★1964年マツダファミリア　最初のファミリアセダン　～自動車カタログ棚から 068

★東洋工業(現マツダ)は、最初のファミリアを４ナンバーのライトバンとして1963年(昭和38年)10月に発売し、次いで1964年(昭和39年)4月に5ナンバーのワゴンを発売、そして本命のファミリアセダンを第11回東京モーターショーの開催された1964年10月 に発売した。折しも同月には東京オリンピック開幕と東海道新幹線の開業もあり日本の高度成長を象徴するような時代だった。

★初代ファミリアのデザイン は、当初ベルトーネに発注されたものの最終的にはマツダ社内の若手デザイナーよるものが採用され、ミニグロリアとも言えるボディ外周をメッキモールでぐるりと取り巻いたフラットデッキスタイルとセンスの良いディテールが非常に魅力的であった。エンジンは先行発売されたバンと同様のキャロル用エンジンの排気量を拡大した水冷直4 OHV 782ccの総アルミ合金エンジンが搭載された。発売当初は4ドアセダンのみだったが追って翌月11月には2ドアセダンが追加、発売翌年1965年には2速オートマ車、高性能なSグレードが追加、モデル末期の1967年1月にはバンと同時に楕円ヘッドライトと1000ccエンジンに変わり、1967年(昭和42年)11月に2代目にモデルチェンジするまでの丸3年に亘り生産された。

【初代ファミリアセダンの変遷】
1964年10月　ファミリア（セダン4ドア）発売
1964年11月　ファミリア2ドアスタンダード/スペシャル発売
1965年3月　リクライニングシート仕様発売
1965年4月　トルクコンバーター式オートマ車「スーパードライブ」発売
1965年10月　高性能版ファミリアS（最高出力52馬力にチューンしたエンジンを搭載）発売
1966年2月　ファミリアシリーズ生産累計20万台突破
1966年3月　エンジン改良パワーアップ(最高出力45馬力、最大トルク6.3kgmに向上)
1967年1月楕円ヘッドライトに変更、1000ccエンジン搭載車発売

【主要スペック】 1964年ファミリア　4ドア　デラックス　（型式SSA）
全長3765㎜・全幅1465mm・全高1390mm・ホイールベース2190mm・車重740kg・水冷直列4気筒OHV782cc・最高出力42ps/6000rpm・最大トルク6.0kgm/ 3200rpm・乗車定員5名・最高速115km/h・販売価格551000円

★初代ファミリアセダンはモデルライフが3年と短いにも関わらず、本カタログは4ドアデラックス・4ドアスタンダード・2ドアデラックス・2ドアスタンダード等と067でご紹介したファミリア・バン同様にグレード毎に作成・配布され、しかも車両自体の改良がなくてもカタログが頻繁に更新されており本カタログだけでも概ね20種類前後が存在するようだ。この時期のマツダ車のカタログはR360クーペ、キャロル共々コンプリートがなかなか難しく収集家泣かせと言える。この項でも資料性を考慮して可能な限り時系列順にカタログの表紙画像を掲載することとしたい(但し、現在カタログが手元にあって掲載出来るのは半分程度)。

●1964年10月発行　ファミリア　簡易カタログ　（A4判・2つ折）
ボディカラーはデラックス3色、スタンダード2色が用意されたが、イメージカラーはこのマジョリカブルー