若者たちの叫び | ロンドンつれづれ

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昨日の金曜日。 地球温暖化対策を呼び掛けて、若者たちが世界中で学校を休んでデモをした。

 

 

 

 

 

これは、スウェーデンの16歳の少女、グレタが、毎週金曜日に学校を休んで議会の前で座り込みをしている様子が若者の間に知れ渡り、影響を与えて、世界的なうねりになったものだそうである。(AlJazeera)

(The Guardian)

 

 

以下の動画は、彼女がTEDでスピーチをしているところ。 過去にうつ状態になり、拒食症に陥り、2か月で10キロも痩せた。 医師には、アスペルガー症候群と診断された。 自分がしゃべりたいと思った時しか話さない、でも今が、その時だと思う、といってTEDでスピーチ。 観衆からは拍手が。

 

「自分は自閉症だから物事をブラック&ホワイトではっきり考える。 気候変動については、グレーゾーンはないはず。危機が起きているなら、ノーチョイス、やるべきことは一つではないか。 多くの動植物が毎日絶滅している。地球の気温は上がり続けている。世界の国が協力してグローバルな対策を取るべきことは、明らか。 インドやナイジェリアに気候変動対策を期待してはいけない。 スエーデンなどの先進国が進んで対策を取らなければ…。 気候変動は地球規模のクライシス(危機)なのに、大人はそれについて気にしていないみたいに、日常生活の中で話さない・・・どうして? 私が75歳になったとき、孫から2018年に、どうして何もしてくれなかったの、と聞かれるかもしれない。 そんなことにしたくない…。」 

 

彼女は何らかのアクションが、「今すぐ!」必要だと思ってスエーデンの議会の前で座り込みを始めたのである。「なぜ、科学者が訴えていることを、政治家は無視するの? 現実に起きていることなのに? 今まで大人が話していた希望、太陽光、風力発電、それがうまくいったとは思えない。 だから、希望の話はしないで、アクションをとることをしよう。 何かが変化しなくては、この危機は抑えられない・・・」

 

 

 

大人がくだらないことに時間やエネルギーを使い、人を殺したりしている間に、若い人たちは「自分たちの未来を守ろう、地球を守ろう!」という、もっと根本的な要求を政治家や大人たちにつきつけたのである。

 

世界の主導者たちは、もう20年後にはこの世にいないかもしれない年寄りが大半である。 それも、自分や家族、自分の仲間たちの利益を第一に考えているような政治家が多いのだ。 地球温暖化に無関心に見えるアメリカのトランプは、パリ協定から脱退した。 Co2を大量に発生させている中国のトップも、世界会議での自国への努力目標になかなか合意をしない。 「気候変動は人間の経済活動とは無関係」という人たちもいる。 Co2の排出を抑えたくない企業たちだ。 そして政治家は企業のトップと癒着している。

 

Denial is NO Policy...! というバナーを掲げている映像もみた。 そう、「現実の否定は政策じゃない」。

 

英国では、2月に全国の子供たちが大きなアクションを取っている。 13歳までの小さい子供たちが学校を休んでデモを行った。 もちろん、学校を休むことはいけない、特別な事情がなければ・・・。 しかし、子供たちも親も、そして教師たちも、「これは特別な事情だ」と話す。

 

メイ首相は、「こういうことをすれば、先生の仕事も増えるし、カリキュラム(授業予定)に混乱がおきる」と話したが、このアクションから子供たちが学ぶことは大きい、と話す教師も多い。 また議会前に集まっていた大学生は「学校で学ぶことより、大切な授業だと思う」と話した。 「地球温暖化で消えてしまう国もでてくるかもしれないのに、授業の時間数どころじゃないでしょう」と。

 

 

 

世界中で起きている異常気象。 日本も例外ではない。 豪雨による土砂災害、河川氾濫で多くの命が失われている。 今までにない強風や竜巻で、大きな被害がでている。

 

 

人種間でヘイトしたり、石油の採掘権をとりあったりしている場合じゃない。 

 

大人たちはどうしてこの危機を理解できないふりをするんだろう。 どうして協力して病み始めている地球を救おうと思わないのかな。

 

子どもの方が、そのあたりをシンプルに感じているのではないか・・・。 

 

(もう、時間がない!と)

 

 

子供たちのこういったアクションが、最近特に世界のあちらこちらで起きているのを知っている大人は少ないのではないか。

 

「大丈夫、そんな恐ろしいことにはならないよ・・・」と正常バイアスが働いて、怖いものを見ないふりをして、毎日のあれこれに没頭している大人たち。 そう、自分たちにはもう残された日々は少ないしね。 自分が生きている間、なんとかなればいいと思ってるんじゃないか。

 

しかし、未来を担う子供たちは違う。そんな彼らの未来に、大人たちは責任を持つべきなんじゃないのかな。

 

(If you are not part of the Solution, you are part of the Polution(Problem)とかかれた看板を掲げる学生たち。 「あなたが解決の一部になる気がないなら、あなただって公害(問題)の一部と同じ」)

 

 

 

若い人、子どもたちの叫びにもっと真剣に耳を傾けた方が良い。 これは彼らの未来にかかわる問題なのだから。

 

美しい北欧の国スウェーデンから16歳の少女の発した強いメッセージが、世界中の若者を動かした。

 

北欧の森と湖、美しい自然も、日本の美しい自然も、健康な地球があってこそ。 水も空気も森林も精霊も、美しい地球があってこそ、なのだから。

 

 

フィンランド、ヘルシンキにて。 Hope & Legacy

 

 

Denial is not a policy....

デモには参加できなくとも、現実を認識することはできる。

政治家にアピールする方法もある。 

私たち大人は有権者という点で、子供よりも力を持っている。

 

 

健康な地球を未来の子供たちに渡していきたいではないか。