★1956年 カナメ産業 ボルボスポーツ P1900 ~ ブリキ自動車コレクションから 126 | ポルシェ356Aカレラ

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★断捨離
諸事情あり、最近コレクションのスリム化を始めました。
「断捨離中です。」と言いたいところですが、「断捨離とは、断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)の頭文字を纏めた言葉」であり、以下の意味があるそうで、現状では煩悩のためモノへの執着が強く手放すのは惜しいと思えるモノが沢山あり、まだまだ断捨離には程遠い状況です☆
モノには執着はないなあ、大切なものは愛、愛だけだよ~♪」だなんていつかは言ってみたいと思いつつ、物欲にまみれた人生をなかなか修正出来ないのが悲しい現実であったりもします☆☆

(1)断: 家に入ってくる不要な物を断つ。=新品/中古を問わず新規にミニカー等を買わない。
(2) 捨: 家に長年置いてある不要な物を捨てる。=左程執着のないミニカー等はビシバシ処分する。
(3) 離: 物への執着から離れる。=手元に置いておきたい愛着のあるミニカー等があっても執着心/物欲を捨て死ぬ気で全てを処分する。

上記3つの断捨離の中で、(1)はまだまだ出来ず、(3)もまだまだ出来ず、現在出来るのは(2)の左程執着のないミニカー等を処分することだけという情けない状況(?)です。自分にとって左程執着のないミニカー等とはどういったモノなのか考えてみると、概ね以下のようなモノが該当します。

【あまり執着のないミニカー等】
1) ミニカー等の製造年代: 1980年代以降に作られたモノ
2) ミニカー等となった実車: RRポルシェと1970年代以前の日本車以外のモノ
3) ダブって持っているモノ

執着があるミニカー等は上記とは逆に1970年代以前に製造されたモノでモデルとなった実車はRRポルシェか1970年代以前の日本車、そして、ダブって持っていないモノということになります。
ところが、1980年代以降に製造されたモノであっても、例えばコツコツと集めた1980年代以降のトミカや2000年代半ば以降のTLVなどは、「あまり執着のないミニカー」であるはずなのに処分する気にはなれず、また、RRポルシェ及び1970年代以前の日本車のみ残すという車種の括りからは外れる1961年ジャガーEタイプや1954年アルファロメオ・ジュリエッタ・スプリントなども処分する気にはなれず、結論としては、「お金を出してトランクルームを借りるなどしないで家に収納できる範囲までは出来るだけ家に置いておきたい」という断捨離とは程遠いところで気持ちが落ち着いています。
それでも、高校生の頃から現在まで集めたコレクションには、状態が良いものに買い替えたためにダブって持っているモノや元々ダブって買っておいたモノ、収集対象外の車種なのにいつの間にか手元に集まってしまったモノなど、処分することについて心理的なハードルがあまりないモノも沢山あり、そのあたりから順次コレクション・スリム化のための作業を始めています☆☆


★閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」シリーズ第126回記事として、カナメ産業の1956年ボルボP1900スポーツをご紹介します。上記の断捨離の話の中の「あまり執着のないミニカー等」として書いた3つの条件の中の2の車種条件ではボルボは処分しても良いモノに該当することとなります。しかし、製造年代が1950年代と古く、3つの条件のうちの1はクリアできないため、当面手放すことはないかなと思います☆☆☆


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★ボルボ
2021年3月2日、2030年までに完全な電気自動車メーカーになると発表したボルボ・カーズは高品質と優れた安全性と耐久性で知られるブランド。ボルボの歴史は、1927年(昭和2年)、スウェーデン最大規模の企業であったベアリングメーカー「SKF」の援助を受けて自動車製造に乗り出したことに遡ります。同じスウェーデンのサーブは戦後1946年(昭和21年)に最初のプロトタイプが造られているため、スウェーデンで生まれた自動車ブランドではボルボが最古ということになります。
戦前1930年代半ばにボルボはGMから技術者を招聘し、アメリカ車の影響が色濃い自動車をアメリカ式の大量生産方式を学び量産体制を築いています。戦後1946年には乗用車PV444の生産を開始、1950年代初頭にはアメリカ等への輸出も本格的に開始しています。このPV444と1965年まで製造されたMC版のPV544により高性能で耐久性抜群というボルボの世界的な評価が定まることとなります。更に1956年(昭和31年)にはアマゾンの名称で知られる120系が登場し国際ラリー等モータースポーツでの活躍によりボルボの名声を一層高めることとなります。また、1959年(昭和34年)には前席3点式シートベルトを世界で初めて標準装備したことにより、ボルボ最大のセールスポイントとも言える安全神話を築くこととなります。


