★2014年 ポルシェ911タルガ 蘇ったタルガボディ ~ 自動車カタログ棚から 232 | ポルシェ356Aカレラ

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★2014年7月10日、恵比寿のウェスティンホテル東京でポルシェジャパン主催の新車展示イベント「The Porsche Summer Summit」が開催され、新型ポルシェ911タルガ4が日本初公開された。
911タルガは、1967年にデビューした最初の911タルガ(第190回記事参照)から930、964の時代まで太いBピラーを持つオリジナルデザインが踏襲された。それが、1995年デビューの空冷最後の993、水冷化された996、997と最近約20年間の3世代のタルガにおいては、オリジナルタルガとはかけ離れた巨大な電動グラスルーフのスタイルに変更された。そして、現行のタイプ991でタルガはデザイン上、再び原点復帰を果たした。
なかなかスタイリッシュな新型タルガのベースとなっているのは一足先にデビューしたカブリオレボディ。ルーフを電動で収納するためのリアのボディ分割ラインはカブリオレと同じ。但しルーフのみを19秒で収納する電動システムはカブリオレ以上に複雑で完全停止時でないと操作出来ない。
911の基本であるノーマルなクーペボディと比べるとタルガのボディ剛性は半分以下の数値であり、100kg以上も増加した車重も相まってスポーツ性能がスポイルされていることは否めない。勿論、タルガもスポーツカーとして十分以上の性能を持ってはいるが、性能ばかりを重視せずカブリオレ同様にファッシャナブルでオシャレなポルシェを欲する人のための911と言える。


★新型911タルガは前代の997同様に4WDのカレラ4(3.5L/350psエンジン搭載)およびカレラ4S(3.8L/400psエンジン搭載)にのみ用意され911の基本であるRRモデルは造られない。
変速機は7速MTと7速PDKが選べるが日本仕様はPDKのみ。ハンドルは左右共に選択可能。現行911で右ハンドルが用意されないのはGT3のみで、新車マカンやカイエン、パナメーラのベースグレードなどは既に日本仕様には左ハンドルがなくなった。もはや外車は左ハンドルという時代は過ぎ去り、コインパーキング一つとっても何かと日本国内では使い易い右ハンドル車が911においても増えているようだ。
国内販売価格は3.5Lのカレラ4タルガが消費税8%込み1500万円、3.8Lのカレラ4Sが消費税8%込み1800万円。このあまりにも丸い消費税込みの価格はポルシェジャパンで意図的に設定したものだろう。来年2015年秋に消費税10%となった場合に本体価格が据え置きであれば何とも中途半端な価格になってしまう。エンジン排気量で300cc、出力で50ps、最高速では14km/h上回るカレラ4Sタルガがカレラ4タルガの丁度300万円プラスというのは、クーペボディの911カレラ4Sとカレラ4との価格差277万円と大差はなく、このクラスの価格帯のクルマを新車でポンと購入する層にとってはあまり大きな価格差でもないのかもしれない。タルガが日本に本格的に入ってくるのは来年2015年の春以降となる模様だ。



【主要スペック】 2014年 ポルシェ911タルガ4S (2014 porsche911targa4S)
全長4500㎜・全幅1850㎜・全高1290㎜・車重1600kg・リアエンジン4WD・水冷水平対向6気筒4バルブ3799cc・最高出力400ps/7400rpm・最大トルク440N-m/5600rpm・乗車定員4名(2+2)・変速機7速PDK・最高速度294km/h・国内販売価格:消費税8%込み1800万円(諸費用別)


●海辺のポルシェ911タルガ4S
190回記事にも掲載した写真の使い回しですが、タルガによく似合うPOPで最高にイケてるカラーリング。
黄緑タルガ



●日本初公開された新型ポルシェ911カレラ4タルガ (2014年7月10日ウェスティンホテル東京「The Porsche Summer Summit」会場にて撮影)
タルガを取り巻くギャラリーが多く、なかなか思うように写真が撮れませんでした。
恵比寿(1)リア斜め
恵比寿(2)前斜め

