1/20(日)行きますアルマス泊まります ゲストハウスを訪ねる長崎の旅 2日目〜その3~【完】 | ちいたろうのお出かけ日記

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 神の島教会下を11:25に出るバスに乗って、市内へ戻ります。

 中心部でお昼を食べようと、めがね橋で降りたのは12時頃。バスの車内で目星をつけていたお店、バラモン食堂まで歩いて行ってみることにします。「バラモン」という名前から、五島を意識したお店だということがわかります。


 着いてみると、かなりオシャレな外観に少し気圧されながらも、中に入ってみました。


 今日の日替わりは、ひらすの漬け丼(温玉のせ)。刺身定食にも惹かれたのですが、漬けは大好物。しかも、九州のしょう油は甘いしょう油。それで漬けなんて作られたら、美味しいに決まっているではありませんか。
 しかも、値段は800円と格安。もしこれでお腹がいっぱいにならなければ、何か他のものを食べたってよいのです。


 やってきた漬け丼は、上に載っているのは魚だとわかっているのですが、その歯ごたえは東京で食べる柔らかい刺身ではありません。濃いめの味つけがご飯にぴったり合います。そこへ温玉を潰して中身の黄身を加えると、さらにうまさがアップ。白ごはんだけでも追加してほしいと思うくらいです。


 大満足で店を出て、そろそろ旅のエンディングを考え始めます。
 出島の向かいにある宿舎に荷物を預けているので、そこまでは戻らなければなりません。それなら、宿舎前の中島川から対岸の出島を眺めてみることにします。

 鎖国の時代、日本のヨーロッパに向けて開かれた唯一の窓口として歴史の教科書には必ず出てくる出島ですが、実際に訪れてみると、「こんなに小さかったの?」と思うことでしょう。明治以降の埋め立て工事によって、1904年(明治37年)には完全に陸続きになりました。現在の海岸線ははるか向こう。とてもここが昔、海外との交易をしていた歴史上の舞台とは思えません。
 大好きな街だからこそあえて言えば、長崎は新しいものを積極的に取り入れる反面、古いものを大事にしない印象です。もちろん、すべてにおいてそうではないでしょう。それに、古いものを残すということは、お金がかかります。コストパフォーマンスの観点からすれば、スクラップアンドビルドの方がよいのかもしれません。しかし、長崎のよさがそれで高まるのかといえば、疑問が残ります。
 長崎の人たちには長崎の人たちの考えがあります。よそからふらりと来た観光客があれこれ言うべきことではないのですが、なんとなく、「もったいないなぁ」と思ってしまうのです(意見には個人差があります)。
 そして、長崎の観光について考えてみれば、その資産を活用できていないと感じます。
 これが同じ被爆地でも、広島には長崎ほどの観光資源が市内にはありません。「広島に行ったことがある」という人に出会うと、平和関連の施設の他には、「お好み焼きを食べた」「宮島へ行った」とか、少し離れて「尾道を歩いた」なんていう話がほとんどです。市内にはそれほど歴史ある見どころがあるわけではないですし、過去にあったものは原爆で焼けてしまっています。その痕跡をたどるようなことをするのは、よほどの物好きでしょう。
 しかし、長崎は違います。同じ被曝という傷跡を抱えながらも、長崎は歴史的なものが数多く残っているのです。ぜひそれらを活用して、長崎が今よりももっと魅力的な街へと発展していくことを願ってやみません。
 そんなことを考えながら、なんとなく旧県庁跡に登ってみました。学校の校庭のような広場になっていて、小さな女の子を連れた男性が一緒に遊んでいる他には誰もいません。


 さらに小高い丘に上がると、広場の片隅に「イエズス会本部、奉行所西役所、海軍伝習所跡」と書かれた石碑が立っていました。出島を見下ろすこの丘は、昔は岬の突端だったといいます。教会をが建てられ、後に海軍伝習所も建てられたこの突端は、いわば時代の最先端だったのです。そして、出島のさらにその先は、海外へとつながっていました。


 今後、県庁の跡地をどのように活用していくのか検討されているようですが、ぜひここがどういう場所だったのかを継承していくことを検討してほしいものです。
アルマスゲストハウスに戻って、荷物を回収します。空港行きのバスの時刻表を見ると、8分後にはバスが出るようです。今から行っても間に合わないわけではないでしょうが、そこまで急いで行く必要もありません。
その次のバスで行くことにします。
 新地のバスターミナル13:44発のバスは、数分遅れての発車。とはいえ、飛行機には余裕で間に合うので、問題はありません。
 車内で旅のメモをまとめようとしたのですが、スマートフォンの画面を見ていると眠たくなってしまい、気がつくと大村ICで高速を降りるところ。長崎空港はもうすぐそこです。


 ひたすら長い箕島大橋を渡って、14:28頃、長崎空港に到着。お土産を買ってからラウンジへ向かいます。いつもなら缶ビールで乾杯といきたいところですが、今日はラウンジで飲む気にはなれません。大人しくしておくことにしましょう。


 東京行きのソラシドエア36便(6J36、JA812X)は16:05に搭乗が始まり、16:14にドアクローズ。16:25が定刻なので、かなり早い出発です。
 16:18、プッシュバックでスポット5を離れると、16:24、RWY32から離陸。上昇していく途中、雲に自分が乗った飛行機の影が映るブロッケン現象も見ることができました。


 夕暮れの雲の上の景色を眺めながら、旅を振り返ります。九州から戻るときには、この風景がお気に入りです。


「皆さんの左手に、雪をかぶった富士山がご覧いただけます」
 そんなアナウンスがありましたが、私の席は右の窓側。富士山が見えるのは、左側です。それでも、富士山を見て歓声を上げている乗客を見ていると、関係者でもないのに嬉しくなってしまいます。


 17:42、羽田空港に着陸。17:48、沖止め507スポットに到着しました。
 今年の旅はじめも、無事に終えることができました。ぜひ、これからもいろいろなところに行こうと心に決めたのでした。