★ボルボ スポーツ P1900
ボルボスポーツ(P1900)は、1956(昭和31)年から1957(昭和32)年にかけて、ボルボが量産乗用車ボルボPV444(1.4ℓ・70馬力・3速ギアボックス・電装系6ボルト)をベースとして米カリフォルニア州サンタアナ(Santa Ana)のグラスファイバーボディメーカー・グラスパー社(Glasspar)との契約により、グラスファイバー製ボディを載せて生産したロードスター。
このクルマの誕生のきっかけは、ボルボの社長兼創業者であったアサール・ガブリエルソン(Assar Nathanael Thorvald Gabrielsson;1891年8月13日ー1962年5月28日)が、米国で発売された最初のシボレー・コルベット(C1)を見たことでした。彼はコルベットのようなクルマをボルボでも造りたいと思ったのです。デンマークのエンジニア エリック・クイストガード(Erik Quistgaard;1921年6月3日-2013年2月11日)がP1900の開発チームリーダーに任命され、1954(昭和29)年にはガラス繊維強化ポリエステル製ボディのオープン2シーターとして発表され、ボルボ初のスポーツカーとして大きな話題を呼びました。しかし、様々な問題により生産に移されたのは2年後の1956年からとなりました。何とか生産を開始したP1900でしたが、北欧スウェーデンではロードスターの需要は低く、またP1900のグラスファイバーボディの耐久性や車としてのクォリティがボルボの水準には達していなかったため生産開始から2年目の1957年には生産を終了しています。生産台数は僅か67台(一説には68台)でした。元々の生産台数が少ない割にはP1900の現存車両は比較的多い模様です。


●誠文堂新光社「自動車のアルバム1955年版」に掲載されたボルボ・スポーツ
1955年5月15日発行。「ヴォルヴォ スポーツカー」のタイトルで以下の説明文と共に写真が掲載されています。
強化プラスティック製ボディを持つスウェーデン初のスポーツカーでプラスティック製ルーフを取り付けてハードトップとすることも出来る。PV444サルーンのエンジンを改良し圧縮比を引き上げた70馬力のものが備えられ、チューブレス・タイヤを標準装備として採用。車体はチューブラー型の低重心のシャシーを基台として軽量に作られている。



●1954年12月発行 ボルボ スポーツ 公式カタログ
ボルボ スポーツ オーナーズクラブのHP(https://www.volvoclub.org.uk/information-p1900.shtml )より転載(2つ折)。




丸型7連メーター


シャシー画像/スペック



●1956年9月発行 ボルボ スポーツ 公式カタログ
同上HPより転載(表裏1枚物?)。






【1956年ボルボスポーツP1900 実車主要スペック】(1956 Volvo Sport P1900 Specification)
全長4220mm・全幅1575㎜・全高1340㎜・ホイールベース2400㎜・車重920kg・FR・ボディタイプ:2座ロードスター・B14A型水冷直列4気筒1414cc・圧縮比7.8:1・最高出力70ps/5500rpm・最大トルク:10.4kgm/3000rpm・全輪油圧ドラムブレーキ・ツインキャブレター・電装系6V・変速機3速MT・燃料タンク容量55ℓ・最高速度160km/h以上・販売価格:不明


【カナメ産業 1/20スケール1956年ボルボ スポーツP1900 ブリキ製モデル玩具 主要データ】 (1/20scale 1956 Volvo Sport P1900 by Kaname Sangyou Tinplate model Toy KEY DATA)

