アニメレビュー【からくりサーカス】 | ぽっぽの何となく日記

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中途半端なオタクである私、ぽっぽが何気ない日常や遊戯王カードゲームやジャンプ感想や特撮もの等、オタクっぽいこと語りまくるブログです。お付き合い頂ければ私は幸せ。

今回はめっちゃ語るつもりなので、前置きは無しでいきます()
今回レビューするのはこちら!!





からくりサーカス!!






少し前に巷で流行った『BSS(ぼくが さきに すきだったのに)』を先取って、テーマとした作品です(違)
まぁラスボスはBSS拗らせて闇落ちしてるから、合ってるっちゃ合ってるんですがね。

藤田和日郎先生がサンデーで連載していた少年漫画のアニメ化ですね。
あらすじは・・・長過ぎる&複雑すぎるので『原作読んでくれ』と声を大にして言いたい()
名言、名シーンの連続で、読んで損はない名作なんです。 画風が濃いから合う合わないはあるけどね。

冒頭だけ纏めると、
莫大な遺産を引き継いだことで命を狙われることになった少年、勝。
そんな勝は、人を笑わせないと呼吸困難になり最悪死に至る『ゾナハ病』に感染している青年・加藤鳴海と、『あるるかん』という人形を巧みに操る銀髪美女・しろがねと出会う。
何故自分に遺産が遺されたのか、ゾナハ病とは、しろがねとは、それら多くの謎が少しずつ明らかになり、なおかつしっかり『少年漫画』している、という名作です。


そんな名作のアニメ化なんですが、公開前から1つの懸念点がファンの間ではありまして。それが、


全36話!!(原作は43巻)




マジで、これを連想しましたよw
原作の巻数よりアニメの話数が少ないって、そんなことある?

ちなみに藤田先生の前作である『うしおととら』も3クールでアニメ化されてて、こちらも非難されがちなんですが、個人的にはうしとらは擁護派です。 あと1クールあったら完璧だったと思う。 電車話も込みで凶羅3話、シュムナ1話、さとり1話、サンピタラカムイ2話、あとは東西戦争に費やせば良いやろ。 

んで、うしとらよりも10巻長いからくりサーカスを、まさかのうしとらアニメと同じ話数でやると。





どんな判断だよ?ってなりますよ、そりゃ。
最近、丁寧なアニメ化で評価されている作品だと『ダイの大冒険』ですが、あれは全37巻ですが、現時点で既に65話。
既にからくりサーカスの倍近くの話数アニメやってるけど、まだシナリオ的には2/3程度というね。
ダイ大がどれだけ丁寧にやってるかって話ですね。


んで、実際にからくりサーカス36話観終わっての感想としては、











あと3クールください!!!

でしたねw
やっぱり省略しまくりで違和感覚えるシーンが多々ありました。
最初の4話で原作の1~3巻の内容をやり『36話しかないんだろ? こんな丁寧にやって大丈夫なのか?』と思っていたら、案の定というか、そこからは怒涛の展開でしたね。
サハラ砂漠編まではジェットコースターに乗っているような印象を受けました、マジで。
比較するのもあれですが、今週のダイ大は『ヒュンケルとクロコダインの救出』で1話使いましたが、からくりサーカスならそれに加えて『ポップ失敗→ポップ覚醒→バーンパレス突入』までを1話に納めるんじゃねぇかな。どちらが良いかは言わずもがな。





からくりサーカスは、
鳴海を主人公として機械人形との戦いを中心としたからくり編。
勝を主人公として物語の根本が分かっていくサーカス編。
そして、最期にそれらが収束するからくりサーカス編、になるといった物語の構成になっています。
原作ではからくり編とサーカス編を交互にやってた感じですね。
んで、このアニメは『からくり編とサーカス編はダイジェスト気味に片付けて、からくりサーカス編に力をいれよう!!』ってスタンスで作られたんだと思います。 それは分かる。

ただ、原作勢としては『そこを削っちゃダメだろ!?』って感じるシーンが多々あったんですよ。
そこがどうにも気になって物語に入っていけない。
今回はそういうポイントを語っていこうと思います。



