【タイトル】
沈黙の断崖(原題:Fire Down Below)
【概要】
1997年のアメリカ映画
上映時間は105分
【あらすじ】
アメリカ環境局のジャックは、とある田舎町で有害廃棄物が川に流され水質汚染される事件の調査に当たるのだが、田舎町ゆえに新参者のジャックは厳しい目を向けられる。
【スタッフ】
監督はフェリック・エンリケス・アルカラ
音楽はニック・グレニー=スミス
撮影はトム・ホートン
【キャスト】
スティーヴン・セガール(ジャック・タガート)
マージ・ヘルゲンバーガー(サラ)
クリス・クリストファーソン(オーリン)
ハリー・ディーン・スタントン(コットン)
ジョン・ディール(フランク)
レヴォン・ヘルム(ボブ・グッドール)
スティーヴン・ラング(アル)
【感想】
ブルース・ウィリスが主演することを想定して執筆された脚本は彼が主演を断りスティーヴン・セガールが主演することが決まると彼用に脚本が書き直されている。
いつものセガール映画なんだが、いつも以上にやりたい放題である。とある陰謀を暴くために田舎町にやって来た環境局の男という設定であり、スティーヴン・セガールが初監督した「沈黙の要塞(1994)」に似た印象はある。悪と戦うために教会で演説する場面は、「沈黙の要塞(1994)」のラストの演説に似たものを感じる。スペインではその続編として公開されている。
本作のセガールは弱きを助け強きをくじくという典型的なヒーローである。他のセガール映画も似たようなもんだが、本作は割と如実である。環境局から来たことを悟られないように教会を利用して、無料で日曜大工を申し出る男として登場する。ところが、田舎町の男たちからすぐに目を付けられ、気付けばいつもの強さで敵をバッタバッタとなぎ倒し、あっさり身元がバレてしまう(バカだなぁ~)。
とはいってもセガール映画に求めているのは圧倒的な強さ。セガールを舐めてかかった男たちがコテンパンにやっつけられる様子はいつも通りの清々しさである。
また、スティーヴン・セガールは長年音楽活動もしており、ギターの腕前も大したものである。本作の中でも彼がギターを演奏する様子を見ることができる。別にこんな場面なくても成立するが、どうしてもやりたかったんだろうな。
終盤の強引な展開には驚かされる。裁判に持ち込もうとしても結局罰金処分で済んだことに納得できないジャックは裏切者を逮捕し、黒幕オーリンの息子を脅して証言を強要し、黒幕オーリンにはカジノに乗り込んで問い詰める。銃を取り出して男を撃ったところでジャックがその正当防衛として銃撃する。ここでわざわざ男を一人犠牲にする必要はあるのか。建前上善人をやりたかったからなのか、裁判という正規のルートは通るのだが、その必要はなかっただろうと思うほどである。
にしても、上述の「沈黙の要塞(1994)」同様に本作も脇を固めるキャスト陣は非常に豪華である。「スピーシーズ/種の起源(1995)」のマージ・ヘルゲンバーガー、セガールと同じく?歌手と俳優を両立するクリス・クリストファーソン、それと同じくザ・バンドのメンバーでもあったリヴォン・ヘルム、バイプレイヤーのハリー・ディーン・スタントン、悪役の定番スティーヴン・ラングなどなど。彼らの出演作品などを眺めているだけでも楽しめるし、音楽関係者をこれだけ引っ張って来られたのもセガールの音楽活動の賜物なのだろうか…。
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