2/25(日)キタキタ秋田になんで来た?! 3日目〜その1~ | ちいたろうのお出かけ日記

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 目が覚めると、今日は昨日と違って曇り空。雨の予報が出ています。今日の予定は何も決まっていないのですが、とりあえず昨日と同じ店でしょっつるのラーメンが食べたい。調べてみると、昨日とは別のバス停から乗って買物広場まで行けるようです。
 朝ラーの提供は9時まで。お店に8時半頃に着くように、8時前にホテルをチェックアウトします。
 今日乗るのは、旭北前というバス停から。旭北というのは、近くにある旭北小学校のことなのでしょう。しかし、前と名乗るには学校からずいぶんと離れているような気がします。そのうえ、目の前の道は一方通行。
「逆向きのバスはどこを通るのだろう」
 秋田のバスは、なかなか難易度が高いのです。
 買物広場で降りて店に向かうと、昨日と同様、客は私一人。とても美味しいラーメンだと思うのですが、他に客がいないというのは少し心配になってしまいます。


 しかし、このしょっつるというのは、実に美味しいスープになるものです。ごはんにも酒にも合う、秋田の人の叡智の結晶だと言っても過言ではないでしょう。ぜひこれを食べに、また秋田に来なければなりません。
 また、しょっつるは日本三大魚醤の一つとされます。中にはこの臭いがだめだという人もいるらしいのですが、私はむしろいい匂いだと思ってしまう方なので、まったく問題なし。魚醤だけでなく、知人がやっているベトナム料理店では「蝦醤、大丈夫なんですね?」と驚かれたほど、こういった香りや味が好きなのかもしれません。
 三大魚醤の後の二つは、能登のいしると香川のいかなご醤油とのこと。そのどちらも食べたことがありません。能登はもう少し落ち着いてからとは思うのですが、いつかこれらの魚醤を訪ねる旅をするのもよいかもしれません。
 店を出て、こちらも昨日と同じく、スタバで作戦タイム。何しろ、今日は夜の飛行機で羽田に戻るまでの一切の予定が決まっていないのです。


 ふと、太平山三吉神社へ行こうと思い立ちました。昨日のお店で気に入ったお酒が太平山。そして、三吉神社は水曜どうでしょうでおなじみの神社の名前でもあります。
「さんきちさん……」
 神社のホームページをみれば、太平山三吉神社総本宮と書いてあるではありませんか。
 この三吉霊神(みよしのおおかみ)は秋田で生まれた守護神で、力の神・勝負の神・勝利成功・事業繁栄の神さまとありました。八幡さまや天神さまにはあちこちでお目にかかるのですが、三吉さまというのはあまりなじみがありません。これはぜひ、ごあいさつに行ってみましょう。


 10:10のバスで三吉神社入口へ向かいます。バス停で降りて神社らしい方へ歩いて行くと、神社の裏手にある駐車場に出てしまったようです。でも、こちらからでも神社には入れたので、表か裏かという細かいことにはこだわらないことにします。
 私の前に、小学生くらいの女の子とそのお母さんらしい女性が神社に向かっていました。女の子はちゃんと鳥居のところで一礼してからくぐります。こういったことが身についているということは、生活の中に神さまが根づいている証拠でしょう。新興住宅地で育った私にとって、神社は身近な存在ではありませんでした。お神輿や山車がなかったわけではないのですが、一体どこの神社のものだったのか、はっきりとは覚えていません。宗教としての神道ではなく、文化として日本の神さまと共に暮らすということを体験している彼女が羨ましいと思ったのです。


 拝殿の前には、奉納された梵天が置かれていました。毎年1月17日に「三吉梵天祭」として、様々なグループが梵天(依代)を奉納するのだそうです。こういったことを通して、子どもたちは自分が住む土地の文化というものに触れるのかもしれません。
 そしてその経験は、次の世代へと受け継がれていきます。先ほどの女の子もきっと、母親やさらにその上の世代から鳥居で一礼することを受け継いだのでのでしょう。人間はこうやって、長い間生きてきたのではないでしょうか。
 御朱印をお願いすると、「貼るタイプですが、よろしいですか?」と確認されました。「書き置きなんだろうな」と思っていたら、なんと裏で神職の方が書いて、それに御朱印を押してくださる。それなら帳面でもよいのではないかと思うのですが、神社には神社の都合があるのでしょう。


 トンボ帰りでバス停に戻ります。次のバスは10:41。ふらりと神社に来て、そのまま戻るにはちょうどいいダイヤです。
 時刻表よりも少し遅れてやってきたバスはかなり混んでいて、立っている乗客もいます。どうにか2人がけのシートの通路側に座らせてもらいました。
 運賃表を見ていると、バスは直接駅に入らず、一旦買物広場を経由してから駅に向かうようです。つまり、少し大回りをするということ。それなら千秋久保田町で降りて、ガイドブックで見かけた秋田犬に会えるというスポットへ行くことにしましょう。
 秋田県立美術館の隣、エリアなかいちというビルの中に秋田犬ステーションという施設があって、毎週土、日曜の週2回、秋田犬に会えるのだそうです。ガイドブックによると、11:00〜11:30、12:10〜13:00、13:30〜14:00となかなか細かく設定されているで、恐らく犬の体調やストレスを考慮してのことでしょう。


 バスを降りて歩いていくと、11時前に着きました。美術館側から入っていくと、どこからかピアノの音が聞こえます。なんと屋外にストリートピアノが設置されていて、中学生くらいの女の子が二人、弾いていました。
 開始時刻までまだ数分あるので、一旦建物の中に入ります。
「あれ? ここ、来たことあるぞ」
 そうだ。ここは一昨日に秋田駅から歩いてきて、最初にトイレをお借りしたビルでした。一昨日来た時はビルの中の別の通路を通っていたので、秋田犬ステーションには全く気づいていなかったのです。
「こうやって、いろいろなところの一部分しか見ていなかったんだろうな」
とひとり苦笑いするのでした。