メルボルンでの凶行 | ロンドンつれづれ

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アメリカではまた銃で大勢が殺される事件があり、トランプがそのたびに「こういう事件を防ぐには、学校の先生が、教会の神父が、みんなが、銃で武装すればよい!」などと呆れた発言をしているが、オーストラリアのメルボルンでは、白昼ナイフを振り回した男が人を次々と襲い、最後に警官に撃たれて死亡するという事件があった。一人が死亡、二人が負傷した。

 

下の動画はその時の通行人らの撮影したものだが(気の弱い方は見ないでください)、その中にスーパーのショッピングカートで警官に切りかかる犯人になんどもぶつかっていこうとしている男性がいる。

 

彼は近くに寝泊まりしているホームレスだそうで、この動画がネットで出回った後に「トロリーマン」と呼ばれて有名になり、GoFundmeで彼に対する寄付が800万円近くも集まったそうである。

 

 

犯人はソマリア出身の男で、イスラム国(IS)の思想に感化されて犯行に及んだそうだが、いったい何の関係もない通行人を無差別に襲うことを奨励するような思想が、宗教といえるのだろうか。

 

自分の攻撃性を抑えられず、他者を排斥したり、傷つけたりする行為を「思想」や「宗教」を大義名分にして正当化できるのだろうか。 それを奨励している集団がいるとすれば、それは犯罪者の集団である。 国境を越えた警察力で制圧し、インターネットなどを駆使して思想を拡散することをなんとしても阻止しないと、体中に散らばった癌のように、世界を蝕んでいくだろう。

 

今、アメリカをはじめとして、ヘイトを奨励するような政治家が出始めていることは大いなる懸念の材料である。ヘイトの感情を政治的に利用することの危険さを軽く見ているととんでもないことになる。それこそ、体内に飼う癌細胞をどんどん増やしていくことになる。 

 

しかしまた、力のない一般市民の中にも、免疫細胞のように、邪悪なものを攻撃して体を守ろうと機能する人々がいることも信じたいのである。 そんな人々をあっぱれと思うからこそ、800万円もの寄付が集まったのであろう。