内村選手がんばれ! | ロンドンつれづれ

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日本の体操界のレジェンド、内村選手の調子がこのところ、ちょっと低調である。

 

「練習さえやっていればうまくいく、っていうのがもうここ10年ずっと、できていたのができなくなっているので…自分自身に対しての怒りっていうのが大きかったかな・・・って」

 

「もう一度初心に帰って、いままで積み重ねてきたものをしっかりやりきれば、まあ、東京オリンピックに行くチャンスは十分にあるかな、と・・・。」

 

 

4月の全日本選手権では2005年以来の予選落ちで世界選手権の代表に入れなかった。「東京五輪は夢物語」「体操を楽しめなくなった」と落ち込んだ。

 

先月末、来年の東京五輪の1次予選を兼ねて福井県営体育館で行われた全日本シニア競技会で、あん馬から落下して、計83・900点で5位だった。

 

「話にならない」と本人は自分に厳しかった。 が、まわりは楽観しているという。「急回復している」と監督は話す。床では最後の着地をピタリと決め、14.800。 跳馬や平行棒でも安定した演技を見せたという。
 

 

スランプは、怪我のこともそうだし、年齢的なこともあるのだろう。 どんな優れたアスリートだっていつかは直面する壁…。 でも、38歳のフェデラーの例もあるし、なんとか怪我を完治させて、再起をしてほしい。

 

世界中に多くのファンを持つのが内村選手である。 内村を東京オリンピックで観なくてどうする!と思っているファンは多い。

 

オリンピックに選ばれ続けることで、「自分が日本のスポーツ界を引っ張っていきたいなという気持ちが芽生えてきました」と。 引っ張ってきた、と思う。 体操だけでなく、日本のスポーツ界を。

 

一時はどん底だった内村選手がインタビューで明かした、「再起を決意させた超一流アスリート」の名前。

 

「水泳の瀬戸大也選手(25=ANA)とか、バドミントンの桃田賢斗選手(24=NTT東日本)とかやっぱり強い選手が勝つんだと知りました」 特に男子シングルスで2連覇した桃田選手はスキャンダルでリオ五輪に出場できなかった。 その不屈の精神力に感じるものがあったそうである。
 
さらに内村は「他競技に影響を与えられる人が超一流だと思う」として、フィギュアスケート男子で五輪2連覇の羽生結弦(24=ANA)については「連覇とか同じようなものを感じているけれど、ただただすごい」、と称賛を惜しまない。 
 
王者の孤独と国を背負って立つ重圧は、おなじ立場の者しかわからないのかもしれない。
 
羽生選手も、勝ち続けるというタイプの選手ではない。 しかし、逆境に対する強いリジリエンスを持つところが、常人とは違う超一流のアスリートなのである。
 
逆境でつぶれてしまうか、そこをはねのけて不死鳥のように立ち上がって羽ばたくことができるか、そこでチャンピオンかどうかが決まるのである。
 
ここぞ、という時に求められる以上の力を集めて、結果を出して見せるチャンピオン。 そういうアスリートこそが、世界中の人たちの注目を集め、そして見ている人に勇気や力を与えることができるのだ。
 
ただ強いだけじゃない。 弱さも見せ、負けることもあり、しかし研究と努力、研鑽をつみあげることにより、奇跡のような瞬間を見せてくれる、そんなアスリートに私たちは熱狂し、愛するのである…。
 
頑張れ、内村選手!
 
頑張れ、羽生選手!
 
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