【作品#0900】サンシャイン2057(2007) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

サンシャイン2057(原題:Sunshine)

 

【概要】

 

2007年のアメリカ/イギリス合作映画

上映時間は107分

 

【あらすじ】

 

太陽が力を弱め地球が氷の世界と化した2057年。核爆弾で太陽の再活性化という任務を担うイカロス2号は順調に太陽に向かっていたが…。

 

【スタッフ】

 

監督はダニー・ボイル

音楽はジョン・マーフィ/アンダーワールド

撮影はアルウィン・カックラー

 

【キャスト】

 

キリアン・マーフィ(キャパ)

ローズ・バーン(キャシー)

クリス・エヴァンス(メイス)

クリフ・カーティス(サール)

ミシェル・ヨー(コラゾン)

真田広之(カネダ)

ベネディクト・ウォン(トレイ)

マーク・ストロング(ピンバンカー)

 

【感想】

 

批評家からは概ね好評を得たが、約4,000万ドルの製作費に対して、全世界で約3,200万ドルしかかせげなかった。

 

ダニー・ボイルはオーディションでのミシェル・ヨーの演技に感銘を受け、どの役を選んでも構わないと伝え、彼女は生物学者のコラゾン役を選んだ。また、船長のカネダは当初アメリカ人を想定していたが、ウォン・カーウァイからの推薦で真田広之が演じることになった。

 

ダニー・ボイルによるSF映画。彼は「2001年宇宙の旅(1968)」「惑星ソラリス(1972)」「エイリアン(1979)」からの影響は公言しており、その3つをごっちゃまぜにしてダニー・ボイルで割りましたという作品だろう。

 

話は簡単。太陽が死にかけているので核爆弾で生き返らせよう。1号は失敗したが2号の我々は絶対に成功させよう。そんな話だ。映画で核爆弾はいくらでも登場するが、本作みたいに人類のために役立つこともあるとして登場することもある。ちなみに、キリアン・マーフィは後に核爆弾を開発したオッペンハイマーの伝記映画「オッペンハイマー(2023)」に主演している。

 

そんな本作は8人の乗組員の組み合わせがなかなか面白い。アジア人並びにアジア系だけで3人いるのだ。日本人の真田広之、マレーシア生まれのミシェル・ヨー、イギリス生まれだが香港系のベネディクト・ウォン。また、最年長はおそらくカネダを演じた真田広之で、実年齢と照らし合わせると1960年生まれの真田広之は2007年当時で47歳。基本的にみんな若い。色んな組み合わせがあるだろうから本作はその点オリジナリティはあると思う。

 

上述のようなお話であるが、当然予定通りにいくわけがない。何年も前に失敗した1号から救難信号を受け取った2号は1号の場所に移動することにする。すると、進路変更の計算をしていたハーヴィーが遮熱パネルの角度を計算に入れなかったことで危機的な状況に陥る。映画の冒頭から何かをする度に注意や警告をしてくれたイカロスはこの場では何も言わない。こんな計算こそイカロスがやるんじゃないのか。仮にハーヴィーがやるにしても遮熱パネルの角度を計算に入れていなかったら警告するとかできなかったのか。ここは展開や設定として大いに疑問を抱く個所になっている。ハーヴィーがしたミスで乗組員が死んでしまい、最終的に自殺してしまうという流れにするのならハーヴィーの人的ミスだともっと納得できる展開を用意してほしかった。

 

以降はトラブルがトラブルを呼びドミノ形式に次々と犠牲が広がっていく。また、それと共に必要な酸素量が抑えられていくのも皮肉な展開である。終盤にかけて、「エイリアン(1979)」の影響を受けただけあり、それに見合った物語が展開していく。

 

最後は「アルマゲドン(1998)」よろしく主人公キャパが手動で核爆弾を切り離し、真田広之演じたカネダと同じく太陽光に魅せられてキャパも死んでいく。この太陽に魅せられるというのは冒頭から何度も出てくるのだが、そこまでの納得感はない(劇場で見れば違ったんだろうか)。この巨大な太陽相手に人間はちっぽけだという感じなのか。だとしたらこんなちっぽけな核爆弾一つでって感じになっちゃうしな。

 

スペースシャトルを舞台とした映画で、時に影響を受けた映画の通りであり、時に見飽きたようなクリシェもある。まぁボチボチといったところ。

 

【音声解説1】

 

参加者

├ダニー・ボイル(監督)

 

監督のダニー・ボイルによる単独の音声解説。映画製作の経緯、過去作からの影響、俳優たちの演技、各スタッフとの連携、SF映画製作の苦労などについて話してくれる。

 

【音声解説2】

 

参加者

├ブライアン・コックス(科学監修)

 

本作の科学監修をしたブライアン・コックスによる単独の音声解説。科学監修として製作者やキャストから山のような質問をされた話、自分の癖をキリアン・マーフィが取り入れた話、自分の考える学説、中盤で登場人物らが宇宙空間に出る場面は実はリアリティがあるという話など、他の音声解説では聞けない話を聞くことができる。

 

 

 

取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【配信関連】

 

<Amazon Prime Video>

 

言語

├オリジナル(英語)

 

【ソフト関連】

 

<BD>

 

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え

音声特典

├ダニー・ボイル(監督)による音声解説

├ブライアン・コックス博士(科学監修)による音声解説

映像特典

├もうひとつのエンディング&未公開シーン集(監督による音声解説付き)

├メイキング&インタビュー映像集

├短編映画集

├劇場予告編集

├FOX予告編集