先日、ヴィンテージのオークのディナーテーブルを夫が買ってくれた。 結婚記念日のプレゼントだそうである。
しかし、我が家にある椅子は新しい白木の椅子で、座席が編んであるタイプ。清潔で座り心地は良いが、このオークのテーブルにはまったく合わない。
そこで、テーブルと同じ色味、似たデザインのものを探していたのである。
下のアンティークのものが175ポンド(3万円ぐらい)、送料込みで売りに出されていたので、これがいいと私は言った。
しかし夫はデザインがゴテゴテしていて嫌だという。
もたもたしているうちに、上の椅子は売れてしまった。残念がる私に、夫は「3脚で120ポンド (2万円ぐらい)というのがあった! しかも、うちから30分ぐらいのところに取りにいける!」というのである。「デザインもシンプルで、僕はこっちの方が好き」というのだ。
夫は、こういうのを探すのがうまい。
そして今日、持って帰ってきたのがこれ。 確かにデザインはずーっとシンプル。 オークではないが、まあ、色味もデザインも、テーブルには合っている。
これなら、ライティングビューロー用の椅子としても、ぴったりである。
座席部分は木ではなく、布張り。なんでも、この部分は張り替えたばっかりだとか。 あとから、ウイリアム・モリスのアップホルスタリ用の生地を買ってきて、自分で張り替えても良い。 背もたれ部分のデザイン。
こうやってしっかりワックスをして手入れをしていれば、むくの木材ならまた何十年ももつだろう。
夜の感じも宜しい。
この背もたれや足の部分のネジネジになっているデザインを、Barley Twist, バーレイ・ツイストと呼ぶらしい。
これが、テーブルの脚の部分と同じデザインなのだ。
下はテーブルの脚。ツイストのなかでも、これは、「シュガー・ターン」と呼ばれるタイプらしい。
こうなると、同じデザインのランプとか燭台とか、欲しくなってくるではないか。困ったぞ…。
まあ、今年に入って通訳の仕事をして得た臨時収入があるので、すこし良い家具を買って人生を豊かにしても、バチはあたらないかな、と思っている。
良い家具ったって、中古をオークションサイトで買っているだけだから、うんと安いんだけどね…。
こういう家具だって、日本で買えばきっとかなりお高い値段がつけられているんだろう。そう思えば、イギリスで豊富なビンテージ品、アンティーク品が手に入ることは、恵まれているな。
時計などの器械と違って、家具はグラグラしなければ一応仕事はしてくれる。
このテーブルと椅子で、ウェッジウッドのお皿においしいお料理を盛って、ウェッジウッドのカテラリーでいただく。横にはロイヤルアルバートの切子のグラスにシャンペンを入れ、真っ白のリネンのナプキンを用意して…。
ああ、でも夫と二人きりだと、つい「こたつで食べようか」になってしまうんだろうな。
せっかくいい食器やカテラリーを持っていても、使わなければ意味がない。
あと何年生きられるかわからないけど、「お客様用」などといってしまいこんでいないで、自分たちがせっせと事あるごとに使わなくては、もったいない。
最近はそう思うのだ。
どうせ、客なんて、ほとんど来ないしね…。