車中の子供 | ロンドンつれづれ

ロンドンつれづれ

気が向いた時に、面白いことがあったらつづっていく、なまけものブログです。
イギリス、スケートに興味のある方、お立ち寄りください。(記事中の写真の無断転載はご遠慮ください)

 

また暑い季節がやってきました。

 

そして、例年起こるのが、炎天下の車中の子供の置き去りです。 毎年これで子供たちが死んでいるのに、相変わらず車中に子供を置き去りにする親が後を絶ちません。

 

 

イギリスでは子供が死ななくても、車中に子供だけで置き去りにされている場合、すぐに警察に通報され、ドアが開かない場合は窓を壊して子供を保護します。 親は子供に対するネグレクトということで逮捕されます。 かなり前ですが、アメリカでもスーパーの駐車場に寝ている子供を残して買い物をしていた日本人のお母さんが、逮捕されたことがありましたね。(ちなみにイギリスでは車内に犬などが置き去りにされていても、窓ガラスをたたき割られますよ・・・。犬を連れてスーパーに行く人は要注意です。)

 

日本では、まだスーパーの駐車場に子供だけ残す親がいるようですが、危ないので絶対にやめましょう。 では、出られるようにドアをロックしなければ、あるいは窓を開けておけばいいだろう、と思っている人がいたら、それもNOです。 子供を誘拐される可能性がありますし、うろうろ外に出た子供がほかの車にひかれる可能性は大きいのです。

 

イギリスでは12歳を超えた場合OKですが、基本欧米では12歳までは子供はひとりにしない、というのが鉄則です。 何か事故があった場合親のネグレクトということで裁判が行われます。

 

本日のワシントンポストによると、 2歳と1歳の子供を「罰をあたえるため」に自宅の駐車場の車中に置き去りにした若い母親が、殺人で逮捕されました。 最初は「子供が車内にいることを知らず、洗濯物をたたんでいた」と話していた母親。 よく聞いてみると、いうことを聞かない子供たちに「だったらそこにいなさい!」と車に閉じ込めて、部屋に戻り昼寝をしていたら、3時間たってしまった、ということです。 警察が駆け付けた時には子供たちは熱中症で死亡していました。

 

アメリカの調査によれば、毎年平均で700名の子供が炎天下の車内に残されて死亡しているということです。「どの事故も、防げたはずです。 そのうちの28%は、親が知らないうちに子供たちが車に乗ってしまっての事故。大人の知らないうちに子供が車内に入ってしまうことは、誰にでも起こりうることです」と専門家は話しています。自宅でもしばらく子供の姿を見かけないなと思ったら、車のチェックを忘れないようにしてください。(バスタブに落ちている場合もありますので浴室も見てくださいね!) 

 

 

うっかり車内に残された子供の死亡で、後部座席で寝ている子供を保育園に連れて行くのを忘れて、親がそのまま会社に行ってしまい、仕事が終わるまで忘れていたということも複数あります。これを防ぐにはチャイルドシートのそばにお財布や携帯電話など、大切なものを置いておくことです。女性だったら、ハンドバッグを後部座席においておけば、忘れることはないでしょう。

 

17%は、故意に車内に残されたことによる事故といいますが、ここには親が買い物をしていた、パチンコをしていた、なども含まれます。 「赤ちゃんは寝ているし、5分で買い物からもどるから大丈夫だろう」あるいは、「子供を連れては入れないし、1時間ぐらいパチンコしても大丈夫だろう」と幼児を車に残していくことは大変危険です。 クーラーを切って炎天下に駐車した車内はあっという間に50度をこす温度になります。また、クーラーをつけておいても車内に残された子供はダッシュボードの何をいじるかわかりません。大変に危険です。

 

子供が熱中症で死亡するのは、大人の4倍の速さだそうです。 暑い車内に閉じ込められた子供は、数分で死亡するそうです。 子供が車内に閉じ込められているのを発見したときは、親が帰ってくるのを待たずに消防や警察に連絡し、場合によっては窓ガラスを割って子供を救出してください、とワシントンポストではアドバイスをしています。 この場合法で罰せられることはありません、と。

 

The Washington Post)