4/27(土)e-道再申請 香港の旅 1日目~その3~ | ちいたろうのお出かけ日記

ちいたろうのお出かけ日記

お出かけしたことを中心に書いてます。
日本全国,風の向くまま気の向くまま。
いつかはあなたの住む街へ,行くかもしれません~♪。

 バスに乗る前に小銭を確認すると、ちゃんと6HKDありました。というのも、マカオのバスに乗るには小銭が必要なのです。
 今回、当初はマカオに来るつもりがなく、前回の旅で残ったマカオ・パタカ(それもわずかな額ですが)を持って来なかったので、香港ドルで支払います。マカオのバスは、香港ドルでも人民元でも乗れるのです。
 e-道を使って香港に通っていた頃は、港珠澳大橋はまだ建設中。「あれが開通したら、マカオにも行ってみよう」と思っていたのですが、港珠澳大橋が開通するとコロナ禍に入ってしまいました。コロナ禍が少し収まってからのマカオ通い。
「もう何度も来たよなぁ」
と思っていたのですが、まだこれで3回目。意外に少ないと思ったのですが、昨年の夏から数えて3回目というのは、ハイペースと考えてよいのかもしれません。
 セナド広場の前を通り過ぎ、Av.Infante D. Henrique(殷皇子馬路)というバス停で降ります。
 少し戻ってセナド広場へ向かう途中、交差点のところにある灰皿付きのゴミ箱のところでおじさんがタバコを吸っているのを見かけました。


「ああ、マカオに来たんだなぁ」
 香港の空港に着いても、マカオへのバスに乗っても、どこか香港・マカオに来たという実感が湧かなかったのですが、街角でタバコを吸っているおじさんを見た瞬間、ここがマカオだと実感したのです。
 マカオといえば、世界遺産やカジノといったものを想像する人も多いでしょう。しかし私にとっては、街の灰皿で堂々とタバコを吸う人たちも、マカオの風景の一つなのです。
 ガイドブックにも必ず載っているような、セナド広場や大堂(カテドラル)、大三巴牌坊(聖ポール天主堂跡)と順に見てまわります。


 マカオ半島の中心に点在する20以上の歴史的建造物と広場は、集合遺産「マカオ歴史市街地区」として2005年に世界遺産登録されました。世界遺産は、文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類に分けられるそうで、このマカオの世界遺産の登録区分は「文化遺産」です。この文化遺産というのは、例えば白神山地や屋久島のような自然遺産とは違い、人々の暮らしと密接に関わっているものです。
 マカオの世界遺産の中には、今も現役で利用されているものが数多くあります。世界遺産だからといって、特別な存在だとは感じられません。
 そして、マカオにあるのは世界遺産だけではありません。こう何度も同じ場所に来ていると、世界遺産以外のマカオの面白さを自分で探したくなるものです。何気ない街並みやタイルで描かれた模様、日本では見かけないようなつくりの看板など、見どころは街の中にいくらでもあります。それら一つひとつが、マカオの大切な風景なのです。


 前回はあまりの暑さにパスしてしまった大炮台(モンテの砦)にも上がってみました。1617年から1626年にかけて築かれた要塞で、宿舎や井戸のほか、2年間の攻撃に耐えうるように兵器工場や貯蔵庫などもあったといいます。


 でも、こんな雰囲気をどこかで感じたことがあるのです。
「あれ? なんかここ、大阪城みたいだなぁ」
 世界遺産のモンテの砦に来て、大阪城公園を思い出す。大事なことは世界遺産かどうかでなく、そこに自分なりの価値を見出すかどうかでしょう。
 私の旅のスタイルは、物事をゆるく受け止め、ゆるく楽しむ。これに限るのです。
 モンテの砦を降りて、街の中を歩いてみます。年季を感じる集合住宅の建物だけでなく、窓の外側に取りつけられた柵のデザインなど、見ていて飽きません。寺社仏閣や教会などに刻まれた彫刻も魅力的ですが、こんな風に生活に密着したデザインというのもまた面白い。


 機能性だけを考えれば、デザインに凝る必要はないのですが、人間はそこに遊び心というものを求めます。遊び心のあるデザインから人間らしさを感じると、ここに住む人たちが魅力的に思えてくるから不思議です。


 前回の旅では中を覗くことができなかった消防博物館に来てみました。入り口のところではちびっこが職員さんに話しかけられて、なにやらはしゃいでいます。


「お子さま向けの施設なのかな?」
 中に入ると、天井の高いホールに古い消防車が2台、展示されていました。日頃見かける今の日本の消防車に比べると格段に簡素なつくりで、「よくこんな消防車で消火活動ができたものだ」と思わずにはいられません。


 展示についてはあまり期待していなかったのですが、これがかなりマニアック。消火器のカットモデルが展示されているかと思えば、展示物を紹介する表示はマカオの通りの標識風にデザインされている。建物でも感じた遊び心は、ここでも感じることができます。


 その消火器の展示の隣に、初期消火設備として桶が展示してありました。そこにはなぜか、東京・浅草の雷門にある設備の写真もあって、ちょっとびっくり。どこの国でも同じだと言いたいのでしょうか。それとも、中国周辺の文化の共通性を訴えたいのでしょうか。


 入り口の近くの天井をよく見ると、消防隊員が上の階から下に降りるためのポールが展示されていました。小さい頃、日本の消防署を見学したときにもこれを見た覚えがあります。日本では今はもう使われていないと何かで聞いたことがあるような気がするのですが、久々に見て、思わず懐かしくなってしまいました。
 展示物の中でも面白かったのは、消火活動に使うハンマーやスコップが並べられていたところ。まるで傘立てのように、ずらりと並んでいます。思わず手にとって見たくなる展示ですが、そこにはしっかりと「請勿觸摸展品 DO NOT TOUCH」と書かれていたところ。言葉がわかる私たちなら面白がってしまいますが、小さな子どもたちには理解できないかもしれません。


 言葉がわかればもっと楽しめるのでしょうが、そこまで真剣に英語の説明を読む気にもなれず、ざっと見て回っただけ。それでも十分見ごたえを感じたのでした。