ジャンプの練習 | ロンドンつれづれ

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気が向いた時に、面白いことがあったらつづっていく、なまけものブログです。
イギリス、スケートに興味のある方、お立ち寄りください。(記事中の写真の無断転載はご遠慮ください)


前回、スピンの練習をお見せした。

な、なんと、あれから1ヶ月。

スピンは少しずつ向上しているのである!!!


といっても、回転数はあんまり増えていない。

が。

が、安定度が増してきているのである。


そして、前は「うまくいけば8回まわれるが、うまくいかないときは、1回転して激しく転倒」状態だったのが、「だいたい、4,5回はコンスタントに回転できるし、転倒はほとんどしなく」なってきたのだ。

そして、前は回転とともにどんどん横に移動して、スピンだか、ツイズルだか分からない状況だったが、今はだいぶ1点の上で回転ができるようになってきたのだ。

これを「向上」と呼ばずしてなんとしようか。


だから、スピンはちょっとおいて置いて、このところの股関節の痛みで跳べなくなっていたジャンプの練習を先週はちょっと重点的にやったのである。

まず、基礎中の基礎、スリージャンプである。これは、ハーフアクセルと言っても良いでしょう。ワルツジャンプ、と呼ぶ人もいますが、ようするにスリーターンをちょっと跳び上がってやる、という気持ちです。

私の息子などは「なんでい、またいでるだけじゃんかよ。これでジャンプって言わないでしょうよ。」などと憎まれ口をきくが、これはジャンプである。


そして、スリージャンプは実は色々なジャンプの基礎なのである。だから、これをきちんとおさえておくことはとっても大事なのである。

スリージャンプは、もちろんアクセルの基礎で、これの回転を増やすと、シングルアクセル、ダブルアクセル、そしてトリプルアクセル(!!!)となるのである。そして、ゆくゆくは、真央ちゃんや、結弦くんのような、すばらしい超神わざジャンプへと発展するのである。


私の今の野望は、できれば今年中にこのスリージャンプをシングルアクセルに進化させたい、ということである。

シングルアクセルになったら、きっと、とってもジャンプらしく見えることであろう!!!


でも、スリージャンプからシングルアクセルまでの道のりは、きっととっても遠いのだ・・・。だって、あちら側に足をつくだけでもやっとなのに、その前に空中で一回転しなくちゃ、でしょう。これは、一朝一夕には無理だろう・・・。


でも、先週の練習では、習いかけで投げ出していた、シングルサルコウと、シングルトウループの練習もしてみた。

そうしたら、なんとコーチの先生がほめてくれたのである!!!

私のコーチは、動画の中ではちっちゃい子を抱っこして、教えている女性であるが、なかなか厳しい。

そして、最近では、ますます厳しい。

なぜならば、わたしが「NISAのレベルテストを受けたい」などと血迷ったことを口走ったためである。


これは、リンクメイトのイタリア人、マリアにそそのかされて、ついその気になってしまったせいである。そして、わたしはライバルからの挑戦は、受けて立つオンナなのである。

だから、来年早々、NISAの会員に登録し、そしてレベル1のテストをまず受けようと思っているのである。


そのためには、上にあげたジャンプを3種類、そしてアップライト・スピンを少なくとも3回転以上、そしてフォアとバックのクロスオーバー、バックアウトサイドのホールド、スリーターン、そしてスパイラルを片足ずつでリンク半分の距離、これらができないと合格しないのである。


そこで、先週はコーチにアウトサイド、インサイドエッジのストローク、クロスオーバーのバックとフォア、そしてジャンプやスピン、スパイラルを見てもらったのである。ストロークやクロスオーバーは問題なし。

ジャンプは「あら、良いじゃないの!できてるわよ!」と珍しくほめるから、Am I good enough to pass the test?と聞いてみると、Well, yes, you can, but I am not happy with that. ときた。テストは合格するけれど、もっときちんとやってみろ、というのだ。

彼女はアイスダンサーなので、トウピックでちょっとでも音を出すとうるさい。「ほら、自分でも聞こえたでしょ!!トウで蹴っちゃ駄目なのよ!滑る方のブレードに直角に、こっちのエッジで押すの!!そうすればスーッとすすむでしょう!」たしかに、アウトエッジでスケーティングレッグにのり、フリーレッグのブレードを直角にして斜めに押すだけで、かなりのスピードで進む。それをジグザグに繰り返して前進することが基本である。しかし、つい足をまっすぐにだして、トウでけってしまうのである。

でも、良く見ると、シングルスケーターはそういう漕ぎ方をしている人が上手な人でも結構いる。でも、アイスダンサーはそういう漕ぎ方をしない。フラットエッジで滑ると言うことはまずない。エッジに深く乗って、前進するのだ。というか、エッジに深く乗りさえすれば、スケートと言うのは漕がなくとも進むのである。そして、そのときに、ゴーっという音がするようになれば、しめたものである。

フィギュアスケートは 弧をつないで進むものである、と言われるゆえんである。アウトエッジ、インエッジ、エッジに乗ればまっすぐに進むものではない。カーブを継ぎ足して、氷の上にトレースのフィギュア(形)を描いていくので、フィギュアスケートなのだ。


と、理屈ばかりは立派だが、じゃあお前はできるのかといわれると、できない。

できないから、習っているんでしょうが~~~!!


