5月に入って、けっこう連日暴風雨みたいな天気が続き、おかげで庭の芝生はどんどん伸びて、雑草も生え放題で、我が家の猫の額ほどの庭はジャングルのように荒れ放題、ミイナはライオンみたいに草原をのしのし歩いていた。
しかし、この3,4日で急に天気は穏やかになり、ついこの間まではヒョウまで降っていたのが嘘のようである。
そして、そうなると同時に、温室に座っていられないぐらい暑くなったのである。いきなり。
そう、突然、夏になってしまった。 仕事をする時に寒くて、靴下をはいて毛布を巻きつけて、ゆたんぽまでいれていたのに。
藤の花がまだ美しいうちに夏日が来てくれたので、バンクホリデー・マンデーの今日は、夫と藤棚の下で、アフタヌーンティをすることにした。
アフタヌーンティと言ってもたいそうなものではない。私がスコーンを焼いて、夫がキューカンバ・サンドイッチを作るだけである。
あいにく、ヨーグルトがなく、しかもちょっと生地をゆるく作ってしまったので、横に広がってしまった上に香りがちょっと足りないスコーンであり、夫は「本来もっと薄いパンでなくちゃだめ」というようなサンドイッチだったが、まあ自宅で自分たちで食べるだけである。ぜいたくは言わないようにしよう。
夫と一緒にアフタヌーンティをしても、女友達と座って食べるような優雅なものではない。そもそも黙って食べるだけ食べたら、「もう部屋に入ってもいい?」的な雰囲気を醸し出す夫なのである。なので食器も女友達と会う時ほど気合は入らないのである。 ティポットは簡単な金属製のものでいいや、でも一応ロイヤルアルバートのオールドカントリーローズにスコーンとサンドイッチを乗せた。
夫は食器も着るものも、一切無頓着なので、ロイヤルなんたらとかウェッジウッドとかの食器といってもふーんという調子、バーバリーとかアクアスキュータムとかのコートを買って与えても、まったくありがたがりもしないので(着もしないし)、豚に真珠なのである。 ま、私もセリーヌだ、グッチだ、ルイ・ヴィトンだというバッグなどにほとんど興味がないので似たようなものだが。
スコーンにつきもののクロテッド・クリームが無かったが、この間いちごパフェを作った時のクリーム・フレーシェが残っていたのでそれにジャムを乗せて食べたら、普通においしかった。
藤は本当に、この2,3日が見ごろで、最高に美しいのである。
藤の良い香りを楽しみながらのアフタヌーン・ティは景色もごちそうでおいしかったのである。 お茶のなかに、藤のつぼみがひとつ。
温室のドアも開け放って、短い夏を楽しむのがイギリス人。 お休みなので、近所のあちこちの家から子どもたちが庭に出て遊んでいる声が聞こえてくる。 中には、バシャバシャと水音と子どものキャーキャー騒ぐ声が。どこかで大きなプールを出しているらしい。一番うるさいのはお父さんの声だけど…。お父さんも泳いでいるんだな。
ミイナは周りが騒がしいので、用心して自分のテリトリーに控えている。
これは、息子が母の日に送ってくれたデッキチェア。 ここに座って本を読んだり、うとうとするのもおつなもんです。
猫は暑すぎるのか、日陰に入ってお昼寝することに決めたようです…。
それにしても、ほんと、いきなり夏ですよ…。 この週末はサザンプトンやボーンマス、ポーツマスといった南の方の海辺の町では、人出が凄かったでしょうね。一応、もうだいぶロックダウンも解除に近づいてますから、国内の旅行はOKになってますからね。
太陽が当たって、新緑が本当にきれい。 いまから2か月ほどが、イギリスで一番美しい季節でしょう。
雑草も、それなりに可愛い花を咲かせるのです…。
池から、黄色い菖蒲の花を切ってきました。 これで、夕方の7時ですよ、明るいでしょう…。まだ、ジリジリと暑いです…。
今頃は、日が沈むのは10時ごろです。
午後4時だと、おひさまはまだほとんど真上に近いです・・・。
夏は、いつまでも明るいので、つい宵っ張りになってしまいますね。