【タイトル】
ドラゴン・キングダム(原題:The Forbidden Kingdom)
【概要】
2008年のアメリカ/中国/香港合作映画
上映時間は104分
【あらすじ】
カンフー映画マニアのジェイソンはオールド・ポップが営む質屋に通っていた。ある日、不良に絡まれたジェイソンはオールド・ポップの営む質屋強盗を手伝わされる。その際、ジェイソンはオールド・ポップから金の如意棒を持ち主に帰すよう言われ、逃げようとしてビルの屋上から転落すると、異世界にいることに気付く。
【スタッフ】
監督はロブ・ミンコフ
音楽はデヴィッド・バックリー
撮影はピーター・パウ
【キャスト】
マイケル・アンガラノ(ジェイソン)
ジャッキー・チェン(ルー・ヤン/オールド・ポップ)
ジェット・リー(サイレント・モンク/孫悟空)
コリン・チョウ(ジェイド)
【感想】
香港の大スターであるジャッキー・チェンとジェット・リーの初共演作。
結論から言うと、こんな形でジャッキー・チェンとジェット・リーの初共演作を見たくなかったな。本作はあくまでマイケル・アンガラノ演じるジェイソンが主人公であり、ジャッキー・チェン演じるルー・ヤンとジェット・リー演じるサイレント・モンクはジェイソンを導く師のような存在だ。もちろん彼らには山ほど見せ場が用意されているが、本作を見終えて彼ら二人のための映画だったという印象はない。ちなみに、マイケル・アンガラノが主人公であることを示す当初の予告編は不評で、急遽マイケル・アンガラノには触れない予告編が作られたという事実がそれを物語っているだろう。
ルー・ヤンとサイレント・モンクの助けを得て、ジェイソンは中身も武術も成長していくのだが、所詮はカンフーの素人。いくらジェイソンが師からの教えのもと棒を振り回したって全く様になっていない。こんなものを誰が求めているのか。もしジャッキー・チェンとジェット・リーの共演作なら、お互いがキャリアの中でよく演じてきた刑事ものでバディものとかが無難だったと思うぞ。
さらに、アクションシーンはファンタジー映画というのも相まってワイヤーアクションが多用されている。そもそもの話になるが、ワイヤーアクションって俳優の個性を消してしまう可能性のある演出だと思うし、アクションのできるジャッキー・チェンやジェット・リーにそれをやらせるメリットが見当たらない。ジャッキー・チェンもワイヤーアクション流行の波に乗ってワイヤーアクションをやっていた時期はあるし、ジェット・リーも香港時代からワイヤーアクション自体はやっているのは確かだ。ただ、その演出が本作の面白さやアクションの魅力に繋がっているとは感じない。
それから、ジャッキー・チェン対ジェット・リーも序盤に用意されているが申し訳程度のものしかない。当時50代半ばのジャッキー・チェンと40代半ばのジェット・リーという全盛期を過ぎた二人の戦いにしては燃えないし、印象に残らない。だったら最初から味方同士であるという設定で彼ら同士で戦うシーンなんて必要なかった。以降のアクションシーンもジャッキー・チェンやジェット・リーならではのものもそれほど見られず、全体通して印象の薄い作品である。
あと、マイケル・アンガラノを主役に据えた割には彼自身が魅力的という訳でもないし、演じたキャラクターが魅力的という訳でもない。不良に絡まれて何もできなかった青年がその不良に仕返しするだけだしなぁ。この現代パートですら必要性を感じない。
ジャッキー・チェンとジェット・リーの共演に胸が躍っていたとしたら鑑賞する前のその瞬間こそがその興奮のピークであると思う。
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語/北京語)
<Amazon Prime Video>
言語
├日本語吹き替え
【ソフト関連】
<BD>
言語
├オリジナル(英語/北京語)
├日本語吹き替え
映像特典
├メイキング・オブ・ドラゴン・キングダム
├キャスト・スタッフ インタビュー集
├NG集
├削除されたシーン集
├絵コンテとプリビズ[映画以前の“映画"]
├オリジナル予告編
├オリジナルTVスポット