とはいえ、1週間にたった30分のレッスンでは、上達は遅々としてすすまないのであるが・・・。でも、なんにもやらないよりはましである。

そして、この30分が楽しいのだ!できないことがだんだんできるようになるのは、何歳になってもエキサイティングな経験なのである。先生とのやりとりも、楽しい。


そして30分のレッスンの後、1時間自主錬をするのだが、その時の動画が以下である。

ここにちらっとでてくる70歳ぐらいのおばあちゃんも、ちょくちょくリンクで一緒になる。そして、私に教えたがるのだ・・・。この時も、「あんた、フォワードクロスロールはもっと膝を曲げなくちゃだめよ。ニーベンド、ニーベンド」だって。(といっても、彼女は私よりうまいわけではない)彼女もとっても楽しそうにスケートをしている。10年ぐらい前に始めたそうだから、私の大先輩である。

そして、もう一人ちらっと写る50歳ぐらいの女性は、いつもすごくとっぴなコスチュームを着てきて、お化粧もすごい。けっこう、へたっぴなのに、自分にうっとりしながら滑っているのだ・・・。イギリスって、面白いでしょう。こういう大人スケーターがいっぱいいるから、楽しいのである・・・。


そして、私の練習は、スパイラルから始まって、バッククロスのホールド、スリージャンプ、トウループ、サルコウ、そしてストロークにスピンやジャンプをとりまぜて滑ったもの、と続く・・。分かってますよ、ジャンプといえない代物だと言うことは。でも今に見ていろ~、そのうち、あっと驚くほど、ジャンプも上手になるから。スピンだって、ずいぶんとましになってきたんだから。



前回もですが、上手なスケーターの素晴らしい演技だけ興味のある人は、この動画はスキップしてください。

私と同じぐらいのレベルで頑張っている、大人スケーターの人だけが、我慢してみることのできる動画ですから・・・。

そして、このぐらいのヘタクソのスケートの方が、モチベーションになる、といってくれる読者の方のおかげで、私も頑張ってますよ。

皆さん、一緒に頑張りましょうね!

継続は力なり!(怪我だけには気をつけましょう。私もプロテクターしてますよ!)






実は、この記事は2週間ほど前に書いたのだが、そのあと中国杯があって、羽生選手に衝突、転倒の事故があった。


フィギュアスケートを習っていれば、わたしのようなヘタクソでも事故や怪我とは常に隣り合わせである。(いや、ヘタクソだからこそ・・・)


現に、私も1年ほど前に転倒して後頭部を強打し、10秒ほど意識がなかったらしいのだ。頭が氷を打ったときすごい音がしたらしくて、リンク中のコーチがみんな駆けつけてきた。気がついたら周りを囲まれていて、「大丈夫か!」と。すぐにリンクの外に出てサージカル手袋にいれた氷を持ってきてくれて、「吐き気は?これが見えるか?名前をいってごらん!」と。

30分ほどヒーティングルームで休んだら大丈夫そうだったので、またリンクにでて滑り始めたらさすがにあきれられたけれど、本当は頭部を打ったときは、もっと大事にしたほうが良いそうである。巨大なコブタンができて、「コブができれば大丈夫」という民間療法的な怪しい説を信じたのであるが、その後大丈夫のようである。(人の名前をますます覚えられないという症状はでている)


リンクメイトの50歳ぐらいの男性は、転倒した際まともに顔面で着氷して昏倒、氷の上に直径50センチぐらいの血だまりができるほどの怪我をした。救急車で運ばれたが、転倒してから病院につくまでのことは何にも覚えてないそうだ。懲りずに、いまだに練習に来てますが。


私も転倒するたびに肩の亜脱臼だの、肘や膝の打撲だの、股関節を痛めたりだのは、日常茶飯事である。だから、そういうのが嫌な人にはスケートはお勧めしない。


トップスケーターにくらべたら、「ちんたら、スローモーションみたい」と思われるかもしれないが、これだって転んだらかなりのインパクトがあるのだ。やっぱり、氷は滑りやすいし、固くて危ないのである・・・。優雅に見えるが、フィギュアスケートは決して生易しいスポーツではないのだ・・・。


ちなみに、映像はロンドンのホームリンクですが、今日、明日、明後日は、シェフィールドの国際サイズのリンクで練習です。ロンドンに比べて、空いている~!


今日は、個人レッスン1時間、自主練2時間、3時間たっぷり広いところで滑れて、楽しかったですぞ!各種ストロークの姿勢の悪さをしっかり指摘してもらい、ジャンプは「8月から随分良くなってるよ!」と褒めていただきました。これからだぞ~~。