★1960年 米澤・マルサン・増田屋 日野ルノー4CV ~ ブリキ自動車コレクションから 063 | ポルシェ356Aカレラ

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★本記事は2020年5月10日付にて3839人が参加しているアメブロ「コレクションカテゴリー」の人気記事「第1位」になりました!!
大勢の人に記事を見ていただいて、本当にありがとうございます(≧▽≦)

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★ゴルゴ13休載
1968年(昭和43年)11月から半世紀以上に亘り一度の休みもなく連載が続いてきたビックコミック掲載のゴルゴ13が休載することに決まったそうです。10人程度のスタッフが密集して制作する状況を回避するためとのことで、まあ止む無しというところでしょうか☆


★自動車税
5月は自動車税納付の月です。
今年は新型コロナの影響で前年同月よりも2割以上収入が減少した場合には、
減少を証明出来る書類の提出により延滞金なしで
1年の納付期限の延長が認められるそうです。
御承知の通り、新車から13年を超えると
概ね10%程度税額が上がるため、
趣味ではなく単に実用のために自動車を使っているといった場合には
この13年が買い替えの契機ともなるようです。
13年超えで排気量6リッター以上の、
例えば1959年式のキャデラックやビュイックといった
恐竜時代の魅力的なアメ車群を所有している場合には、
税額は1台当り年127,600円という最高ランクとなります。
その点、1.1~2リッターの356や2リッターのナロー911といった
ビンテージ・ポルシェを所有している場合には、
1台当り年39,600円~45,400円と1959年式のアメ車の
3分の1程度の税額で済みます☆☆


★閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」の第63回記事として米澤玩具・マルサン商店・増田屋の3社が競作した、日野ルノー4CVをメインに当時物の日野ルノーの模型達をご紹介しますne☆☆☆


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★ルノー 4CV(Renault 4CV)
ルノー 4CV(Renault 4CV)は、フランスのルノー公団により1947年(昭和22年)から1961年(昭和36年)まで生産販売された先進的な小型乗用車で累計110万5547台を生産し、フランス車史上初のミリオンセラー車となりました。ベルギー、イギリス、オーストラリア、スペイン、南アフリカ、そして日本でも組立ないし国産化が行われています。

★日野ルノー
戦中戦後の自動車技術の立ち遅れを取り戻すべく日野自動車が1953年(昭和28年)2月11日にルノー公団と契約を結び、1953年(昭和28年)3月15日に組立第一号車が完成、翌4月から市販が開始され、1963年(昭和38年)8月までの11年5ヵ月間に延べ3万5100台を生産しています。輸入部品の組立てから始めた日野では、1957年(昭和32年)10月に部品の完全国産化を達成し、仏本国での生産が終了した1961年以降も契約を2年更新して生産を継続しています。
日野版ルノー4CVは、当時の日本の極悪な道路事情に対処するために足回りの強化やエンジンの改良を行った他、1954年(昭和29年)には全長3.8mを超えると制限速度が10km速くなるという国内法規をクリアすべく、ボディ側から伸びたステーを前後各80mm延長して前後バンパーを取り付け車体長を3845mmに伸ばすという苦肉の措置が取られています。この前後を延長したスタイルが日野ルノー独特の個性を醸し出していました。但し、1960年(1961年式)以降は道交法改正に伴い、本来の4CVの全長3685mmに戻されています。
四輪独立懸架、軽量モノコックボディ、ラック&ピニオンのステアリングといった進歩的な4CVの設計は同時代の日本車に比べて総じて優れていました。しかし、日野が4CVの国内生産を行なった1950年代前半~1960年代前半の日本では、まだ自家用車(マイカー)が一般大衆に本格的に普及する前の時代でしたので、日野ルノーは自家用以上にタクシー(営業車)として酷使され、当時を知る世代には「ルノーのタクシー」として記憶されています。
個人的には幼少時(1960年代前半)、ハス向かいの某私大教授の家に日野ルノーがあったことから、
ルノーは大学の先生のクルマというイメージがあります。


【日野ルノーの年式識別ポイント】
1953年(昭和28年)の最初期車両はフロントのダミーグリルが仏本国の1947年~1953年型と同じ6本(通称6本ヒゲ)、1954年(昭和29年)から1956年(昭和31年)は仏本国の1954年~1961年型と同じ3本(通称3本ヒゲ)、1956年(昭和31年)10月発表の1957年型(PA57型)以降はグリル両側サイドが上下に繋がった仏本国版には存在しない日野独自の意匠となっています。加えて、1961年式以降では前後バンパーの延長がないことが識別ポイントとなります。


