4/27(土)e-道再申請 香港の旅 1日目~その5~ | ちいたろうのお出かけ日記

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 宿舎がある尖沙咀あたりまでエアポートバスで行こうと考えていたのですが、ちょうど発車していったバスは満員。二階建てバスの1階には、立っている客もたくさんいました。
「これは、座れないかもしれないなぁ」
 そう考えて、B5のバスで欣澳站に向かい、そこからはMTRで尖沙咀に向かうことにします。


 美孚站でホームの反対側の荃灣綫に乗り換えて、尖沙咀站に着いたのは14:27。そろそろチェックインの15時です。
「土産物の目星をつけておこう」
 宿舎近くのK11の中にあるスーパー、Market Placeへ向かい、香港仕様のカップラーメンの在庫状況を確認します。職場にこのカップラーメンが大好きな同僚がいるので、この旅のどこかで買いに来るつもりです。


 地上に出るためにエスカレーター乗ったら、すぐ後ろから日本語が聞こえて来ました。どうやら小学校に上がる前くらいの女の子とその父親のようです。女の子は、香港に来たくはなかった、楽しいことが一つもないとぼやいていて、父親はそれをたしなめています。
 けれど、この女の子の気持ちもわからないではありません。旅行で来ているのか、それとも大人の仕事の都合で連れて来られているのか。それはどうかはわからないけれど、無理やり香港に連れて来られていたとしたら、彼女が嫌がるのも無理はないと思って聞いていたのでした。
 今回の宿舎であるHop Innは、目と鼻の先。最近の香港旅では、もっぱらここを常宿としています。


 宿舎に着いたのは15時より少し早かったのですが、無事にチェックインすることができました。
「あ、このベッド、前も使ったことあるぞ」
 荷物を置いて、ゲストハウスにあるフリーの香片茶をいただきながら、コモンスペースで1時間ほど、旅のメモをまとめたでしょうか。夜までずっとここにいて、そのまま寝てしまうのはもったいないので、そろそろ散歩に出かけることにします。旅に出ると、歩くのは基本中の基本なのです。
 まずは、彌敦道に出て北へ歩きます。
 香港にもう何度も来ているはずなのに、通りの西側にある九龍公園の中をちゃんと歩いた覚えがありません。もちろん、公園には来たことはあるのですが、じっくり歩くのは初めてです。ちゃんと中を歩いた覚えがありません。


 この公園ができたのは意外にも新しく、1970年のこと。それにしても立派な木が多いのは、成長が早い木なのか、それとも香港の気候のせいなのか。いずれにしろ、日本とはひと味違う公園の風景はとても興味深く、本当ならもっとじっくりと見て回りたいところですが、香港の蒸し暑さには参ってしまうので、先へ進むことにします。


 廟街まで来ると、通りの上にランタンが飾られていました。春節はもうとうの昔に終わりましたし、何かのイベントがあったかなぁと思いながら歩いていきます。

 すると、その先の油麻地天后廟の前には何やら電飾のついた飾りがあるではありませんか。


「なんだ何だ、まつりか?!」
 けれど、屋台が出ているような雰囲気も、人々が盛り上がっている様子もありません。

 香港政府観光局のサイトを覗いてみると、どうやらこの時期、香港では天后誕というお祭りがあるようです。海の女神であり、漁師たちの守護聖人である天后の生誕祭で、くる年の安全、安定と好天、豊漁を祈願するとのこと。この天后誕は旧暦の3月23日に行われるそうで、今年は5月1日がその日に当たるようです。
 そしてこの飾りは「花牌」というらしく、どうやら縁起物といった感じなのでしょう。日本では見られない迫力です。
 この天后廟の公開は17時までと書いてありましたが、時刻はあと数分で17時というところ。ちらりと中を見学させてもらいました。


 絢爛豪華な寺院は、まさに中華圏に来たことを実感します。仏教が中国大陸を経由して日本に入ってきたことは間違いありません。しかし、中華圏や東南アジアの煌びやかな仏教文化は、そのまま日本の仏教にはならなかったようです。
 もちろん、日本の仏教にも煌びやかな部分はあるでしょう。仏像や仏具に金箔を施したり、色鮮やかな曼荼羅を描いたりするなどは、外国の仏教文化に近いものを感じます。
 しかし、多くの日本の仏教寺院は落ち着いた佇まいです。建物も豪華にすればよいのにと思うのですが、私たちの先輩の日本人たちはそうしませんでした。私たちが今、感じている侘び寂びといった文化は、すでにこの頃からあったのではないか。そんなことを考えるのでした。
 今日の晩ごはんは、煲仔飯に決めました。有名店の一つ、興記菜館へ。17時すぎになると、店の前に行列ができ始めました。
 営業が始まったのを見計らって、私も入れてもらいます。ひとり旅だと、こういった時に相席で入れるので便利です。


 選んだのは、咸魚肉片煲仔飯。咸魚というのは、塩漬けにして発酵させた魚を天日干しにした食べ物で、ひと切れでごはんお茶碗一杯食べられそうなほどの塩辛さ。でも、これがまた美味しく、ごはんのお供として最高の食材の一つだと思っています。そして、私の好物の一つでもあるのです。


 メニューには廣東語と英語の他に、日本語も併記されていました。それによると、このメニューは「塩魚と豚肉の釜めし」。確かに塩魚と豚肉といえば間違いではないのですが、咸魚を塩魚としてしまうのも、煲仔飯を釜めしとしてしまうのもなんだかイメージと違う気がします。塩魚といっても単純に塩辛いだけではなく、旨みも豊かな食べ物です。だから咸魚は咸魚だし、煲仔飯は煲仔飯なのだと思うのでした。