国連の役割 | ロンドンつれづれ

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世界平和のため、あるいは紛争・戦争を治めるために、国連が本当に機能していない。

 

そもそも世界平和に関する大事なことの決定に、安全保障理事会ではたった5か国の「常任理事国(米国、英国、フランス、ロシア、中国)」で会議し、しかも一つの国がVETO(拒否権)を発動すると、何一つ決議できないというのが、あまりにも不条理すぎる。

 

その常任理事国というのが、80年近く昔の起きた戦争の戦勝国の集まりだというのも、納得できない。

 

日本はこれまでJICAなどの活動を通し、第2次大戦で日本により被害を受けたという諸国に多大な補償援助を行ってきた。また、国連に関しても分担金は2024年で約2.5億ドル、アメリカ、中国に次いで3位である。

 

 

下の表は、2022年の分担額だが、ロシアなんか上位10か国にも入っていないのだ。

 

(キッズ外務省)国連分担金の多い国 | 外務省 (mofa.go.jp)

 

 

またピースキーピング活動に対しても、派兵はしてこなかったが、かなりの額を支出していたにも関わらず、湾岸戦争の時なんてその貢献はほとんど無視されたような状況で、外務省が文句を言って初めてお礼のリストに加えてもらったのだ。

 

その時に、Japan didn't shed blood and tears(日本は血も涙も流さなかった)と言われたりしたが、日本が平和憲法を持ち、その制定には日本に武力を持たせないようにしたかったアメリカの力も大きく働いていたことは理解されていないようだ。 (私は護憲派である)

 

世界中のどの国もが、「他国を侵略しない、紛争解決に武力は用いない」という憲法を持っていれば、独裁者がこれほど傍若無人に他国を踏みにじったり、何万人も子どもを殺したりしなかったに違いないので、平和憲法は人類が残虐にならないためには大事なしばりなんではないか、と思うのだが、自国だけが平和憲法を守り、他国は平気で暴力を使うのであれば、それはうまく働かない。

 

そんなジレンマがあるからこそ、国家よりももっと大きな力を持った何者かがしっかりと世界の警察の役割を果たし、邪悪な個人が独裁者になって傍若無人を行った時には制裁を加えることが必要、そういう考えのもとにできているのが国連のはずだった。

 

しかし、結局は当時の戦勝国が自分たちの正義だけが正しいという考えの元に集まり、敗戦国を罰するような状況が戦後80年近くも続いているというのは不条理である。

 

日本は保障的援助もいまだに続け、さらに上記の国連に対する分担金でも、長期にわたり多大な貢献をしながら、常任理事国入りを希望してきた。しかし、世界経済に大きな影響を与える日本とドイツは、敗戦国ということで戦後これほど長くたつというのに、希望が聞き入れられないできたのだ。

 

先ごろ、ロシアの言い草を聞いて、呆れたのである。

 

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ロシアのラブロフ外相は28日、国連総会の一般討論で演説し、安全保障理事会改革の必要性を訴えた。インドとブラジルの常任理事国入りを支持する一方、日本には否定的な見解を示した。

 ラブロフ氏は「より公正な世界秩序構成のため、安保理の理事国拡大の議論が重要だ」と述べ、アフリカ代表の常任理事国入りにも前向きな姿勢を示した。日本や欧米諸国は「安保理で過剰に代表され、追加の席を与える議論すらできない」と語った。

 ウクライナ侵攻を巡っては、NATOが拡大し、ロシアの安全保障に脅威を与えていると指摘。侵攻はロシアの安全とウクライナの「ロシア系住民の保護」のためだとし、正当化した。

 

ロシア、日本の常任理事国を否定 外相、インドとブラジルには支持(共同通信) - goo ニュース

 

またロシアの自分勝手な理屈である。

 