★フジヤの幼児絵本「じどうしゃ」表紙
B5判、12頁。富士屋書店(東京都文京区初音町)発行。品番No.139。当時定価30円。当時の国産車としてはメジャーだった日野ルノーですが、表紙に採り上げらることの多かった観音開きのクラウンに比べると絵本に登場した例は少なく、私が知る限り、表紙に日野ルノーがメインで描かれたのはこの絵本のみ。東京駅行の都電をバックに1954年~1956年までの通称3本髭の日野ルノーが描かれています。



●1960年式日野ルノー簡易カタログ 表紙 (B5判3つ折6面)
前後バンパーが延長されていることが、良く判るアングル。






運転席のデザイン



【1959年 日野ルノー4CV デラックス PA59型 実車 主要スペック】 (1959 Hino Renault 4CV Deluxe Type.PA59 Specification)
全長3845 ㎜・全幅1435㎜・全高1440㎜・ホイールベース2100㎜・車重640㎏・RR・KGH20型水冷直列4気筒OHV748cc・最高出力21ps/4000rpm・最大トルク5.0kgm/1800rpm・変速機3速MT・電装系6V・乗車定員4名・燃費16km/L・シャシー打刻開始番号:PA-59-116401・タイヤサイズ:5.0-15-2P・最高速度100km/h・販売価格67万円



【Chapter Ⅰ】
米澤玩具 1/20スケール1960年 日野ルノー4CV

(Yonezawa Toys 1/20scale 1960 Hino Renault 4CV Tinplate Toy)

・基本素材: ブリキ
・米澤玩具 品番(管理番号): 不明
・製品名: ルノー
・発売時期: 1959年11月?
・販売価格: 都内200円
・全長195㎜ (実車比1/19.7)
・全幅71㎜ (実車比1/20.2)  
・全高73㎜ (実車比1/19.7) 
・ホイールベース104㎜ (1/20.2)
・スケール表記: なし
・箱サイズ: 縦85×横200×厚さ70mm
・動力: 後輪フリクション
・カラーバリエーション: ワインメタ・ブルーメタ・緑金メタ等
・その他のバリエーション: フロントナンバー文字が「Renault」の左ハンドル仕様、細かなパーツを減らし製造コストを下げた後期製品等
・シャシー再現: なし
・入手難易度: 10段階評価でレベル7程度
・2020年現在のアンティーク・トイ市場での推定評価額: 12~18万円程度(箱付未使用美品の場合)
※註)1/20スケールは全長比。

●東京玩具商報1959年10月号 米澤玩具 広告 (国立国会図書館の蔵書より複写)
日野ルノーが単に「ルノー」と記載の上、製品画像が掲載されています。





●米澤玩具 1/20スケール1960年 日野ルノー4CV ワンメタ (1stモデル)
日野ルノーの当時物ブリキ製品の中で最もシャープな出来で全体のバランスも良いのは米澤玩具製。1stモデルはパーツも多くリアルな仕上がりでブリキ国産車の傑作の1台と言えます。














手前は1970年代後半、八丁堀に店を構えていたミニカーショップコジマがリリースしたホワイトメタルミニカー「ルビコン」501番1/43スケール3本髭 ルノー4CV(大きさ比較用)




比較的正確な運転席のプリント


リアトレイに桜にYの字の米澤商標


シャシー裏面




●米澤玩具 1/20スケール1960年 日野ルノー4CV ブルーメタ (1stモデル)









●米澤玩具1/20日野ルノー2台の並び










【Chapter Ⅱ】
マルサン商店 1/20スケール1956年 日野ルノー4CV

(Marusan 1/20scale 1956 Hino Renault 4CV Tinplate Toy)

・基本素材: ブリキ
・マルサン商店 品番(管理番号): No.5213またはNo.124
・製品名: 日野ルノー(カタログでの記載は「動力ルノー」)
・全長195㎜ (実車比1/19.7)
・全幅80㎜ (実車比1/17.9)  
・全高72㎜ (実車比1/20.0) 
・ホイールベース102㎜ (1/20.6)
・スケール表記: なし
・箱サイズ: 縦92×横200×厚さ70mm
・動力: 後輪フリクション
・カラーバリエーション: 青メタ・黄緑・赤 等
・シャシー再現: なし
・入手難易度: 10段階評価でレベル8程度
・2020年現在のアンティーク・トイ市場での推定評価額: 12~18万円程度(箱付未使用美品の場合)
※註)1/20スケールは全長比。