恵比寿(4)リア斜めアップ

タルガの象徴たるBピラー。展示車両は右ハンドル。
恵比寿(3)タルガトップ右ハン

リアシート背後にルーフを収納したところ
恵比寿(5)ルーフ収納




●2013年11月発行 ポルシェ911タルガ 専用 豪華カタログ (縦22×横22cm布ケース入り・日本語96頁)
新型タルガの日本語版カタログは、この布貼りケース入りの豪華版と現在のポルシェ・カタログのスタンダードサイズの通常版と2種類発行されており、この豪華版が先に配布された。魅力的な装丁に加えて通常版カタログには掲載されていない歴代タルガの写真、デザインイラスト等が掲載されている。逆に通常版に掲載されているボディカラーやインテリアカラーの一覧頁やポルシェ・トラベルクラブの解説頁などがこちらにはない。オマケ3と4のミニカーはディーラーに行けば誰でも購入出来るが、このカタログは原則商談客用とのスタンスで数も少ないため入手はなかなか難しい。

立派なケース入り。ブルーはタルガのイメージカラー。
ケース表紙

中頁から
ケース(1)
ケース(2)

イメージスケッチ
ケース(3)イラスト1
ケース(4)イラスト2

ケース(5)リア黒

室内
ケース(6)室内

一堂に会した歴代911タルガ
ケース(7)歴代

1965年タルガ(発売は1967年)
ケース(8)1965年

1973年タルガ(930型Gシリーズ)
ケース(9)1973年

1989年タルガ(964)
ケース(10)964タルガ1989年

1995年タルガ(最後の空冷993)
ケース(11)1995年993

2001年タルガ(水冷996型)
ケース(12)2001年996

2006年タルガ(水冷997型)
ケース(13)2006年997

そして、2014年タルガ(水冷991型)
ケース(14)2014年991

ケース(15)リア

ルーフ開閉機構
ケース(16)開閉機構




●2013年12月発行 ポルシェ911タルガ 専用カタログ (縦17×横24.5cmカバー付・日本語102頁)
現在のポルシェ・カタログのスタンダードサイズで後から発行された通常版。黒いカバーを外すと他のポルシェのカタログと共通の白ベースのカタログが現れる。
本表紙

中頁から
本1中リア
本2中フロント

ルーフ開閉機構
本3中開閉

タルガは斜め後ろからのスタイルが一番美しい。
本4中斜めリア

1967年911タルガと2014年911タルガ。2台の間には47年の時が流れている。
本5中1967と2014

ボディカラーはソリッドが白・黄・赤・黒の4色、メタリックが8色、そしてスペシャルカラーとしてGTシルバーメタリックとライムゴールドメタリックの計14色が選べる。
本6中カラー1
本7中カラー2

スペック掲載箇所
本8中スペック1
本9中スペック2




 
★オマケ(その1): 2014年ポルシェ911タルガ オフィシャル動画




★オマケ(その2): 2014年ポルシェ911タルガと1970年ポルシェ911タルガとの比較動画
複雑な機構でルーフが開閉する合体ロボのような最新型よりも人の手で開閉する原始的なオリジナル・タルガの方が信頼性が高いと思ってしまうのは私だけだろうか。開閉に要する時間も莫大なコストをかけて造った最新型の19秒に対して人の手により開閉するオリジナル・タルガは35秒と僅か16秒しか違わない(2:35前後参照)。




★オマケ(その3): ミニチャンプス 1/43スケール 2014年ポルシェ911タルガ4
ダイキャスト製。ポルシェ特注品。ポルシェパーツ番号:WAP020 035 OE。ポルシェジャパンで6000円台で販売されているミニカー。今後、通常品でも別カラーが発売されるはず。
青(1)
青(2)
青(3)



★オマケ(その4): ミニチャンプス 1/43スケール 2014年ポルシェ911タルガ4S
ダイキャスト製。ポルシェ特注品。ポルシェパーツ番号:WAP020 045 OE。これもポルシェジャパンで6000円台で販売されているミニカー。これも今後、通常品で別カラーが発売されるはずです。
黒(1)
黒(2)
黒(3)



★オマケ(その5): 伊Fit 1/43スケール 1988年ポルシェ911タルガ
レジン製。1990年代に造られた930型タルガのミニカー。エンジンフードが開閉しないにも関わらず、フラット6が造り込まれている非常に手のかかったモデル。ポストホビーが極く少数を輸入販売した。
930(1)
930(2)

リアエンジンルーバーからフラット6が覗いているのが判るでしょうか。
930(3)エンジン



★オマケ(その6): 仏Heco Model 1/43スケール 1995年ポルシェ911タルガ
レジン製。これも1990年代に造られたグラスルーフ993型タルガのミニカー。宝石箱のようなケースに入った限定300台の少量生産モデルで塗装が物凄く美しいミニカー。
993(1)
993(2)