【タイトル】
ベイビー・トーク3/ワンダフル・ファミリー(原題:Look Who's Talking Now)
【概要】
1993年のアメリカ映画
上映時間は96分
【あらすじ】
モリーとジェームズ一家の子供たちマイキーは6歳に、ジュリーは4歳に成長した。マイキーはクリスマスプレゼントに犬を頼むのだが…。
【スタッフ】
監督はトム・ロペールスキー
音楽はウィリアム・ロス
撮影はオリバー・ステイプルトン
【キャスト】
カーティス・アレイ(モリー)
ジョン・トラヴォルタ(ジェームズ)
オリンピア・デュカキス(ロージー)
ダニー・デヴィート(ロックスの声)
ダイアン・キートン(ダフネの声)
【感想】
全2作品は赤ちゃんの声を大人の俳優がアテレコすることを売りにしていたが、本作はその子供たちが成長したため犬の声をアテレコする作品に生まれ変わっている。批評家からは軒並み低評価を受け、2,200万ドルの予算に対し、たったの1,000万ドルしか売り上げられず、シリーズも本作が最後の作品となってしまった。
前作までに登場したマイキーとジュリーは話せる年齢になっており、彼らの声がアテレコされていない。ただ、前作で3歳だったマイキーの声をブルース・ウィリスがアテレコしていたことを考えるとなぜほぼ同年齢のジュリーの声はアテレコされていないのかが気になる。この辺りの設定はある程度徹底していてほしいものだ。
そして、本作ではシリーズの売りだったアテレコを犬でやっているのだ。こうなると完全に話は変わってくる。子供を増やしたって同じことの繰り返しになるという判断だろうが、犬でやるくらいなら別の映画にしてしまえば良いのにと思ってしまう。案の定、家族のパートと犬のパートは完全に分断され、犬がアテレコしているからこその面白さは皆無だし、家族と犬の絆が描かれたわけでもない。
また、夢の場面があまりにも多すぎるし、長い。こういうのは映画内に1か所でもあれば十分だと思うが、中盤以降の夢の場面は尺伸ばしかと思わせる程に長ったらしい。一応、「信頼」とか「約束」といったところがキーワードになっているようだが、それを体現できる展開もドラマも用意されていない。
結局、映画内では悪役といえるサマンサは、妻子持ちのジェームズに終始付きまとい、意地でも体の関係を持とうと迫ってくるのだが、彼女がジェームズにそこまで惚れる要素も見当たらない。また、当の本人ジェームズはサマンサからの好意にある程度は気付いているがやや鈍感という設定になっている。そんなキャラだったかなぁ。
それから、1作目ではキャリアウーマンのモリーとタクシードライバーのジェームズという男女間での格差が何となく表現されていた。そして、本作ではモリーが会社を解雇され、ジェームズは女性経営者に見込まれて念願のパイロットとして航空会社に就職が決まり、男女間での格差が完全に逆転する。ただ、この部分には特に意図したものがなく、あくまで1作目の裏返しになっている程度でしかない。
本作含め合計3作品が製作されたシリーズだが、欲張って人を増やしたり趣向を凝らしたりしてもうまくはいかないことがよく分かる。サンタが実在するかどうかを子供が気付いたり、また大人がそれをごまかそうとしたりする展開があるが、まさに本作自体が子供騙しのような作品になってしまっている。
【関連作品】
「ベイビー・トーク(1989)」…シリーズ1作目
「リトル★ダイナマイツ/ベイビー・トークTOO(1990)」…シリーズ2作目
「ベイビー・トーク3/ワンダフル・ファミリー(1993)」…シリーズ3作目
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
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├オリジナル(英語)
【ソフト関連】
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