【作品#0904】ホワイトハウスの陰謀(1997) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

ホワイトハウスの陰謀(原題:Murder at 1600)

 

【概要】

 

1997年のアメリカ映画

上映時間は107分

 

【あらすじ】

 

ホワイトハウス内で若い女性が殺される事件が発生した。刑事のリージスは捜査を進めようとするも、警備主任によって機密情報へのアクセスを制限され、証拠は不十分ながら清掃員の男が逮捕されてしまう。

 

【スタッフ】

 

監督はドワイト・リトル

音楽はクリストファー・ヤング

撮影はスティーヴン・バーンスタイン

 

【キャスト】

 

ウェズリー・スナイプス(ハーラン・リージス)

ダイアン・レイン(ニーナ・チャンス)

アラン・アルダ(アルヴィン・ジョーダン)

 

【感想】

 

当初ハーラン・リージスはブルース・ウィリスが演じる予定だったが、彼が降板したことでウェズリー・スナイプスが演じることになった。

 

本作製作時の大統領はビル・クリントン(1993-2001)であった。ビル・クリントンは前大統領ジョージ・H・W・ブッシュが弱かった経済政策を掲げて大統領になったこともあり、外交面は不得手として批判に晒された。本作の大統領も北朝鮮にいるアメリカ人の人質救出作戦を実行に起こさない弱腰の人間として描かれている。ちなみに、本作と同年にもまるでビル・クリントン大統領への当てつけの映画「エアフォース・ワン(1997)」が製作されているし、彼のスキャンダルを模した「目撃(1997)」「パーフェクト・カップル(1998)」なんかも製作されている。本作は大統領本人のスキャンダルではないが、大統領の息子がホワイトハウス内で女性と関係を持っていたことが描かれている。

 

ビル・クリントンは民主党だし、ハリウッドも民主党支持者が多い。それでも、ビル・クリントンの外交面の弱さを描いたり、そのスキャンダルを茶化されたりしている。映画はその時代を描くものだから当時の政権や大統領を皮肉ったり茶化したりするものだと思うが、やはりビル・クリントンはそれだけ隙の多い人物だったのだろう。何といっても本作では政権転覆まで狙われてしまうのだから。

 

ただ、上述の要素は映画内に占める要素としては決して多くはない。序盤からアメリカ人の人質の話は何度か登場するが、事件とあまり関わりがないくらいに突き放して描かれている。そして、終盤になって大統領補佐官のジョーダンが政権転覆を狙うために大統領の息子が関係を持つ女性を殺したというのだ(支持率低下のダメ押しを狙ったようだ)。ジョーダンはいろいろと工作していたようだが、女性を殺した男がホワイトハウス内に入ってくるところは監視カメラの映像にしっかり収められている。更には何か裏があると察して動く刑事のリージスとシークレットサービスのチャンスを執拗に追うがすべて逃げられてしまう。もう少し隙のない人物として描いてほしかった。

 

また、刑事のリージスとシークレットサービスのチャンスは当初対立するキャラクターとして描かれている。ただ、両者とも何か裏があると早々に気付くので彼らが協力関係を築くのは割と序盤である。ここも本作のやや物足らないポイントである。というか本作はここがちゃんとしているべきだと思うわ。仮にサスペンスとか陰謀が描写としてイマイチだったとしても。

 

それから、アクションについては特に印象には残らない90年代っぽいそれである。チャンスはシークレットサービスだから銃の腕前が見事であるという設定で良いのに、わざわざオリンピックの金メダリストという設定になっている。これは女性なのに銃の腕前が見事であることは彼女がシークレットサービスであるだけでは納得させられないと考えての脚色だろうか。細かい指摘だが、そうだとしたらちょっと気にはなるな。あと、オリンピック競技で使用する銃とシークレットサービスで使用する銃は違うと思う。

 

クライマックスはホワイトハウスの中が舞台となる。リージスらは協力してホワイトハウス内に侵入し、中に入ってからは清掃員に化けてリージスは大統領近くに接近する。この映画だからしょうがないが、ホワイトハウスの警備が甘すぎだろうに。リージス自らがホワイトハウスの脆さを証明する形となっている。

 

別に退屈するわけでも面白いわけでもない。90年代のよくあるサスペンスアクション映画の一つ。本来なら当時流行したバディもの(本作は黒人男性と白人女性)の括りに入れても良いはずだがバディ感はほとんどないな。

 

 

 

取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【配信関連】

 

<Amazon Prime Video>

 

言語

├オリジナル(英語)

 

【ソフト関連】

 

<DVD>

 

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え