腹をくくる | ロンドンつれづれ

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気が向いた時に、面白いことがあったらつづっていく、なまけものブログです。
イギリス、スケートに興味のある方、お立ち寄りください。(記事中の写真の無断転載はご遠慮ください)

 

情けないが、先週いっぱい、連日5‐6時間の通訳を引き受けて金曜日の午後にそれが終わり、その日の夕方から熱が出て、火曜日いっぱいまで何もできないぐらい体調が悪かった。

 

通訳の仕事が終わったら、土日しっかり滑りこみ、月曜日からは列車のストがあろうと、なんとかしてリンクにたどり着いて練習、と思っていたのに。

 

熱が一向に下がらなかったので、走っていない電車を当てにして駅にずーっと立って待つようなことができる体力はまったくない、と判断せざるを得なかった…。

 

なので、いやでも家でおとなしくせざるを得なかったのである。

 

コメント欄に、「ストがあったのも、少し休みなさいという神様の思し召し」と言ってくれた方や「無理は禁物」と言ってくれた方がいて、少し罪悪感が減りました。持つべきものは、良きアドバイスを下さる読者さん…。

 

今日できることを一つ一つやるしかない、というアドバイスも身に染みました。

 

どんなにイライラしても、焦っても、体調や、環境のせいで、できることとできないことがある。

 

今の状況でできるベストを、ひとつひとつやって、本番当日はもう、「やるっきゃない」。

 

人間、怪我も病気もある。

 

電車が止まることも、飛行機が遅れることもある。

 

そんな中で、あきらめて状況を受け入れて、今できるベストをやるしかない。

 

無理は禁物。

 

無理を続けていれば、ポキッと折れてしまいます。

 

若いならまだしも、もう私の年齢では、無理は本当に禁物。

 

 

直前練習ができない、ということで、却って、フッと息が抜けました。

 

 

コーチの言うように、「だれもあなたに素晴らしい演技をすることを期待しちゃいないのよ。転んだってなんだって、試合の会場まで出かけて、これまで練習してきたことのベストを見せるだけ、それだけで十分なんだから。それがあなたのチャレンジでしょ?みんな分かってくれているわよ。」

 

本当にそうだった。 誰も私に完璧なんか求めていないんだった。 夫も、息子も、そして応援してくれている皆さんも。

 

試合前に過酷な通訳の仕事が入っていたのだって、もう4年も前から皆の念願の研修だった。そして、このゴールデンウイークの時期でないと、みな休みが取れなかったのだ。何しろ皆、仕事とは言え、自分たちのポケットマネーで本当の自前の研修として来ていたのだから。

 

そして、そんな皆に少しでも良い研修をしてもらうため、これまで彼らの訪問先をあちらこちら探して連絡し受け入れてもらって実現したのも、私が自分でやったことだ。誰を責めるわけにもいかないし、イギリスの児童保護の第一線の代表の人たちが良く会ってくれた、と誇りにすら思う。

 

だからこそ、「あんな偉い人がよく会ってくれましたね!」と研修団も本当に喜んでくれた。15人の専門家が日本からやってきた研修は大成功だったのである。

 

最後には私一人が熱でぶったおれたけれど、金曜日の午後の講義まで、しっかりやり終えたあとだったから、仕事には穴はあけなかった。アドレナリンで押さえていたんだな…。

 

 

スケートの試合の目的は、「チャリティ・チャレンジ」である。 直前練習は、通訳業務、そして体調の悪さと列車のストで、思うようにはできなかった。しかし、そういう逆境もまた、チャレンジのひとつに違いはない。

 

人生、自分のプラン通りにはいかないことの方が多い。 歯ぎしりして悔しがっても、思うとおりに進むことの方が少ないことは事実だ。

 

せめて、今週、ドイツに移動する前に、2回でも3回でも、リンクで練習できることを祈りながら…。

 

 

 

日曜日にはドイツに移動し、月曜日と火曜日の早朝、本番のリンクで曲をかけて滑るチャンスがある。

 

もう、それで調整するしかない…。

 

腹をくくろう。