ製。全長285㎜×全幅72㎜。ナンバー文字:なし。リア後輪フリクション駆動。箱無。明らかにグレイハウンドのシーニクルーザーのデザインとグレイハウンドのカラーリングをベースに野村トーイが独自に創ったサロンバス。全体にパーツが多く、丁寧に造られています。リアの階段を登ると2階最後部には4つのブリキ製の椅子と花柄がプリントされたテーブルのサロンスペースがあり、また、右1階側面のドアが開閉するギミックも付いています。




動物的な表情のフロントマスク






全長75㎜のマッチボックス66番との大きさ比較




リア後部サロンスペース




1階ドア開閉


プリント表現がされているシャシー裏


シャシー後部にTNの野村ロゴ




【シーニクルーザー6】 1/159スケール マッチボックス66番 グレイハウンドバス
ダイキャスト製。全長75㎜。旧ホイール(左)とスーパーファスト〈SF〉ホイール(右)の2種。旧ホイールは1967(昭和42)年、SFホイールは1972(昭和47)年から筆者の手元にあるワンオーナー物。






マッチボックス1967年日本語版カタログより




【シーニクルーザー7】 1/43スケール 書店売りAUTO BUSシリーズ
欧州で書店売りされたシリーズの1台。ボディはプラ樹脂系素材、シャシーは一部ダイキャストで程々の重量感があります。国内にも一部専門店により輸入され5000円前後で販売されています。1954~1956年のPD-4501ではなく、1961年の改良型「スーパーシーニクルーザー」(SUPER SCENICRUSER)をモデル化しています。一緒に写っているのはシーニクルーザーと同じロウィ作の1953年スチュードベーカー チャンピオン(1/43スケールSpark品番S2955)。














【ブリキのシーニクルーザー大集合!!】
上掲1~6の集合写真。














★オマケ(その1): 2022年1月TLV-N新製品1978年330セドリック/グロリア2ドアHT2000SGL-E
2022年1月22日(土)発売新製品(早いところは20日より販売)。セドリックがLV-N257a、グロリアがLV-N258aで何れも税込3190円。今月のTLV-Nの他の新製品、1985年日産サファリ2種(各3190円)、1990年100系ハイエース前期2種などは芸風ではない年代ということで潔くパスしました。










★オマケ(その2): 今日のビートルズ「Drive My Car」 1965
アルバム「ラバーソウル」A面1曲目。アルバム「ラバーソウル」の収録曲は珠玉の名曲揃い。村上春樹の小説や映画を知っていても、元となったこの曲を知らないなんて人もいそうです☆