インドとブラジルは、ロシアの子分なので、決議でもVETOでも、ロシアの思い通りに動くからということは火を見るよりも明らかだが、ロシアって本当に世界からどのように評価されるかなんて、どうでもいいんだな…。ある意味、ここまで利己主義で自己中なことを正直に出し、正義も倫理観も無いんだということをはっきり見せて平気でいるのは潔いとも言えるかもしれない。

 

しかし、ロシアや中国がこれまで、自国利益を最優先し、国連の決議の場で、VETOを発し続けてきていることは世界中が知って、歯ぎしりをしているのだ。

 

どの国が常任理事国入りするかは、常任理事国が決めるのではなく、国連のメンバー国家すべてに投票をさせて決めるべきではないのか。

 

もうそろそろ、第2次大戦後、つまり戦後の考え方でやるのは無理があるのではないか。

 

戦後80年の間に、ロシアや中国が、どれだけ世界平和のために尽くしてきているのだろうか。それは国連の理念に反しているのではないか。 小国の思惑を踏みにじって主権国家に侵略したり、他国の海域を侵犯したり、独立を希望している人たちを警察力や軍という暴力で弾圧したり、21世紀の人類の目指す方向とはかなり違うのではないか。

 

投票で選ばれた常任理事国を10か国ぐらいに増やし、VETOは廃止。決議は、7か国以上の常任理事国の賛成を持って決定、などと、もっと現在社会の常識と良識を持って改定するべきだと思う。そして国連で行った決議には、メンバー国は従うことを徹底するため、国連のピースキープ軍にはもっと予算を投入して力を持たせるのだ。 

 

国際司法裁判所にしたって、プーチンやネタニエフを戦争犯罪人として、国外に出た場合には逮捕できるはずなのに、プーチンは平気でモンゴルに出かけ、モンゴル政府は裁判所の判決を守らなかったのだ。 守らない国には罰金などを与えなければ意味がないではないか。 あるいは、モンゴルにいる犯罪者を、国連が人を送り込んで逮捕できる権限を持つべきである。まるで絵に描いた餅、意味がないではないか。

 

どれほど国連総長が、あるいはユニセフが、ガザで殺される子どもたちの人権侵害を言っても、ネタニエフはまったく意に介さない。 彼にはもともと人道的倫理観は欠如しているのだろうし、彼に反対する人は、イスラエル人であろうと警察が暴力を持って弾圧している。パレスチナの子どもたちなど、動物以下、「テロリスト予備軍」と考えているんだろう。あるいは、そう呼ぶことで、子ども殺しという犯罪を正当化しているのだろう。

 

昨夜のテレビ番組では、イスラエル国内でもネタニエフを支持しない人たちが「彼は汚職で告発されている人物。戦争中は大統領でいる間はその裁判がストップしている。自分が権力の座にいたいがために戦争をやめないだろう。」と話していた。

 

一人の犯罪者の自己中な理由で、ガザの街の6割はがれきになり、4万2千人の市民が殺されている。いや、本当はその2倍はいると言われており、殺された子どもの数も、1万3千人どころではない、3万人はいるだろうと言われている。 

 

こんなことがどうして許されているのだろうか。それは、愚かで残忍で無責任な個人に、強大な力を与えてしまったからだ。

 

そういう人物を国内で排除できないのであれば、そのせいでここまで苦しめられる人々がいるのなら、世界は傍観していていいのだろうか。多くの良識ある国が集まって、なんとかするべきではないのか。その介入のために国連がつくられたのではないだろうか。そのために、国際法があり、ジャスト・ウオーセオリーが広く知られている。それに従って、国際司法裁判所が裁定している。

 

プーチンもネタニエフも、国際法違反、人道法違反をしているのだ。

 

しかし、法律もルールも、守らせることができなければ意味がない。守らせるためには、しっかり罰を与える権力が必要だろう。 世界平和のためにできた国連なのであれば、その役割をしっかりと果たしてもらいたい。

 

