やめる決断も賢くないとできない | ロンドンつれづれ

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パラリンピックを有観客で、などと丸川さんや菅さんが言っているのを聞くと、「この人たち、頭大丈夫かな?」と思うのである。

 

今感染者が増えているのは、まだオリンピックが始まって3日だから、関係ないなどという愚かなことを言っている人たちがいるが、オリパラ関係者は、1ヵ月から数週間前までに入ってきている人たちが多い。海外からの人流は、もうすでに、とっくの昔に始まっていたのである

 

首都圏では毎週、前週の1.5-2倍の勢いで、感染者が増えている。27日には東京、千葉、埼玉で過去最高の感染者を記録した。 こうなることは、実は菅首相も橋本さんも、丸川さんも分かっていただろう。 尾身さんはもっと確実に分かっていただろうし、一般国民だってそう思っていた人がほとんどだったから7割がこのタイミングでのオリンピック開催に反対していたのだ。

 

それなのに、状況が一層悪くなるであろう8月の中に向けて、「有観客でやりたいと思っている」だと? なにをたわけたことを? バッハの「状況が良くなったら有観客で」の発言と争うぐらい???な発言である。 どうしたの、頭大丈夫なの?と思うではないか。そういう人たちに、日本のかじ取りを任せているのかととめどなく不安になるのだ。

 

あるいは、パラリンピックはもう中止するつもりでいるのに、それをごまかそうと思ってそんなことをいっている? 彼らとしては、オリンピックさえ開催し、メダルラッシュ!の印象をつければ、もうそれでよい。 パラリンピックはおまけみたいなもんだ、と最初から思っていたとか?

 

オリンピックをやって人流が増えれば、パラリンピックが始まるころには、オリンピックで激増したコロナ感染者の数が6000とか、8000とか、1万ぐらいになっていることは予想が簡単だったはず。 でも一応オリンピックは終わったからあとはもうどうでもいい!ってな感じでパラを最初から中止にしようとしているんじゃないかな、と。

 

これまでの政府や組織委員会のやりようを見ていると、なんかそんな気がしてならない。

 

私の予想は色々と当たるのである…。

 

ところで、橋下徹氏が、以下のように発言している。私は通常彼の意見にはまったく同意できないことが多いのだが、今回はその通りだと思って読んだ。 

 

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橋下徹氏が熱狂の五輪に危機感「中止の撤退ラインを定めないまま突き進む日本の政治の姿は…」
 東スポWeb 2021/07/27 15:41

元大阪府知事の橋下徹氏(53)が27日、ツイッターを更新。五輪のメダルラッシュで日本中が熱狂している中、新型コロナウイルス感染拡大が進んでいることで、改めて五輪中止の撤退ラインを定めていない政府を批判した。

橋下氏は「日本選手の活躍は嬉しい」と選手の活躍を喜びながらも「ただしオリンピック中止の撤退ラインを定めないまま突き進む日本の政治の姿は、先の大戦で敗戦した反省がまったく生かされていない」と中止の撤退ラインを決めないまま、五輪を開催したことに疑問を呈した。

その上で「撤退ラインを定めながらそうならないように手を尽くすのが国家運営だ。日本はいざというときに勝負ができない国家だ」とメダルラッシュで熱狂する日本の弱点を指摘した。

東京都の新型コロナの新規感染者は連日1000人を超えている。都内の医療機関に通常診療の制限も視野にコロナ病床確保を要請したという報道もあり、依然として五輪中止を訴える声も強い。
 

橋下徹氏が熱狂の五輪に危機感「中止の撤退ラインを定めないまま突き進む日本の政治の姿は…」 (msn.com)

 

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東京の新規感染者は、連日1000人超えどころか、すでに3000人近い数を出している。4000,5000に届くのも時間の問題だろう。 そして若い人が多いから重症化率が昔よりは少ないが、全体の数が増えれば入院率も死亡率も上がってくるのはイギリスを見ていればわかる。

 

 

国や東京都は、五輪とコロナの状況のリスク予測をしっかり行って、危機の際のコンテンジェンシー・プランをしっかり作ってあるのだろうか。

 

あるのだったら、それをちゃんと都民や国民に知らせておくのが、説明責任というものだろうが、おそらく自分たちに都合の良い絵だけを描いており、その楽観論の上に組み立てたプランしか用意してないんじゃないか。

 

だからこれまでも、いざことが起きた時に後手後手になったり、行き当たりばったりのその場限りの手当てをして、ごまかしているんじゃないのか。

 

ワクチンだって、菅首相が繰り返し「国民に十分行きわたるだけ確保してあります!」と胸を張って言っていた割には、ふたを開けてみれば現物がまったく足りていない。 そんなことになるんじゃないかと思っていたが、やっぱり当たってしまった。

 

国民に対するワクチン接種はまったく間に合わないうちにオリンピックであり、この感染爆発だ。 どんどん杞憂が現実になっていく。 これでは海外からやってくる人の方が、日本でうつされることを怖がっているだろう。

 

菅首相はなんだかんだ言っても、オリンピックをやっちゃえばこっちの勝ち、なんて思っているんじゃないか。 パラリンピックはもうどうでもよい、と。 あまりのタイミングで「有観客でやりたい」というところが怪しすぎるのである。

 

 

 

橋下さんに言われるまでもなく、本当にしっかりと危機管理をし、一国のリーダーとして国民の健康と安全に責任を持って意思決定をし、行動してくれなければいけない。 やめる、という決断ができることは、リーダーとして大きな能力のひとつなんだから。

 

 

相変わらず「人流は減っているし(根拠なし)、オリンピックの中止はありません」と無表情で頑迷に話すだけでは、まったく何のメッセージも届かず、心配になるだけなのである…。