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山口香JOC理事が、またもっともだということを言っている。

 

BS-TBSの「報道1930」に生出演し、東京オリ・パラについて話した。

 

 

番組では、新型コロナウイルス感染を広げることなく大会を成功させた、2月のテニス全豪オープンの感染予防対策について特集。同大会の運営責任者のグレイグ・タイリー氏は番組の取材に、東京五輪・パラリンピックについて「私ならオリンピック(の開催期間)を延長することも視野に入れるでしょう」と私案を口にした。

山口氏も「昨年の夏頃、分散開催というのも申し上げたことがあった」と話し、「もうその時期は過ぎたと思います。5カ月を切った中で、今さら分散開催などということはもう不可能に近いと思います」と、分散開催案は非現実的になったとの見解を示した。

以前から海外からの観客を入れずに開催することを提案している山口氏は、「海外からの観客を入れないというのも即時に決める。そして、たとえば関係者の人たちをどうコントロールするか、こういうふうにコントロールできればやれるんじゃないかというのをどんどん決めていくしかない。一刻の猶予もない」と、迅速な意思決定と、それに向けた準備の必要性を訴えた。

一方で山口氏は、感染防止の具体策が一向に出てこないことを憂慮。「(対策を)やってるんでしょうけど、情報が出てこないだけだと信じたいです。今の感じだと『安心、安全の対策に努めてやっていきます』というコメントはよく聞くんですが、具体的なことが出てこない。私を含めて、国民は何をやってるんだろう?というのが見えてないのが実際」と厳しい言葉を並べた。

また、新型コロナウイルスの感染や変異株の状況次第で、開催そのものが危ぶまれる事態だが、関係者からは中止の可能性に言及するコメントはほとんど出てきていない。山口氏は「私は国民に安心、安全ということを言うのであれば、『最後の最後でどうしてもダメな時は当然、中止もあり得ます』ということを言うべきだと思います。『どんな状況でもやる』と言われると、たとえば頂上が目の前にあるから、こんなに天候が悪いのに、荒れているのに、命がけで行くんだ、と言われているのと同じ」と指摘した。

さらに、「引き返す勇気は当然、お持ちだと思うんです。それを伝えてくれないと、やることありきで進んでいるんじゃないかと感じてしまうと思う。そういうことを言うと、不安をあおると感じられていると思うんですけど、私は逆だと思う」とも訴えた。

 

山口香JOC理事 “安心安全五輪”具体策見えない状況を憂慮「情報が出てこないだけと信じたい」― スポニチ Sponichi Annex スポーツ


山口香JOC理事 開催ありきの東京五輪に「『どうしてもダメな時は中止もあり得る』と言うべき」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース

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山口さんはなにも特別なことは一つも言っていない。 むしろ、多くの国民が普通に感じていることを、あちら側の立場の人が言ってくれているだけだ。 彼女には、共感力があり、他のオリンピック関係者にはないということだろう。オリンピック組織委員会の長、小池都知事、丸川さん、菅総理、バッハ会長、皆、「オリンピック開催」しか目に入っていないように見えるのだ。

 

今日になってやっと「海外からの観客は無しということで調整」という報道がでたが、今頃…という感想を持った人は多いだろう。 開催さえ、海外の報道ではCrazyと言われているのに、世界中から観客を集めてできると思っていることの方がおかしいという点に思い至らない人たち…。

 

なにがなんでも中止だという国民ばかりではないだろうが、開催するのなら、どんな形で行えば国民、都民の安全を守りながらできるのか、それを伝えることを怠っているから、理解も同意も得られない。 本当にコミュニケーションの下手な人たちだと思う。あるいは、コミュニケーションをとる必要が無いと思っているのか。

 

リーダーシップとは一人で勝手に決めて強引に推し進めることではない。 民主主義国家のリーダーシップとは、一人でも多くの人の合意を得る努力ができる人、コミュニケーション能力の高い人だ。

 

組織の代表であれば、組織に属する人々の意見を聞き、とりまとめることのできる人だろう。反対意見を持つ人もいるだろうが、過半数の人々の意見を生かし、反対する人々にも恩恵が渡るような方法を見つける努力のできる人だろう。

 

政治家で言えば、自分は、国民の意見を代表しているのだ、代議士とはそういう意味だということを忘れないで首相なり大統領になるべきだ。自分の意見ややり方だけが正しく、反対意見は聞く必要が無いと思っている人は、近代民主主義国家の長にはふさわしくない。 民主の意味をよく考えた方が良い。

 

どうも、トップに立ってしまった人は独裁的にやりたがり、反対する人を更迭したり排除したり黙らせたりして自分がやりやすいようにしたがるが、それでは民主的な組織運営とは言えないだろう。 民主主義とは手間も時間もかかるものなのである…。