①勝の修行シーン

からくりサーカスはW主人公ですが、そのうちの一人が勝少年。
物語が始まった当初は泣き虫で逃げることしか出来なかった勝ですが、自身もその歯車の1つとなっている残酷な物語の真相を知り、その過酷な運命と向き合い、大切な人を守る為の修行をして、遂にはもう一人の主人公・鳴海と背中合わせで戦えるように成長するのです。



出会ったときは、鳴海に守られていた勝が、背中を任せられる程に成長したことが分かる、クライマックスの中でも屈指の名シーンです。

ただ、問題としてはアニメだと尺の関係で『大切な人を守る為の修行』のパートが丸々カットされてるんですよね()
ラスボスの記憶をダウンロードされてるので、戦闘方法は分かるけれど、それはそれとして実際に訓練はする必要はある、ってのが原作設定なんですが、アニメではそれは無し。



原作だと2年間の修行期間(定期的に敵と戦いながら)があったのが、それが丸々カット。
おかげで、勝は『弱虫で泣き虫だった僕がラスボスの知識を得たおかげで現代で無双!!』みたいになっちゃってるのが残念で仕方ない。なろう系かな?




三姉妹と平馬が出なかったのはまぁ仕方ないかなーとは思う(^_^;) どこかを省くとしたらここだし。




とはいえ、この2年間は勝がギィに弟子入りしてた期間でもあるので、それが無かったせいで、勝とギィの別れのシーンも少し軽くなるんだから、ダイジェストにしても修行シーンは入れるべきだったと思うの。




②仲町サーカス


サーカス編で、勝としろがねが加入した『仲町サーカス』。
普通のサーカス団員である彼らが、サーカス団員たからこそ、最後の『からくりサーカス編』で人類の存亡に関わる重大ミッションをこなすことになる、というのも面白いポイントなのです。






ただし、尺の関係でメンバーが半分になっている/(^o^)\

ストーリーの展開上、ギィや鳴海も一時期サーカスメンバーだったりしましたが、その辺はオールカット。 だから、最期のからくりサーカス編での鳴海とメンバーの会話辺りにも違和感が目立つとか。





とくに、この『どなりんジジィ』こと、法安さんが居なかったのはキツいな。
この人、戦闘面では一切役に立たないけど、作中一の『一般人代表』みたいな扱いだったんで、色んなキャラと交流してたんですよ。








ジョージの最期を看取ったのも、パンタローネの最後の会話の相手も、法安爺さんでした。
特にパンタローネの最後は名シーンなのですが、ここは台詞自体が良いんじゃなくて(言葉選びのセンスは良いと思うけど)、『人間である法安と自動人形であるパンタローネの会話だからこそ』だったりするんですよ。
アニメだと法安さんが居ないもんだから、これは同じ自動人形であるアルレッキーノに話すシーンになってしまったのがかなり残念。




仲町サーカスの中では唯一、猛獣使いのリーゼだけはアニメでもそこそこ出番ありましたが、尺の都合で加入回を省略されてました。
原作だと、仲町サーカスに加入したのは勝としろがねが先なんですが、アニメだとリーゼは既に加入済みでした。
それの何が問題かっていうと、勝とリーゼの関係性ですね。




加入時の勝とのエピソードが省略されてるせいで、『何故リーゼが命懸けで勝に付いていくのか』がまるで分からんことに。 リーゼ加入のエピソード読んだら、勝に惚れるのも当然なレベルなんですが、アニメではそれが無いのが本当に惜しい。
何もしないのにモテるとかなろう系かな?




③サハラ砂漠編省略し過ぎ


読者の中には、終盤戦よりもこちらを評価する人が居るレベルのサハラ砂漠編。 まぁONE PIECEで言えば頂上決戦レベルの節目なので当然っちゃ当然・・・なんですが、ここで出てくる『しろがね』メンバーも半分くらい&スピーディに死んでいくから感動しづらい(´Д`)



このメンバー全員がかなり重要なはずなんですが、尺の関係でダールとドミートリィはクビになってました(゚ω゚)




特に、俺が一番好きだったダールがクビになったのは悲しい(;∀; )
とはいえ、上のメンバーで誰か2人削るならダールとドミートリィだろうなぁというのも分かるから辛い(^_^;)