・商品名: The Swedish VOLVO SPORT
・カナメ産業 製品番号(製品管理番号): A23625(?=箱絵及びリアナンバープレートの印字)
・主要素材: ブリキ
・全長: 216㎜(実車比1/19.5)
・全幅: 85㎜(実車比1/18.5)
・ホイールベース: 118mm(実車比1/20.3)
・スケール表記: なし
・箱サイズ: 縦90×横220×厚さ73㎜
・動力: 電動
・ギミック: 前輪左右ステア・ヘッドライト点灯
・カラーバリエーション: 黒トップ/白ボディ、黒トップ/白ボディ 等
・その他のバリエーション: 電動単独走行仕様、電動リモコン仕様
・シャシー再現: なし
・発売時期: 1958年(昭和33年)頃
・販売価格: 不明
・入手難易度: 10段階評価でレベル7~8程度
・2021年現在のアンティーク・トイ市場での推定評価額: 6~9万円程度 (箱付未使用美品の場合)。



●カナメ産業 1/20スケール 1956年ボルボ スポーツ P1900 (黒/赤・電動・箱付き美品)
恐らく実車とリアルタイムに造られたボルボスポーツ唯一の立体造形物。スモールライト等の別パーツも多い良心的な造り。萬代屋が世界の自動車シリーズと名打ちBMWイセッタやメッサーシュミットといった珍車を含めてシリーズ化を始める以前の製品と思われます。僅かな生産で終わったボルボスポーツの模型が極東の日本で造られたことにボルボ本社の関係者は驚いたのではないでしょうか。箱には実車のスペックが印字されています。2021年現在も単1電池2個をシャシー裏に入れて右ドア肩のスイッチを動かすとヘッドライトを点灯させ快調に走ります。右ドア肩にスイッチが付くのは同じカナメ産業の名作1958年ポルシェ356Aハードトップの電動仕様等と同じ造りとなっています。カナメ産業は何故かボルボと縁があり、このスポーツ、PV444、PV544、アマゾンとリアルタイムで矢継ぎ早にブリキ素材で製品化しています。










赤の塗膜で読みづらくなっていますが、フロントグリル上に実車通りVOLVOの文字が入っています。












運転席のプリントは残念ながら実車とは全く異なります。


ラゲッジスペースにはテニスラケット等がプリントされています。


シャシー裏。電池ボックス蓋は取り外し式。画像では判読しにくいですがKS文字のカナメ商標が入っています。


製造から60年以上を経た2021年現在もヘッドライトは問題なく点灯しスイッチ操作で前後に走行します。


NEO1/43スケール ボルボP1900スポーツ(全長10cm/レジン製)との並び








300台限定品


同じカナメ産業製のボルボPV444(全長19cm)と一緒に♪ PV444は2ドアボディながら1950年代前半(=昭和20年代後半)の東京ではVWビートル等と共に何と営業用車(タクシー)として使用されています。










●カナメ産業 1/20スケール1956年ボルボ スポーツ P1900 (黒/白・電動リモコン・箱付き美品)
2008年発行・VELOCE PUBLISHING「TINPLATE TOY CARS of the 1950s&1960s from Japan」(ISBN 978-1-84584-126-3)98pより画像転載。






★オマケ(その1): Tekno 434番ボルボ タンクローリー「SHELL」
全長23cm。スケール1/53程度。今回のテーマはボルボということでボルボのミニカーを1台。国内定価1100円~1600円。ダイキャスト素材がずっしりと重い魅力的なミニカー。




ジュエル・ヘッドライト♪







同じシェルのタンクローリー友情出演: ①1960年代 LEGO 1/87メルセデス・セミトレーラータンクローリー「SHELL」 ②1970年代 永大グリップゼッケン 1/100いすゞVWR340フルトレーラー・タンクローリー「Shel」






★オマケ(その2): ホットウィール新製品 ポルシェ959白&VWタイプ2 T1パネルバス「PORSCHE」
ポルシェ好きなら落とせない2台。タイプ2の赤いポルシェ仕様はシュコー等から出ているものと並べると楽しそうです♪






★オマケ(その3): 今日のビートルズ「In My Life」 1965
ジョンの遺した名曲のひとつ。


私のテキトーピアノ・バージョン(+ノルウェーの森)