正直な中国メディア | ロンドンつれづれ

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気が向いた時に、面白いことがあったらつづっていく、なまけものブログです。
イギリス、スケートに興味のある方、お立ち寄りください。(記事中の写真の無断転載はご遠慮ください)

 

日本のスポーツ紙というか、スポーツメディアは、日本人選手に対して思いやりのない記事の書き方をする、あるいはそれどころか誹謗中傷ではないかと思われるような記事まで見当たることがあるが、北京オリンピック以来の中国系のスポーツ紙の最近の羽生選手の持ち上げ方は、ちょっとびっくりするぐらいだと思って見ていた。

 

しかし、中国での羽生人気を思えば、それも無理がないだろう。羽生選手の名前をタイトルに入れさえすればクリック数が増える、というのは日本でも同じだが、中国での熱烈人気を思えば、誹謗中傷など書けばどんな批判を受けるかわからないことを、中国メディアは知っているのだろう。

 

それにしても、この記事には驚いた。 

 

なんと、この度のISUのルール改正(改悪?)について、「ISUは羽生を引退に追い込もうとしているのか?」という記事を書いたのである…! 本来なら日本のメディアが指摘するべきことを、中国メディアに先を越されたのである。

 

いや、先を越されるというか、おそらく日本のメディアはここまではっきりと指摘する勇気のあるメディアはいないんじゃないか。 あるいは、なにかどこかの大きな権力に忖度して、そもそも正直な記事を書くつもりもないのではないか。

 

以下、一部を抜粋する。

 

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「国際スケート連盟(ISU)の総会で新たなルールが定められたことをめぐり、中国のポータルサイト・百度(バイドゥ)に「ISUの大改革、羽生結弦を引退に追い込もうとしているのか?」とする文章が掲載された。そこでは今月9日のISU総会で、フィギュアスケートに関して大きなルール改正があったと説明。表現力を評価する演技構成点を5項目から3項目に減らす決定がされた。

具体的には、5項目のうち「スケーティング技術」と「構成」が残り、「技のつなぎ」と「音楽の解釈」を除外。後者2つをまとめる形で「演技力」が「プレゼンテーション」に変更された。ISUは「評価基準の重複を回避するため」としているが、日本スケート連盟は「具体的な採点を求める選手やファンの意に沿わない」として反対していた。

文章は、今回のルール改正は選手らに大きな影響を与えており、世界各国で波紋を広げていると指摘。表現を重視する羽生にとって不利な改正との見方が有力で、フィギュアスケートファンからは「羽生に引退を迫るのか」と疑問の声も出ていると説明した。

その上で、「フィギュアスケートは『氷上のバレエ』と呼ばれ、美しさと鑑賞性が重要。競技であると同時に芸術という視点もあり、それらは選手と音楽との相性があってこそ成り立つものだ」と指摘。「新ルールは競技難度に重きを置いており、長い目で見ればフィギュアスケートを衰退させる。観客が求めるのは鑑賞性と競技性の両方があるフィギュアスケートであり、氷上で滑って跳ぶだけのものではない」と主張した。

さらに、「ファンの間では、ISUは羽生を抑えて成長著しいマリニンを持ち上げようとしているという陰謀論も出ている。何が真実なのかは分からないが、羽生はこれまで数々の(不利な)ルールに打ち勝ってきた」と説明。「羽生には誇りとこだわりがあり、簡単にあきらめてしまうのならそれは羽生結弦ではない。より強い自分こそが最大の武器なのである」と羽生の奮起に期待を寄せた。(翻訳・編集/北田)」

 

ISUは羽生結弦を引退に追い込もうとしているのか?―中国メディア(レコードチャイナ) - goo ニュース

 

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というもの。どうですか、皆さん…。

 

羽生ファンでなくとも、今回のPCSに関するルール改悪については反対の意見を持っているフィギュアスケートファンは多いし、数か月前からこの動議が提出されていることは分かっていて、SNSなどでは反対意見が表明されていたはず。 それはファンからのみでなく、このブログでも紹介したように、各国の代表からも懸念が表明されていた。

 

にもかかわらず、強引にこれを通してしまったISUなのである。

 

アメリカのマリニン選手についての部分など、「このルール変更はマリニン押しのためだな…」と思っていても口に出さないファンも多いところ、ここまで正直にはっきりとメディアが書いてしまうというのもビックリなのである。

 

羽生選手がこれまで、さまざまな不利なルール変更と闘い、打ち勝ってきたことや、彼には自分の理想とするフィギュアスケートに対するプライドがあることは明らかだが、ここまであからさまで不本意なルール変更のごり押しがあると、もう馬鹿らしくてやってられないという気持ちにならないだろうか。ならないとしたら、本当に不屈の魂を持っているとしか言えないのだが。

 

