東映まんが映画 | ロンドンつれづれ

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少し前に、「美しいアニメトップ10」という記事を書いたが、日本のアニメ創世記ともいえる1950年代に、東映映画が、たいへんに美しいアニメをいくつもつくっていたのである。


まず、私の記憶にのこる美しい東映まんが映画といえば、「白蛇伝」である。

その動きの滑らかさ、登場人物の魅力、そして表情の豊かさは、最近のアニメを凌駕するかもしれない。

こちらは1958年製作。当時、母親に連れられて映画館で見た記憶があるが、あまりにも昔過ぎて画質の良いトレーラーがないのが残念。

(動画は埋め込みできませんので、動画サイトでご覧ください。)


「白蛇伝」






実は私の叔父が東映につとめており、この短い「予告編」の中に、プロダクションの製作スタッフとして映っているのである。


最後の方には偉くなってしまった彼だが、武蔵野美術大学を卒業後、東映ではまんが映画だけではなく他の映画製作にもかかわり、たまに自宅に有名な俳優さんなどが訪れていたのを覚えているが、この「予告編」のなかでは若い彼が、絵筆をにぎって書いているのがおかしい。もうその叔父も亡くなってしまったが・・・。



そして、次に印象にのこっているのが、「シンバッドの冒険」である。 こちらは、シンバッドがかっこよすぎて、幼い私はあこがれたものである。 サミール姫が美しく気高く、彼らの表情も大変に複雑な感情をあらわしていて秀逸である。 幽霊船のくだりが本当に怖かったのを覚えている。


「シンバッドの冒険」







こちら、「安寿と厨子王」は、DVDを買って所有している。 おなじみ、森鴎外の「山椒大夫」のお話だが、姉の安寿が弟厨子王を思う気持ち、湖に沈むくだりでは泣いたものだ…。人買いとは、なんとひどいやつらだろう、と。



「安寿と厨子王」








その他にも、西遊記とか、わんわん忠臣蔵とかいうタイトルを思い出すが、東映だったかどうかはよく記憶していない。


とにかく、当時の東映アニメは、まだ虫プロなども活躍しだす前のことだから、手塚治虫さんにしても、宮崎駿さんにしても、きっと影響を受けたに違いないのだ。

そして、戦後の経済成長期の中で、日本固有の文化としてのアニメ文化もこれを皮切りにどんどん花咲いていったのではないかと思うのである。


日本が世界に誇れる、今見ても、まったく色あせることのない、たいへんに優秀な作品群なのである。