私はもう、本当にジュニアグランプリシリーズの解説をしているテッド・バートンさんに感謝したいです。
チャレンジャーシリーズのライストの質の悪さを見ていると、本当にテッドのチームのジュニアグランプリのライストの質の高さは、感心、感激、感謝に堪えません。
まず、スケーターに愛情のある的確なコメントが必ずどのスケーターに対してもついています。
そして、一部のスケーターだけでなく、参加しているすべてのスケーターを分け隔てなく放送してくれます。
音響も、カメラワークも、素晴らしい。無駄なアップやジャンプの最中のカメラの切り替えなど、わけのわからない撮り方をせず、フィギュアスケートをしっかり理解しているチームの仕事です。どうやらテッドは機材もまとめて自分のチームで試合から試合へ移動しているようで、彼の機材には、Tedと名前入りです。
ほら、見えますか?右の方のモニターを固定しているポールにTedって書いてあるのが? 機材を持ちまわして、仕事をしてくれているんですね。 テッドは、今の採点システムを構築したエライ人なんですよ・・・。所属はスケート・カナダです。
オーバーズドルフのアダルトの試合など、テッドみずからがカメラの前でフィルムを回していてくれました。おかげで、私のようなへたくその演技でも、ちゃんと良いアングルで撮っていただきました。ありがとう、テッド! 休み時間にちょっと話したら「ああ、君はあのパイレーツね!」とちゃんと覚えていてくれました。 昨年、タリンのJGPでもお話をしましたよ。
今回のポーランドはグダニスクの試合も、テッドの解説、テッドのチームのカメラワークです。こんな質の高いライストをジュニアグランプリシリーズで必ずみられるようになったのも、テッドやイギリスはシェフィールドでコーチをしていたピーター・モリッセイ氏などのおかげです。ピーターにはシェフィールドで私は教わっていたが、もとISUの偉いさんで、退いた後もジュニアの試合ですべての選手をライストで放映するようになんどもISUにかけあったそうです。もう年なのでコーチも引退したけれど、正義感の強い信念のしっかりしたコーチで、私は大好き。かのオリンピック金メダリスト、ジョン・カリイ氏のスケート仲間で、同じコーチについていたそうです。
こういう人たちがいたおかげで、ジュニアグランプリシリーズは(テレビ放映権などというチャチャも入らず)すべての選手を網羅して、動画サイトで実に質の良いコメント付きの素晴らしい編集で、選手たちもファンも、何度でもただで見ることができるんです。 これは、参加している選手や家族、コーチにとっても素晴らしい福音でしょう。 全日本選手権もこれに見習って、すべての参加選手の演技をいつでも動画サイトで見ることができるように、ぜひしてもらいたいものです。高画質で。すべての選手の演技を。
ダリア・ぺネンコワ選手、こちらもエテリ・トートブリッツ先生のお弟子。
リプニツカヤ選手もですが、メドベデワ選手、ザキトワ選手、そしてこういったジュニアの選手たちもそろって、つなぎ、トランジションの部分に難しい動きを詰め込んであるのとバレティックなポジションや動きで、ちょっと皆似て見えるところもあります。動きがせわしないな、と感じるところも。
しかし、滑ってみれば、その難しさは一目瞭然、誰にもできることをやっているわけではないので、スコアが高騰するのも無理はないかな、・・・と。
そして、日本の笠掛梨乃選手、スピード感あふれる演技で頑張りました。SP終わって3位と健闘。 フリーが楽しみです!
男子は、これもやはりロシアのエテリ女子の生徒、アレクセイ・エロコフ選手。彼女は今やロシアのメダリストをベルトコンベヤ式に生み出してますね・・・。 しかし彼女の生徒で、昨年はJGPにでていたヌグマノワ選手などは、今年はリストにも入っていません。そして昨シーズンまで生徒だったピトキエフ選手など、負傷が続いてもう引退してしまいました。シニアに上がって1年で・・・。 ロシアでは競争があまりにも激しすぎ、若い選手が使い捨てになっていなければいいんですが・・・。