★1959年ヂャイアント・コニー360 愛知機械工業初の四輪 ~ 自動車カタログ棚から 243 | ポルシェ356Aカレラ

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大型で非常に強い台風18号が接近しています。東京でも明日の日曜日から月曜日にかけては雨になるようです。実は明日は例のシークレットLIVEを都内某所で行うので、来て下さる人の足に支障が出なければいいなと思っています。私が高校生の頃のオリジナル志向バンド(私の担当はリードギター)の再結成LIVEなのですが、思えば高校生くらいの頃には人前で演奏してもアガるなんてことは全くなくアガるということが意識の片隅にもなかったのが今はアガります。10代の頃は毎日楽器を弾きまくって没頭していたのでアガることを意識することもないという感じだったのが、今は雑念が増えてしまったせいなのか、どうしてもアガります。
高校生の頃も大勢の人の前で演説をするとかいうことは凄く苦手だったのに音楽を演奏する時は何故かアガりませんでした。明日はアガリ防止に眼深帽子に真黒なサングラスと口にはマスクをつけて出演すればいいのかもしれません。ぷぷっ、それでは逆に目立ちすぎて恥ずかしいですね。それでも私は人前で楽器を弾くのはまだ割合楽なのですが、元来が口下手なので大勢の人の前で何かプレゼンテーションをするとか朝礼で10分間何か話してくださいみたいなシチュエーションは凄く苦手です。どうしてもそういう状況から逃げられない時は万全の台本を作っておいて、クールに棒読みするようなことになりがちです。みなさんは如何ですか。人前でアガるなんてことがありますか。   




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★名古屋市 に本社を置く日産系列のエンジンおよびトランスミッションの製造メーカー「愛知機械工業」は、かつて1950年代には三輪トラック「ヂャイアント」、1960年代には軽四輪商用車「コニー」を自社ブランド製品として生産していた。
1958年(昭和33年)5月、東京国立近代美術館 にもその作品が収蔵されているジュエリー・デザイナーである宮田脩平氏(1933-)のデザインスケッチにより愛知機械工業初の四輪車の開発が開始され、翌1959年(昭和34年) 10月24日~11月4日に東京・晴海に会場を移して初めて開催された第6回東京モーターショー(当時の正式名称は全日本自動車ショー)にてヂャイアント コニー360トラック(型式AF3型)として展示され、同年12月より市販が開始された。モーターショー展示の僅か1ヵ月前の1959年(昭和34年)9月26日に中京地区を襲った伊勢湾台風により愛知機械工業は甚大な被害を受けたため、モーターショー展示用車両を用意出来ない緊急事態となっていたが、辛うじて難を逃れた試作車を急遽化粧直しして展示に間に合わせたという。


★ヂャイアント・コニー360トラックのフロントデザインは1957年型クライスラー・ニューヨーカーをアイドルにしたとも思われる個性的なもので個性的で愛嬌のあるヘッドライト周りの表情からオースチン・ヒーレースプライトMK1と同様の「カニ目」や「カエル」の愛称も付いた。
外観的にはルーフを白系とした当時流行のツートンカラーを採用したことも特徴であった。
機構的には座席の直下に強制空冷エンジンを配したアンダーフロアエンジンのミッドシップレイアウトを採用し、これはエンジンの上に人が乗る三輪トラックのレイアウトをそのまま四輪化したものと言えるが、低重心による良好な走行安定性を生み出していた。
トラックの発売から約半年遅れて1960年(昭和35年)6月にはライトバン(型式AF3V型)が追加され、1962年(昭和37年)4月までの2年5ヵ月の期間に計56,542台が生産された。
その間、当初、ダイレクトなフロアシフトがライトバン追加時にリモートコントロールのコラムシフトに変更され、1961年半ばにはエンジンが354cc19psに換装されている。
生産/販売台数が平均月2000台程度と比較的多かった割には現存車両が少なく確認されている個体は僅かに4台程度とも言われる。
なお、1960年(昭和35年)11月には丁度マツダK360に対するT600のようにヂャイアント・コニー360の全幅は変えずに全長およびホイールベースを延長し600cc22psエンジンを搭載した小型車ヂャイアント・コニー600(トラックAF5型・バンAF5V型)が追加されたが、1962年(昭和37年)2月までの僅か1年4ヵ月の短命に終わった。