●マルサン商店1963年版総合カタログより「動力ルノー」
卸向け箱入り個数が何と72個と記載されています。



●マルサン 1/20スケール1956年 日野ルノー4CV ダークブルーメタ
1954年~1956年に製造された通称3本髭をモデルとしていますが、1960年代前半までマルサンのカタログに掲載されています。マルサン製ルノーはプラ樹脂製のドライバーが乗車しているのが特徴。シャープな米澤製には数段劣りますが、独特な味わいがあります。現存する個体は米澤製よりも少な目です。リア・エンジンルームのスリットは丁寧に一つずつ開けられています。










手前は大きさ比較用1/43ルビコン・ルノー4CV






運転席のプリント


リアトレイに円形にSAN文字のマルサン商標


シャシー裏面




●マルサン 1/20スケール1956年 日野ルノー4CV 赤










●マルサン商店1/20日野ルノー2台の並び






【Chapter Ⅲ】
増田屋齋藤貿易(マスダヤ) 1/21スケール1954年 日野ルノー4CV

(Masudaya 1/21scale 1954 Hino Renault 4CV Tinplate Toy)

・基本素材: ブリキ
・増田屋 品番(管理番号): 不明(初版電動仕様のパテントNoは1376)
・製品名: 電動Electric Lucky Car/フリクションBon Renault
・発売時期: 1954年7月(電動初版)
・販売価格: 不明
・全長183㎜ (実車比1/21.0)
・全幅82㎜ (実車比1/17.5)  
・全高65㎜ (実車比1/22.1) 
・ホイールベース95㎜ (1/22.1)
・スケール表記: なし
・箱サイズ: 縦90×横192×厚さ72mm
・動力: 後輪フリクション
・カラーバリエーション: 赤・青・緑・白灰 等
・シャシー再現: なし
・入手難易度: 10段階評価でレベル6程度
・2020年現在のアンティーク・トイ市場での推定評価額: 5~8万円程度(箱付未使用美品の場合)
※註)1/21スケールは全長比。


●東京玩具商報1954年8月号 優秀製品御紹介欄に掲載された増田屋製ルノー (国立国会図書館の蔵書より複写)
「小型タクシー界の花形が玩具界への初登場」


●東京玩具商報1954年9・10月合併号 増田屋齋藤 広告のルノー (同上)
「電気自動車」「ルノー型」と記載されています。



●増田屋 1/21スケール1954年 日野ルノー4CV 初版電動 白灰色
マルサン同様に1954年~1956年に製造された通称3本髭をモデルとしています。玩具然とした造りながら、リア・エンジンルームのスリットは丁寧に開けられています。1954年夏と3社の中で最も早く市場に出て、1960年代前半まで10年程度に亘り販売されたものと思われます。電動初版は単一電池を1個入れると左ドアのレバーで前後進します。










手前は大きさ比較用1/43ルビコン・ルノー4CV




シャシー裏面




●増田屋 1/21スケール1954年 日野ルノー4CV フリクション赤
BON RENAULT(=素敵なルノー)と書かれた素朴な箱。














●増田屋 1/21スケール1954年 日野ルノー4CV フリクション青
箱の印字はこれもBON RENAULTながら箱絵は日野オリジナルグリルを付けたルノー4CVの実車写真に差し替えられています。














●増田屋 1/21スケール1954年 日野ルノー4CV フリクション緑












●増田屋 1/21スケール1954年 日野ルノー4CV 集合!!






増田屋製ルノー4CVの箱3種類




●米澤玩具/マルサン/増田屋 日野ルノー4CV 大集合!!






