ユーゾーさんの魅力 | ロンドンつれづれ

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朝の連続テレビ小説、「虎に翼」が実に面白い。

 

このところ何年ものNHKの朝ドラの中で、一番面白いと思って見ている。

 

トラちゃんの仲間の、弁護士を目指す女性たちも、それぞれに魅力的な女性が、それぞれの背景を抱えて頑張っていた。

 

その中の多くは、色々な事情で弁護士をあきらめてしまったが、時代背景を考えれば、あの当時、女性が法律家を目指すことすら、ありえないほど難しいことだったのではないかと思う。

 

 

そして今週に入って、トラちゃんは、「結婚しなければ社会的地位を得られない!」という理屈で、なんと猪爪家の書生だった、ユーゾーさんと結婚することになってしまった。

 

連続テレビ小説「虎に翼」 キャスト・出演者相関図 【NHK朝ドラ公式】 - 虎に翼 - NHK

 

 

いや、私は、トラちゃんに一番良い人は、ユーゾーさんではないか、と思っていたので、この展開は拍手喝さいである。

 

そして、ユーゾーさんを演じている役者さん、仲野大賀さんがとっても良い。

 

連続テレビ小説「虎に翼」 キャスト・出演者相関図 【NHK朝ドラ公式】 - 虎に翼 - NHK

 

私は彼を、「かあさんがどんなに僕をきらいでも」という映画で知ったのだが、その時の彼の演技がとても光っていたのだ。 これは、虐待を受けて育った男の子が最終的に母を許していく実話で、このブログでもかつてご紹介したが、その時の仲野大賀さんの演技が光っていた。あの役は、彼がやったからこそ成功した映画だとすら思ったのだ。

「母さんがどんなに僕を嫌いでも」 | ロンドンつれづれ (ameblo.jp)

 

原作者、歌川たいじさんのセミナーも行った。

セミナー成功! | ロンドンつれづれ (ameblo.jp)

 

 

 

そうして、今回の朝ドラでも、大賀さんの演技は最初から光っていた。ユーゾーさんのキャラクターを彼は実に演じ切っている。男性としてはセクシー・ゴージャスからは程遠いが、「冴えないが誠実」というキャラを、実によく演じている。

 

私は、トラちゃんがユーゾーさんと結ばれて、ああ、これでトラちゃんは、一生幸せだな、と安心したのである。

 

女性は、自分を愛してくれる人と結婚することが一番の幸せだと思う。 いや、女性に限らず、人生のパートナーを選ぶうえで何より大事なのは、見てくれよりも収入よりも、自分を愛してくれているか、自分をどれぐらい大切に思ってくれているか、そして自分も同じ思いで相手を大切にできるかどうかである。

 

トラちゃんの場合、男性としてハラハラドキドキするような魅力がなかったとしても、彼女の性格、彼女の仕事を理解し、彼女の自由や決定を邪魔したり支配したりしないユーゾーさんが、一番なのである。

 

 

 

結婚生活は長い。 

 

最初はホルモンのせいでイケメン男にドキドキしても、そんな感情は数年もしないうちに消えていく。あとに残されるのは、もっと穏やかなやさしさであったり、居心地の良さであったり、価値観や信条の共有であったりするのだ。

 

男女を問わず、パートナーを自分の思うように動かそうとしない人、相手の人権を尊重できる人、それが一番の人生の伴走者となるのだ。

 

だから、トラちゃんの結婚に、私は「良かった、一番良い人を選んだね!」と拍手したのである。 あとは、トラちゃんが、ちゃんとユーゾーさんを大切にできるかどうか、である。

 

やはり、人間、優しさをもらうばかりではいけない。もらうばかり、奪うばかりでは、いつかは相手も離れて行ってしまうだろう。 

 

相手の愛情や優しさにアグラをかいていては、どれほどいい人、優しい人だって、いつかは嫌になってしまうだろう。

 

 

自分が愛されていると思ったら、ちゃんとそれに感謝して、自分も同じだけの優しさを返せる人でなければいけないだろう、と思う。

 

 

トラちゃんの今後のキャリア形成にも興味があるが、これからの彼女の結婚生活も、仲野大賀さんを交えて興味深い展開を迎えていくのだろうな、と期待している。

 

自分の足で立とうとする女性はそれだけで魅力があるが、結婚生活も大切にしつつ、キャリア形成も成功させる女性は、今でもなかなか大変なのだ。 

 

まだまだ日本では、社会も男性も女性のキャリア形成をバックアップはしてくれない部分がある。 女性は家庭と仕事を抱えて、なかなか大変なのである。

 

 

トラちゃんを演じている伊藤沙莉(さいり)さんの女優さんとしての魅力はいわずもがな。息子が数年前から、「この女優さんいいよ」と言っていた人だが、今回のドラマで彼女の魅力は100%以上発揮されていると思う。まさに、ぴったりの人選だった。

 

お母さん役の石田ゆり子さんも良い。着物をはんなり着こなしているだけでなく、立場が弱そうな女性が、実はご家庭のかなめになっているところを上手に演じている。

 

早々に消えていった学友の女性たちにも、またドラマの中で戻ってきてかかわってほしい人がたくさんいた。

 

つんけんした山田よね役の土井志央梨さんも良い。彼女にはきっと弁護士になってほしい。離婚した大庭梅子役の平岩紙さんもとても良い。このドラマで初めて知った女優さんだ。

 

その他の学友の面々も、トラちゃんの人生の中で、またかかわってきてくれるんじゃないか、と期待している。 

 

周りを固める俳優陣もとても良いのがこのドラマなんである。そして、それはとても大事なのだ…。