【車名の由来】 コニー(Cony)は、ウサギの古風な呼び方。脱兎サン(DATSUN)、ラビット(RABBIT)と日本にはウサギに因む車名は多い。


【主要スペック】 1959年 愛知機械工業 ヂャイアント・コニー360トラック (AF3型)
全長2985mm・全幅1285mm・全高1515mm・ホイールベース1955mm・車両重量575kg・フロントミッドシップ・強制空冷4サイクル2気筒359cc・最高出力16ps/4800rpm・最大トルク2.62 kgm/3500rpm・3速MT・乗車定員2名・最大積載量350kg・燃料消費率27km/L(平坦路)・最小回転半径4300mm・ラック&ピニオン式ステアリング・電装系12V・最高速度66km/h・東京渡し店頭現金価格33万円



●三栄書房「モーターファン」 1960年2月号 表紙 
佐藤泰治氏の筆による発売されたばかりのコニー360の絵
モーターファン表紙



●コニー360広告 
上掲のモーターファン1960年2月号に掲載された広告
広告(1)

広告(2)




●1959年12月 コニー360 簡易カタログ (B5判・2つ折4面)
簡易表紙

中面より
簡易(1)中頁

裏面: スペック&図面
簡易(2)スペック図面

図面アップ
簡易(3)図面




●1959年12月 コニー360 本カタログ (B5判・12頁)
59表紙

【中頁から】
59(1)斜め

フロアシフトの運転席と各部
59(2)運転席と各部フロアシフト

運転席
59(3)運転席

フロントビュー
59(4)フロント

リアビュー
59(5)リア

サイドビュー
59(6)サイド

「軽免許で乗れる軽四輪車」・・・・・当時は16歳から軽自動車限定免許が取得出来た。
59(7)軽免許で乗れる軽四輪車

2気筒16psエンジン
59(8)2気筒16psエンジン

シャシー: エンジンが前後中央の低い位置に置かれていることがよく分かる。
59(9)シャシーエンジン中央




●1960年6月 コニー360 本カタログ (B5判・8頁)
ライトバンを追加し、コラムシフトに変更。
60表紙

【中頁から】
コラムシフトに変更
60(1)コラムシフトに変更

トラック
60(2)トラック

ライトバン
60(3)ライトバン

パネルバン&16psエンジン
60(4)パネルバン&エンジン




●1961年?月 コニー360 本カタログ (A4判・16頁)
エンジンを354cc19psに換装し、カタログ上の最高速度は78km/hに上がった。コニー360のカタログでは最も豪華なもの。ライトバンに対してトラックはスタンダード(標準車)と記載されている。
61表紙

【中頁から】
「午前4時! 市場ではコニーが朝早くから活躍しています」
61(1)午前4時

視界の広い運転席
61(2)運転席

トラック俯瞰カット
61(3)トラック斜め上

ライトバン俯瞰カット
61(4)ライトバン斜め上

トラック・サイドビュー
61(5)トラック・サイドビュー

ライトバン・サイドビュー
61(6)ライトバン・サイドビュー

パワーアップされた19psエンジンに換装
61(7)19psエンジンに換装

シャシー
61(8)シャシー

1960年代の国産車カタログの定番写真「みんなで楽しいピクニック」
61(9)ピクニック

左手前に「サロン春」の看板が見えますが、どこの街でしょうか。
61(10)サロン春どこの街?

図面&スペック
61(11)図面&スペック

トラック図面アップ
61(12)トラック図面

ライトバン図面アップ
61(13)ライトバン図面






★オマケ(その1): マルサン商店 1/19スケール コニー360ライトバン
全長16cm。フリクション駆動。マルサン商店はコニー360のトラックおよびライトバンを製品化したが、大半が玩具として消滅したと思われジャンクを含めても現存する個体は少ない。元箱付の現存は未確認。画像のものは全体に錆が回っていたものをリペイント(再塗装)したもの。ホイルキャップは右前1つだけが残っており、それを元にレジンで複製するしかありません。
マルサン(1)
マルサン(2)
マルサン(3)

マルサン商店「1963年版カタログ」から
コニーライトバン、コニー360トラック共に品番125。価格はトラック130円、ライトバン140円。マルサンの1961年版カタログではトラックのみが掲載されているのでライトバンは実車同様に後から発売されたもののようだ。
マルサン(4)トラックカタログ
マルサン(5)ライトバン



★オマケ(その2): 東京製品 1/21スケール程度 コニー360トラック 木製組立キット
全長14cm程度。ゴム動力。コニー360のデビュー時には既にマルサンからプラモデルが発売されていたが、これはプラモ以前に主流だった木製ソリッドキット。コニー360のこのような木製組立キットは幾つかのメーカーから出ている。
木製(1)
木製(2)





※愛知機械工業の製品については以下のバックナンバーも併せてご覧ください

ヂャイアント三輪トラック : 本シリーズ第187回記事

コニーグッピー : 本シリーズ第37回記事