【作品#0738】カイジ ファイナルゲーム(2020) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

カイジ ファイナルゲーム

【概要】

2020年の日本映画
上映時間は128分

【あらすじ】

2020年の東京オリンピック終了を機に大不況に陥った日本。派遣で少ない給料ながら何とか生活していたカイジは、帝愛グループ企業の社長になった大槻に再会し、一攫千金のゲームに誘われる。

【スタッフ】

監督は佐藤東弥
音楽は菅野祐悟
撮影は小原崇資

【キャスト】

藤原竜也(カイジ)
福士蒼汰(高倉浩介)
関水渚(桐野加奈子)
新田真剣佑(廣瀬湊)
吉田鋼太郎(黒崎義裕)
松尾スズキ(大槻太郎)
生瀬勝久(坂崎孝太郎)
天海祐希(遠藤凛子)
伊武雅刀(東郷滋)

【感想】

9年ぶりとなったシリーズ3作目は、原作者の福本伸行によるオリジナルストーリーとなった。

1作目は4つのゲームをすることで舞台を変えていた。2作目は1つのゲームをするために舞台は変わらなかった。そしてシリーズ3作目にあたる本作は1作目に回帰したのか4つのゲームが行われることになり、ある程度は舞台が変えられている。これに関しては舞台の変わり映えしない2作目よりかは良い判断だったと思う。

また、本作は2020年の東京オリンピック後の大不況で、失業率が40%になり、ハイパーインフレが起こっているという設定だ。さらに、海外企業が日本企業を買収し、街中の看板がハングル語や中国語になっている。この設定にしたことで、前2作品の世界観が完全に引き継がれなくなってしまっている。前2作品はカイジが馬鹿なために底辺世界に落ちてしまったという前提に立っていた。ところが、こんな大不況となればカイジの性格とかはもはや関係なくなってくる。あと、わざわざ海外企業が日本企業を買収したという設定なら敵のトップは中国人や韓国人にすれば良かったんじゃないだろうか。

それから、そもそもカイジがこれらのゲームに参加する意義がとても弱いし、弱く感じてしまう。序盤に派遣会社から給料を手渡しされる場面でカイジは派遣会社に7割もピンハネされた残りの数千円をもらっている。さらにハイパーインフレにより缶ビールが1本1,000円になっている。この給料にこの物価でカイジはどうやって生活しているのか。シリーズ通して言えることだがカイジがきれいすぎる(血色が良すぎる)んだよな。隣にいたおばさんが咳をしながらも子供のために働いしているという設定があったとしても嘘っぽい。かと思えば、後のゲームではドローンを使って一攫千金を狙う若者もいる。ドローンを変える余裕があるならこんなゲームに参加しなくても生活していけるだろうに。もっと世界観を統一すべき。この大前提の時点で大失敗を犯している。

以降の場面はシリーズ通して見たことのあるような光景ばかりであり、興味が持続することはない。「どうせ最後にはカイジが勝利する」というのが見えている以上、それに至る経緯は丁寧に描かれるべきだが、ツッコミポイントまみれであり、真剣に見ているのもアホらしくなってくる。最後の最後もカイジが出し抜かれるのが見え見えすぎて面白くもない。

2時間以上ある映画である以上、舞台を変更することには成功しているが、ゲームや舞台を変更して映画自体がぶつ切りになってしまうのなら、やはり1話1ゲームの連続ドラマとしてやっていた方が良かったんじゃないだろうか。所詮はテレビ会社(本シリーズは日テレ)が出資したテレビの延長みたいな映画でしかなく、映画らしさはほとんど感じられない。それでもシリーズ通して20億前後を見込める作品になってしまうんだから、続けてしまうよな(これで終わりだろうけども)。

【関連作品】


カイジ 人生逆転ゲーム(2009)」…シリーズ1作目
カイジ 人生奪回ゲーム(2011)」…シリーズ2作目
「カイジ ファイナルゲーム(2020)」…シリーズ3作目



取り上げた作品の一覧はこちら



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