レジスタンス、マルセル・マルソー | ロンドンつれづれ

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マルセル・マルソーさんを知っている日本人は減ってきているかもしれない。

 

 

マルソーさんはいわゆる「パントマイム」のアーティストで、顔を真っ白に塗って無言の劇を一人でして見せる人であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、私は知らなかったのだが、彼は第2次世界大戦中、フランスのレジスタンスとして、ナチスに追われるユダヤ人の子どもたちをたくさん助け出してスイスに逃がしたという功績があったとういう。

 

 

 

それを映画にしたのが、「レジスタンス(2020)」。 

 

マルセルのパントマイムはほとんど出てこないが、彼がパントの役者として有名になる前の、若き日を描いたもので、なかなか見ごたえがあった。 

 

 

ナチス・ヒットラーは、ユダヤ人の子どもたちを150万人殺したそうである。 

 

フランス、ベルギー、ノルウェイー、ポーランド、チェコスロバキア、デンマーク、エストニア、ベラルーシ・・・・ ナチスドイツに凌辱された国々は両手の指では足りない。 ヨーロッパがヒットラーを許さないはずだ。

 

改めて、ナチスのような排外主義のファシストの台頭を許してはいけない、ヒットラーのような嘘で固めたポピュリストを国のトップに選んではいけない、と感じさせてくれる映画だった。 ヨーロッパが極右の排外主義者を味方につけるトランプを嫌うわけはここにある。 

 

イギリスはヒットラーに侵略されなかった欧州での数少ない国だが、ノルマンディ上陸作戦でパリを解放した。 そしてトランプ嫌いである。

 

 

マルソーの白い顔には頬に涙が一滴描かれているものがある。

 

彼が若いころに見てきたこと、失ってしまったものが彼の芸術に表現されていたのだな、と今になってわかった。

 

2007年没。

 

日本が好きで、何度も日本で公演をしたアーティストである。

 

 

 

 

 

 

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