 

 

 

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追記:

 

ここまで書いて、3日の5人による会議の結果のニュースがでた。
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東京五輪・パラリンピックの開催に向け、大会組織委員会の橋本聖子会長、東京都の小池百合子知事、丸川珠代五輪相、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長、国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドルー・パーソンズ会長による5者会談が3日開催された。海外からの観客受け入れ可否を3月中に判断することで一致したが、政府は同日、見送る方向で調整に入ったことが分かった。会場の観客数の上限は4月中に判断することを確認した。

 橋本会長は会談後に材に応じ「あと4か月あまりで開幕する大会に向けて重要な認識を共有できた。安心安全な大会運営を最優先とし、変異株への対応や検査の重要性についても確認し、しっかり行っていくことで合意した」と語った。

 観客については「海外から来日する観客の観戦をする方は、国内外の新型コロナの感染状況や防疫措置、専門家による科学的知見をもとに3月中に判断を行うことにした」と方針を定めた。また私見として「具体的には聖火リレーがスタートする25日までには決めたいと考えている。会場における観客数の上限においては、国内スポーツイベント等における上限規制準ずることを基本に、4月中に判断する」と説明した。
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報道を読む限り、無観客はおろか、海外からの観客の受け入れの有無についてもしっかり話ができておらず、それをまた3月末まで引き延ばす、という…。何のための会議だったんだろうか。 「今日は無観客ということについての議論はされませんでした」という橋本さんの報告だが、つまり、それが今日の議論の結論なんだろう。

 

議論はされませんでした、というよりも議題にも乗せなかった、ということなんだろう。

 

またバッハ会長も選手団にはできるだけワクチンをうってほしいという方針だそうだが、観客のワクチン接種については、こちらも議論されなかったそうである。 これで世界から観客を受け入れるとなったら、本当に怖い。

 

 

しかし、開催ありきで進めるのなら、もっと具体的なことをしっかり話し合う時期に来ていると思うのに。 たとえば医療従事者を1万人確保するのは、具体的にどうやるつもりなのか? 選手や関係者をバブルに入れるつもりのようだが、オーストラリアのテニスの全豪のように一種目、数十人の参加者のイベントをほんの数日行うのとはだいぶ違う。どのように可能にするのか? (実際、アドバイスを乞うたら、Well, good Luck!と言われたそうだが…。)

昨日は英国タイムズ紙が、「もうオリンピック中止の発表をするべき時期だ」という記事を報道していたが、夏までにワクチンが全国民にいきわたるだろう英国では、6月末にはすべての自粛を解除して、普通の生活に戻れるという細かいロードマップが政府から出されている。 にもかかわらず、イギリスの風物詩グラストンベリーの音楽コンサートも、この夏の中止がもう決まっている。 みな、それほど我慢をしてパンデミックを抑えることをプライオリティにしているのだ。

 

オリンピックでは選手団だけでも1万5000人が世界中から集まる。 ワクチンもせずに。 そして日本は、ホスト都市の東京のハイリスクグループに対するワクチンさえも間に合わないような状況だ。都民の多くは中止を希望している。 こんなスーパースプレッダーイベントは、国民の安全を脅かす…。タイムズ紙では、オリンピックで安全が脅かされるのは日本だけではなく世界中だ、と指摘している。

 

 

しかし、「無観客については議論されませんでした」と、いうのは残念。 せめて、議題に乗せるぐらいのことはできなかったのか。中止の可能性についても、もちろん議論すらされなかったのだろう。結局、5人集まって、「観客を入れてのオリンピック開催」についての決意を確認しあったというだけなのだろう。

客を入れて強行開催し、その結果として世界のあちらこちらから集まった変異株を東京でミックスして、感染爆発が起こった場合、誰がどういう形で責任をとるのか、それについての話し合いは、今日できたのだろうか。 一番するべきではないのか? 

 

国民の安全に関して誰も責任をとろうとしないから、無責任な会議をして平気でいられるんだろう。

もうこの時期だというのに、中止の可能性も、無観客の可能性も、議論されなかった。 一番先に議論し、どんな状況・条件の場合、中止、あるいは無観客、それを話し合っておかなくてはならなかったのではなかったか?

大事なことを何ひとつ議論しなかった、そんなミーティング。

ある程度、予感はしていたけれど、やっぱり…。

 

本当に無責任で、リーダーシップの無い人たち…。

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橋本聖子会長が海外からの観客受け入れに「聖火リレーの前には決めたい」。無観客は議題に上がらず(TOKYO HEADLINE WEB) - Yahoo!ニュース