ファンはISUがどうルールをいじくろうと、だれを勝たせるために小細工をしようと、もうどうでもよくて、少しでも長く、あの質の高い技術によって織りなされる一つの詩のように心に訴える演技を見ていたいだけなのである。スコアも順位も、好きなように勝手にしたらいいだろう、もうそんなことはどうでもよいから…と。

 

 

しかし、羽生選手は、競技選手の本能として、少しでも高いスコアをたたき出したいという気持ちがあるだろうと思うから、我々もジレンマなのである。なので、「不正の無い、正確な審査をしてくれ!」と叫び続けてしまうのである…。

 

腹が立つから、羽生選手が引退したら、もうフィギュアは見ない、というファンも多いかもしれないが、おそらくそれは羽生選手の意に沿わないのではないか、と思うのである。彼は自分のスケートだけを愛しているのではなく、フィギュアスケートというスポーツそのものの発展も気にかけているのじゃないか、と思うからである。

 

ここまで自分がけん引してきたフィギュアスケートから、観客が離れてしまうことはきっと彼は悲しいのではないかな、と思うのだ。

 

しかし、そう思うからこそ、ますますISUのやりように腹が立って仕方が無いのだ…。この恩知らず、と。誰のおかげで試合会場が満席になり、チケットの入手が宝くじ並みの競争率になっているんだか考えて見ろ、と。

 

羽生選手が体現しているフィギュアスケートを好きだ、と言う人がこれほど多いから、世界の各地でこのスポーツに対する興味がここまで高まってきたのだ。それなのに、ISUがその反対の方向に行こうとすることのロジックがわからない。あまりにも将来を見ていない短絡的な思考ではないか。

 

 

まだ去就をはっきりと発表していない羽生選手だが、今回のISUの愚かな選択に嫌気がさしていないといいのだが…。いちファンとしては、私はまだまだ彼の演技を競技会で見ていたい、そんな気持ちが強いのである…。

 

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後8日!

 

私は、5月の24日にドイツで行われたISU公認、アダルトスケート競技会の60歳―70歳の部門に参加することをチャリティ・チャレンジとして、6月25日までクラウドファンディングでの寄付活動を支援しています。 支援しているのは、子ども食堂「ピノッキオ」です。

 

皆さまの暖かい応援、ご支援で、5月26日には目標金額の80万円に達しました。本当にありがとうございました。 ピノッキオでは100万円のネクストゴールを設定したようです。寄付の締め切りである6月25日まで、ひきつづき少しでも多くのご支援をいただけるようお願いしたいと思います。家賃だけではなく、光熱費、食材費、水道代など、支出先はいくらでもありますので、あと8日間、続いてのご支援をいただけると助かります。

 

一度ではなく、2度、3度とご寄付をいただいている方もいらっしゃいます。心よりお礼を申し上げます。また、クラウドファンディングではなく、ピノッキオのゆうちょの口座に複数回振り込んでくださった方もいらっしゃいます。お礼を申し上げます。

 

以下のリンクをクリックすると、ピノッキオのクラウドファンディングのサイトに飛びます。ピノッキオの活動の趣旨など詳細が載っています。 主催者は、早稲田大学の人間科学学術院の元教授、川名はつ子先生。

 

虐待を減らそう!子どもや保護者のための居場所「ピノッキオ」を存続させたい!#北区 - CAMPFIRE (キャンプファイヤー) (camp-fire.jp)

 

 

24日のドイツでの試合の様子は以下の動画で。転倒せずにプログラムをやり終えるというチャレンジは、なんとか成功しました。

 

 

 

直接ピノッキオの郵貯の口座に振り込んでくださった皆様には、メールでのお礼ができないということで、この場でお礼を申し上げます。 これまでのところ、40万円を超す直接の寄付が集まっております。 こちらも本当にありがとうございました!

 

クラウドファンディングでは非営利団体向けの、Good Morningという部門で、クレジットカードでの寄付が可能です。 メールアドレスとユーザーネームを登録するだけで、海外からも寄付が可能です。

 

ご自分の希望の支援金額を「リターン」というところから選び、メールアドレスを登録して、先へ進んでください。 これは起業などではなく子ども食堂の支援ですので、物品のリターンは無く、お礼のメールだけが届きます。

 

また、クラウドファンディングではなく、郵便局や銀行から直接寄付を行う方が良い、という方は、以下にお振込みをお願いいたします。

 

●ゆうちょ銀行間での振り込み
【振込口座名義】シャ)ピノッキオ
【記号】11370
【番号】07694211

●他銀行からゆうちょ銀行への振り込み
【振込口座名義】シャ)ピノッキオ
【支店名】一三八(読み イチサンハチ)
【支店コード】138
【預金種目】普通預金
【口座番号】0769421

 

ピノッキオのホームページより

一般社団法人ピノッキオとは (studio.site)

 

皆様の優しい応援・ご支援・ご寄付を、どうぞよろしくお願いいたします!