クビにならなかったファティマですら、このキャラの一番の台詞を無かったことにされちゃったんですよね。
この台詞は何がなんでも言わせなきゃいけなかったんですよ。






それからかなり後のコロンビーヌの最期にリンクする台詞だからね。
敵やってる時から『男の人に抱きしめてもらうのが夢』だった人形が、無償の愛に目覚め、最期抱き締められながら果てる。
その流れは描写されてたものの、やはりファティマとの最期の台詞あってこそだと思うのです。



アニメだと声優さんの熱演もあり、コロンビーヌの最後は中々に良かったです。
だからこそ、『あそこでのファティマとの会話があればなぁぁぁ!!!!』って、原作勢は思うのです(厄介オタですまない)




と、まぁ細かいことつついていくと本当にキリがないので、不満点はこれくらいにします。
ここからは良いところ語っていこうと思います。



①曲

『月虹』は本当に素晴らしいな!!!
作品名入れてないのに、『これはからくりサーカスの曲だわ』って伝わるのがスゴい。
BUMP OF CHICKENの楽曲ですが、元々からくりサーカスファンらしい。道理で!!
BUMPはたまにとんでもないタイアップ曲をお出しするよね。
個人的には、
カルマ(テイルズオブジアビス)
月虹(からくりサーカス)
アカシア(ポケモンシリーズ)
の3曲が『原作理解度高すぎね?』ってなりますね。

この曲はキャラ全体の心情を思って作ったんだとか。 確かに、歌詞を見てみるとメインどころは入ってそう。
ただ『僕の正しさなんて僕だけのもの』とか『どんな歩き方だって会いに行くよ』とか、あのラスボスの顔がちらついて仕方ないw




最初からその想定だったのかはわかりませんが、1期OP兼3期EDという、めずらしい運用されてましたね。3期EDの時は2番使ってました。 まぁからくりサーカスといえば、レベルの曲なんで不満はないです。





2期OPの『ハグルマ』も個人的にかなり良かったので、曲には本当恵まれたなと思います。 カラオケでも歌いやすくレパートリー増えました( ^ω^)
要所要所で『サーカス』とか聴こえるようになってるのは上手いな、と。 




②からくりサーカス編





最終決戦辺りは基本的に良かったと思います。
元々、声優さんはハマり役多かったしね。
メンバー少ないが故の不満点は勿論付きまとうんだけどね。






中でも、俺が一番好きな『私は「ピアノをまた弾いてね」と言われたんだ。』のシーンがかなり作画良かったので嬉しい( ^ω^)
ここまで全く勝ち星無しのジョージが、子供たちを救うために、明確にスペックが上の相手に立ち向かい、大金星を得る熱いシーンです。
ただ、ここも少し不満はあって。
物語前半で、ジョージはこの施設の子供たちを尋問していたんですよね。 だからこそ、その子供たちから怖がられていた。
そんなジョージが『(あんなことをした)子供たちにピアノをひいてねって言われたんだ!』ってなるのが尊いんですよ。 ただ、これまた尺の関係で、アニメで子供たちを尋問してたのはギィになったので、そこも因果関係が無くなっちゃった。
このアニメ、そういうののオンパレードなのです。


こんな感じ。
この作品については、原作好き過ぎてハードル上がったところはありますね。
少し前ならこれで満足出来たかもしれないですが、もう『ダイの大冒険』という成功例を知っちゃったから、あのレベルにしてほしかったなぁ・・・という想いでいっぱいですね。
それにしたって、省略し過ぎでかなり欲求不満になったので、今1から読み返してるところですw
割と丁寧にやってるなと思ってた1~4話でさえ駆け足だったんだなと分かりましたw
正直、今からからくりサーカスに触れるのなら『まずはアニメから!』とは案内しづらいかな。 全43巻で勧めづらいけど、漫画読んでもらうのが良いわ。


んじゃ、最期に次回レビューのヒント。

①2021年秋アニメ
②少年ジャンプ原作、今はSQ連載中
③まだ連載中だけど、次のアニメは数年先になりそう

こんな感じ。
例の津波の影響で、最終回の放送が今晩に延期になったとか。 まぁ配信サイトで観てるんで、俺が観れるのはあと数日先になりそうだけど。
んじゃ、今回はここまで~。