【タイトル】
完全なる報復(原題:Law Abiding Citizen)
【概要】
2009年のアメリカ映画
上映時間は109分
【あらすじ】
強盗に妻子を殺されたクライドは検事のニックが司法取引に応じたことに怒りと憎しみを覚える。それから10年後。クライドの妻子を殺した強盗や司法取引に応じた関係者が次々に殺されていく。
【スタッフ】
監督はF・ゲイリー・グレイ
音楽はブライアン・タイラー
撮影はジョナサン・セラ
【キャスト】
ジェイミー・フォックス(ニック)
ジェラルド・バトラー(クライド)
ブルース・マッギル(ジョナス)
コルム・ミーニイ(ダニガン)
ヴィオラ・デイヴィス(市長)
レジーナ・ホール(ケリー)
【感想】
ジェラルド・バトラーとジェイミー・フォックスの役は当初逆であったらしい。ちなみに、ジェラルド・バトラーとジェイミー・フォックスは後に「ホワイトハウス・ダウン(2013)」でも共演している。また、フランク・ダラボンが監督を務める予定だったが、プロデューサーとの意見の食い違いから降板している。
本作が面白いのはクライドが収監されるまでくらいかな。弁護士も雇わずに予審審問では検察側を過去の症例を持ち出して打ち負かし、証拠不十分で釈放と判事に言わせながら、こんな悪人を世に放つのかと判事を攻め立て法廷侮辱罪で釈放は取り消される。釈放という手段を取れるのにあえて取らないというどう考えても悪人の側が不完全な正義の側を支配している構造はどこか気持ち良さを覚えるほど。
以降はクライドが刑務所の独房にいながら、彼の妻子が殺された事件で司法取引をした連中が次々に殺されるという展開が続いていく。クライドが刑務所の独房にいながら検察側に多数の犠牲者が出ているのに何の手掛かりも掴めない状況が続いていく。すると終盤になってようやく事件の糸口が見え始める。刑務所の近くにクライドの所有する建物があるというのだ(やっとかよ)。その建物を調べると何とクライドの独房に繋がっていたのだった。一応すべての独房と繋がっていたのでどの独房に入れられても出られるようになっていたのだろう。ただ、もし収監される刑務所が違ったらどうしたんだろうか。10年かけて準備したのに~ってなったんだろうか。
つまり、クライドは独房から自分の所有する建物を経由して度々外に出て10年前の司法取引をした関係者を何かしらの方法で殺害し、また独房に戻るという生活を繰り返していたのだ。独房ってそんなに何時間もいなくても大丈夫な場所なのか。このネタバレから多くの観客がいろんなことを考えただろう。この結末のようなとんでも映画をそれなりの予算の映画でやっちゃうんだから凄いわ。どう見てもB級映画のネタだと思うんだが。この種明かしをどこまで観客が受け入れられるかどうか。上述の面白いと感じたところにはまだリアリティラインが辛うじてあったが、ここには残念ながらないのだ。
結局クライドはどうやってこの復讐を成し遂げたかというと金持ちであることと運を持ち合わせていたことである。金持ちでなければあちこちに土地を所有することはできない。そしてその土地の近くにまさか自分が収監される予定の刑務所があるなんて(そんな話あるかよ‼)。復讐も金がないとできないとかそんなことを言いたい映画ではないのは承知している。ただもしクライドに金も土地もなければこんなことはできっこない。
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語)
【ソフト関連】
<BD>
本編
├劇場公開版(Disc1)
├ディレクターズ・カット版(Disc2)
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え※劇場公開版のみ
音声特典
├プロデューサーによる音声解説※劇場公開版のみ
映像特典(Disc2)
├メイキング
├「完全なる報復」の視覚効果
├専門家が見る「完全なる報復」
├予告編+TVスポット