フィンランディア杯、有料ライブ | ロンドンつれづれ

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2017年のフィンランディア杯は、ライブで見ることができますが、金曜日のプログラムは無料、土曜日と日曜日は、有料になっているようです。 8.99ユーロですから、日本円で1000円ぐらいでしょうか。

 

フジテレビがやったように、ジオブロックをかけてしまって競技のテレビ放映国以外の地域からまったく競技を見ることを許さない横暴よりはましですが、ライブストリームが有料というのは初めての試みのように思います。

 

こちらのサイトで見ることができます。 メルアドなどを入れて登録すると、金曜日のプログラムはフリーで見ることができるようです。

 

https://www.oz.com/finlandiatrophy/home

 

 

フィギュアスケートの国際競技会のチケットが高額になってきたり(日本ではすでにべらぼうですが)、ライストが有料になったり、だんだんこうやってフィギュアがスケートファン・アンフレンドリーになってきたことがちょっぴり寂しいです。 経済的にゆとりのない人たちはフィギュアの試合が見られない、ということにならないように願いたいです。

 

まあ、きちんとした高画質の競技のライストが必ずみられるようであれば、例えばISUにメンバーシップの会費を支払ってもいいからどの選手ももれなく写したものをライストで流してほしいですね。トップ選手だけでなく。

 

そして、過去の競技会の記録も動画サイトから消さずに必ず残しておいてほしいです。高画質で。 そうすれば、現役のスケート選手やコーチには無料で、そしてコアなファンや元選手には会費制で、必ず質の良い動画に何年たってもアクセスできるようになります。 もちろん会費は、年間せいぜい3000円程度にお願いしたいものですが・・・。それでも、膨大な数のファンがメンバーになると思います。私程度のブログだって、毎日1-3万件ほどのアクセスがあるんですから、フィギュアファンの多さがわかるというものです。 


一つ注文をつければ、シロウトのファンのとる動画やそのソーシャルメディアへのアップロードに関しては、うるさいことを言わないでほしいですね。 SNSを介して、ファンでない人たちにもフィギュアスケートの面白さをわかってもらう大きなツールになりますし、スポーツとしてのすそ野を広げるためには、そのマーケティング効果の大きさを過小評価するべきではないと思うのです。

 

今やレストランやショップどころか、ロックコンサートだって美術展だって、コピーライトなどと言わず、シロウトのお客の撮る写真や動画がSNSに上がることを上手に利用してマーケティングにつなげています。 放映権やコピーライトなどにこだわっていては、スポーツとして、エンタテイメントとしてのフィギュアスケートの効果的な宣伝には逆風だということをテレビ局もISUも理解したほうがいいと思います。そうしないと、スター選手が去った後、スケート人気は火が消えたようになりますよ・・・。

 

それに、シロウトの撮るものなんか、動画だって写真だって、プロの撮るものに太刀打ちはできないはずで、テレビ局が放映権を振りかざしてすべての動画をファンに禁止する意味がわかりません。

 

ISUはどれだけのファンが動画サイトで過去のフィギュア動画巡りをして楽しんでいるか、そしてそれがまたフィギュア人気をどんどん大きくしているかを理解したほうが良い。 テレビ局もどんな形にせよ広くソーシャルメディアにでまわることこそがフィギュアスケートの何よりのPRということを時代と共に理解することが必要でしょう。欧米のテレビ局は、ファンが動画サイトにアップロードした自局放送のフィギュアの動画にいちいち目くじらをたてないですよ。ユーロスポーツのサイモンなんて、自分の解説を日本人が喜んでいると聞いて、嬉しそうにインタビューで答えてました。 もちろん、日本でユーロスポーツを日本語で放映していないことは知っているでしょう。 そうやって広まるフィギュアスケート人気が相乗効果と理解してるんでしょうね。 

 

日本のテレビ局が放映権、放映権というなら競技会本番だけは動画禁止にして、練習風景は(テレビは放映しないんですから)うるさいことを言わない方がいい。練習風景がSNSに出回れば、世界中で試合前の大きな宣伝になるじゃないですか。ただし携帯電話やアイパッドを腕を伸ばして高いところに掲げての動画撮影は確かに周りの人の迷惑にはなると思います。しかし、これも試合本番の撮影を禁止にすれば、だいぶ解決することではないかと思います。練習の見学はけっこう席の移動も可能ですし、びっしりお客さんが座っているわけではありません。動画撮影したい人は、人の迷惑にならない場所に移動すればいいんですから。

 

日本では写真撮影も禁止だそうですが、その理由は変質者が女子スケーターの下半身ばかり撮るから、と聞いたことがあります。 しかし、それならテレビ放映もライストもできないことになりますね。今は高画質のテレビからいくらでもキャプチャーして写真にすることができますから、自宅で女子選手のスパイラルやスピンなどの画面から下半身を好きなように写真にキャプチャーすることを止めることはできません。全員にミニスカートをやめて黒いズボンで滑ってもらうしかないですね。  ・・・そしてそんな変質者が会場に座っているお客の中にいったい何人いるんでしょうか。日本なんて客のほとんどが中高年の女性だというのに。

 

フラッシュをたいての写真撮影禁止の意味は分かりますが、日本でやっているようなすべての写真撮影禁止が、ヨーロッパやアメリカまで輸出されないことを欧米のファンは願っています。そしてそのためには、ファンが写真撮影のマナーを守ることが一番大切だと思います。 日本の会場では撮影がすべて禁止なので海外に出てきてもマナーが身についていないファンもいると思います。フラッシュはたかない。大きな望遠レンズをつかわない。シャッター音を消すこと。通路に立ったり前にのりだしたりしない、などなど。腕を高く掲げての携帯やアイパッドでの撮影も周りの人にとっては邪魔です。もちろん、日本人のファンだけではないですが、私は日本人なので身内として特に日本人のファンの方にはお願いしたいです・・・。

 

バルセロナのグランプリファイナルではプログラムが無料で置かれていましたが、初日の早い時間にほぼなくなってしまいました。 タダだと分かると一人10冊も持ち帰る人たちが続出したからです。 どの国の人とはいいませんが、午後の試合本番のころには、当日用に用意したプログラムがもうほとんどなくて、現地のお客様たちは翌日まで待つしかなかったのです。 なので翌日からは一人何冊、という決まりを作って配ったようです。

 

なにもかも規則で禁止してしまうよりも、マナーを知った大人のふるまいのできる社会の方が素敵です。文化として上等だと思います。 規則をやたらに作る必要のないマナーの浸透した社会こそが、住みやすい、高度に発達した社会だと思うのです。しかしそれには、時間と忍耐が必要なのかもしれません・・・。