2/23(金・祝)キタキタ秋田になんで来た?! 1日目〜その2~ | ちいたろうのお出かけ日記

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 8:30頃に入った操縦席からのアナウンスによると、秋田空港の天候は雪。気温はマイナス2度とのこと。さすが北国、東京とは違います。
 さらに、飛行機はすでに降下を開始していると言っていました。短距離便だから仕方ありません。それでも、このアナウンスの後にちゃんとドリンクサービスが回ってきたのは、さすが日系のエアラインです。


 8:35、飛行機は再び雲の中に入り、それを抜けると、機窓からは眼下に雪山が見えてきます。いかにも寒そうな景色を眺めているうちに、8:52、秋田空港のRWY28に着陸。滑走路の黄色いペイントが、北国に来たことを実感させます。


 8:56、飛行機が3番スポットに着くと、隣の母親が娘を抱いて早々に立ち上がりました。そして立ったまま、列が動くのを待っています。
「こちらは急がないので、大丈夫ですよ」
と声をかけたいところですが、彼女が子連れで飛行機に乗ることを気にしている人なら、余計なことは言わない方がよいのかもしれません。
 ふと隣の席の座席ポケットを見ると、何やら黒い物体が見えました。いらないものかどうかわからないし、もしかしたら今は置いているだけかもしれません。
「気づいているかな?」
 けれども、列が動き出すと、母親は気づかずに進もうとしたので、
「お母さん、何か忘れてますよ」
と、慌てて声をかけました。座席ポケットから取り出すと、入っていたのはスマートフォン。やれやれ、もっと早くに声をかければよかったと反省するのでした。


 秋田空港から市内へ向かうリムジンバスの乗車券を買おうとすると、係員らしい男性から、
「ICカードをお持ちでしたら、そのまま乗れますよ」
と声をかけられました。それならばとそのまま乗り込むと、車内は私が乗ったところで窓側がすべて埋まるくらいの混み具合。なのに、まだまだ後から乗ってきます。
「あの時並んで乗車券を買っていたら、窓側じゃなかったのか」
 私の隣にも、小学校3~4年生くらいの女の子が座り、9:10、バスは空港を発車しました。

 バスが動き出すと、隣の子は自由帳を取り出して、女の子の絵を描き始めました。
「こういうの、小学生らしいよなぁ」
 そんなことを考えているうちに、こちらはウトウトしてしまい、気づくとバスはすでに秋田市内を走っているようです。
 経路としては、秋田駅に行った後、県庁方面に向かうのに、駅よりも県庁に近いはずのドン・キホーテが見えてきました。
「面白いルートで走るんだなぁ」
 Googleマップを起動させ、改めて秋田の町がどうなっているのか、車窓と地図を比べながら予習することにします。
 すると、もうすぐ秋田駅というところで、隣の女の子が、
「お父さん……」
と、少し前の方の席に座っている父親に声をかけました。心細そうな声だったので心配していると、女の子は、
「吐きそう……」
と言うではありませんか。
 私はとっさに、さっき機内でもらっておいた、気分が悪くなった人が使う袋を用意するも、時すでに遅し。女の子はもちろん、半泣きの状態です。
 私は遅れつつも、防水加工が施された袋を開いて彼女に手渡し、近くの乗客は、
「これ、使ってください」
と言って、飲食店でもらえる使い捨てのおしぼりを何故か私に手渡してくれました。
「そうか。私、この子の父親だと思われているのか」
 もちろん父親ではないので、おしぼりを袋から取り出して彼女に渡すなどするしかできません。
「父親らしいことができない父親だと思われるかなぁ」
 なんてことを考えているうちに、バスは秋田駅西口に到着。周りの乗客が立ち上がる中、父親は彼女に、車内を汚してしまったことを申告しなければいけないと言っているようです。
 二人は他の乗客が降りるまで待っていたので、彼女の隣に乗っていた私は必然的に最後まで残ることになったのでした。
 駅前に降り立つと、東京とは寒さのレベルが違うのを感じます。東京では、寒さに包まれるような気がするのですが、こちらの寒さは体に突き刺さってくるようです。
 ともあれ、ここはまず秋田の街がどうなっているのかを把握するのが先。前回来たときは車でそのまま市内に入ってしまったので、街の様子がよくわかっていないのです。
 事前の調べによると、川反というエリアに飲食店が集まっているようです。とりあえず、そちらへ向かって歩いてみることにします。
 大屋根のあるアーケードをさらに進むと、突き当たりにビルがありました。商業施設のようなので、トイレだけお借りしてさらに先を目指します。
「そうそう。ここ、前に来たなぁ」
 歩いている途中、前回来たときの会場だったホテルを見かけました。
「あれはいつだったか……」
と当時の記録を振り返ってみると、2015年の夏のこと。それを見ると、つくづく市内では何もしていないことがわかります。私にとって秋田のイメージは、このホテルしかなかったのです。
 全国を仕事で飛び回るような人の中には、同じような人がいるかもしれません。駅や空港で降りたら、ホテルか出張先にしか行かない。せいぜい出るとすれば、どこかにごはんを食べに行くくらい。でも、それは旅とは言えません。
 私にとって、秋田は2度目の訪問ですが、秋田市内を旅するのは初めてなのでした。