他国を侵略したり、領空侵犯、領海侵犯、自国の都合で他国の領土を自国のものだと言い張るなどする国々が常任理事国になっていて、自国に不利な決議にはVETOを発動する。ロシアや中国がやってきたことだ。 今は、イスラエル問題に関して、アメリカがVETOを発動している。バイデンには本当にがっかりなのだ。(それでもトランプよりはマシだが)

 

安全保障理事会は、ロシア、中国、アメリカに勝手に利用されるべきではない。

 

まずは、安全保障理事会が正しく機能するように、常任理事会の組み換えが必要だろう。その時に、日本やドイツと言った国々をそのメンバーに加えること、また、アジアやアフリカ、アラブ諸国からも代表する国家を入れるべきだ。そして日本はどこかの大国に追随していないで、自国と自国民の良識や価値観をしっかり反映した独立主権国としての矜持を示し、しっかりと意見を述べるべきだろう。

 

政治家は自分たちの利ばかり考えないで、日本国民の代表であることを思い出してほしい。そして日本の平和と幸せは、賢い外交を抜きにしては考えられないことをよく考えてほしい。

 

今の世界の情勢は、若い人たちが安心して家族を作り子どもを産み、将来をその子どもたちに預けたいと思う状況ではない。

 

地球温暖化による世界規模の異常気象による震災は、日本国内だけでも目に余るものがある。そして、世界、あるいは自国の内部さえを敵と味方に分断し、自分が権力の座に居座るために利用しようとする腹黒い人ばかりが目立つ政界だが、そういう危険人物に強大な権力を与えないようにできるのは、有権者なのである。

 

私たちは、目も耳もしっかり開いて、こんな人間に権力を与えてもだいじょうぶかどうか、それをしっかり見極めないと、自分の毎日の生活どころか、幸不幸、命までもが左右されることを忘れてはならないだろう。

 

ぼけぼけしていて、ある日突然、日本も参戦しました、本土にミサイルが飛んできます!と言われて仰天しないよう…。 あるいは、ある日突然、物価が2倍になりました!と言われるようなことにならないよう…。

 

本来、政治も、経済も、外交も、複雑なものなのである。頭が悪い癖に、欲ばかりが深い政治家に権力を集約してしまうと、彼らは自分のポケットを膨らませることばかりを優先する。倫理観がないから、裏金も受け取るし、変な宗教とも癒着する。そして自分の罪を隠そうとして戦争をおっぱじめたり、司法に介入しようとしたりするのだ。

 

このところ、急にガザやレバノンのことをニュースでいい始めたが、もう昨年の10月からこのひどい戦争は続いており、パレスチナの人々の苦難は続いている。食料支援のトラックが止められ、餓死している子どもたちもいるのに、それはあまり報道されない。

 

いよいよ状況が危なくなって、もうtoo lateになるまで日本人の危機感は見られなかった。報道がほとんど無かったからだ…。どこかにコントロールされていたのだろうか。イギリスでは昨年から連日ガザのことやロンドンの反イスラエルのデマを報道していたが、日本ではほとんどニュースになっていないから、一般の人は認識していなかっただろう。

 

報道規制は、本当に良くないことだ。ジャニー喜多川の性犯罪についてもそうだが、お上からの圧力が無くとも、日本のジャーナリストは「報道」の重要性を甘く見ているのではないか。自分たちの興味の無いことは報道しない、あるいは視聴率の取れないことは報道しない、では困るのだ。

 

報道陣としての矜持を持って、世界で何が起こっているか、その事実を遅れなく日本人に伝えることは彼らの役割だということをしっかりと認識してほしい。

 

国連のやっていること、できていないことなども、もっとしっかりと調べて報道することで、日本人の中の危機感がもっと高まるのではないか、と思うのである。

 

日本人の税金が、国連にこんなにつぎ込まれているのだから、日本国民の意見や希望がもっと国連で生かされるべきなのだ…。そうは思いませんか、皆さん?