※日野ルノー4CVの実車カタログについては、2013年7月13日の「自動車カタログ棚からシリーズ」第153回記事をご参照ください。





★オマケ(その1): 日本文化教材社1/20スケール程度「電気で走る快速ルノー」木製キット
箱サイズ縦76×横190×厚さ38㎜。発売時期:1950年代後半頃。当時定価は不明ながらモーターまでセットされた状態で出荷されていることから、木製キットとしては高級品の類だったと思われます。箱絵には3本髭のルノーが描かれていますが、自動車を全く知らない絵師が手掛けたらしく、酷くバランスが崩れており、凡そ当時の小中学生が箱絵に惹かれて買ってしまうことはなかったと思えるキットです。






★オマケ(その2): マルサン商店1/25スケール 1959年日野ルノー4CV PA59型 プラモデル
マルサン品番7031。当時定価330円。本体全長135×全幅57㎜。箱サイズ縦100×横160×厚さ55㎜。発売時期:1959年。ダットサン1000、ダットサン1000スポーツカー(S211型)と共に黎明期の国産プラモ市場に出た製品。同じマルサンのブリキの4CVと同様にドライバーのフィギュアが付いています。マルサン初期のプラモデルの中では日野ルノーは比較的現存している印象です。





●驚愕の和光樹脂1/40 スケール?日野ルノー小サイズ プラモデル(画像提供: henry氏)
和光版とマルサン版の日野ルノーは、よく見かける金型共通の1/25スケールの製品のみと思っていたのですが、何と和光版には一回り小さな製品が存在しています。




★オマケ(その3): 緑商会1/64スケール程度 1961年日野ルノー4CV プラモデル
緑商会ミニ国産車シリーズNo.7。本体全長60×全幅27㎜。箱サイズ:縦35×横85×厚さ27㎜。発売時期:1961年頃。駄菓子屋さんや模型屋さんの店先で1台30円程度で売られたと思われるプラモ。このシリーズでは縦目セドリック、RS31クラウン、4灯初代スカイライン等多数がリリースされています。


箱裏面に組立説明図




★オマケ(その4): 八重洲出版「昭和青春グラフィティ」
2020年3月発行。定価税抜1500円。新刊紹介というには既に2ヵ月程度経ってしまっていますが、つい先日入手しました。裕次郎と300SLの胸躍る表紙の書籍ですが、何でも取りあえず詰め込んでみたような散漫な印象があり個人的にはイマイチに思えました。スターと愛車等の古い写真は1964年創刊の八重洲出版ドライバー誌に掲載された写真の再録が多いと思われますが、初出が何年何月号であるかという記載が一切ないことが資料的な価値を落としているように思います。


中頁より。1954年第1回東京モーターショー(当時の正式名称は全日本自動車ショウ)のオオタブースのオオタPAとモデル嬢の鮮明画像。これは1957年の八重洲出版創立以前のため自工会の保存写真でしょうか。


テレビでも活躍した美容研究家・竹腰美代子さん(1930年10月5日-2001年3月1日)と白い2代目クラウン。クラウンは窓枠にクロームメッキがなく白タイヤも履いていないことからデラックスRS41ではなくスタンダードRS40のように見えます。RS40の純正色に白があったのでしょうか。竹腰さんの夫はクレイジーキャッツの安田伸さん(1932年9月19日-1996年11月5日)。




★オマケ(その5): ダイヤペット1/40スケール 249番1970年ダットサンブルーバードクーペ1600SSS構内タクシー
5月10日はゴトウの日ということで、510ブルをオマケに1台。1970年(昭和45年)9月にダイヤペット194番としてノーマルの510クーペがサファリブラウン・グリーン・レッドの3色でリリースされた後、1971年に入り、240番パトカー(ダイヤペットクラブ500台限定)、242番警備保障ガードマンカー、そしてこの249番構内タクシーと金型代回収が目的だったのか怒涛のようにバリエーションが出ています。ダイヤペットでは171番で510の4ドアもリリースしており、少なくともタクシー仕様はこの2ドアクーペではなく171番4ドアセダンのバリエーションとして出して欲しかったと思うのは私だけではないでしょう。画像の個体は細部に色差しをしてあり、残念ながら工場出荷時の状態ではありません。






★オマケ(その6): MFゴースト第8巻限定版付属 ドリームトミカ1/62日産GT-R相葉 瞬仕様
2020年5月7日発売。定価税抜1860円(10%税込2046円)。作者しげの秀一さんは1958年3月生れの62歳、代表作は頭文字D等。












★オマケ(その7): 今日のビートルズ「Girl」 1965
録音1965年12月3日。ジョン・レノン25才。誰が聴いても胸キュンのラブソングですyone♡