【タイトル】
マチェーテ・キルズ(原題:Machete Kills)
【概要】
2013年のアメリカ映画
上映時間は108分
【あらすじ】
マチェーテは心臓が止まるとミサイルがアメリカに発射される仕掛けを作ったメンデスという男を捕らえることに成功するが、メンデスは24時間後にミサイルが発射されるように設定する。マチェーテはこの仕掛けを解除できる人間を探しに行く。
【スタッフ】
監督/撮影/編集はロバート・ロドリゲス
音楽はカール・ティール
【キャスト】
ダニー・トレホ(マチェーテ)
メル・ギブソン(ルーサー・ヴォズ)
ミシェル・ロドリゲス(ルース)
アンバー・ハード(ミス・サンアントニオ)
チャーリー・シーン(アメリカ大統領)※カルロス・エステヴェス名義
【感想】
好評を得た前作より製作費は倍の2,000万ドルがつぎ込まれたが、批評家からは酷評され、売上は1,750万ドルにとどまった。ちなみに、悪役ルーサー・ヴォズのモデルはイーロン・マスクとされており、そのイーロン・マスクが終盤に本人役でカメオ出演を果たしている。
前作のエンディングならびに本作のオープニングを見るに、一応は3部作として考えられているようだ(結局のところ2作目である本作で終わったようだが)。そのシリーズ2作目である本作は基本的には前作の流れを汲んでいるが、基本的には前作を超えられてはいない。強いて言うなら、ロバート・ロドリゲス監督らしい悪趣味は本作の方が発揮されているように思う。えぐり出した腸を使ったシーンは前作にもあったが、本作の方がバカバカしくて笑える。
前作には主人公マチェーテの復讐の物語があったが、本作にはマチェーテのアイデンティティーに関する話は出てこない。かつて捜査官だったマチェーテは前作で組んだサルタナ・リベラは冒頭にマチェーテと共に登場するが、あっさり殺されてしまう。ただ、彼女のために奮闘するという物語ではなく、マチェーテが淡々と悪を成敗する話になっている。
また、前作の項でも記したが、ぶっ飛んだ演出やキャスティングがある割には物語は割と王道で何なら大人しさすら感じる程である。そんな続編である本作こそ、物語ももっとぶっ飛んでいても良かったように思える。ちなみに、CGのクオリティの低さを批判する声もあるようだが、これは意図的なものだと思う。
メキシコ国境を巡る話も前作の流れを踏襲しているが、特段意義のある展開とは言い難い。やはりある程度はこのメキシコ国境を巡る話を中心に話を作るべきだったんじゃないだろうか。監督や主演俳優のルーツでもあり、前作はその国境の話をハリウッド的なお話として着地させたわけなのだから。
そして、豪華キャストの共演も前作と同様だが、特にカメレオンと名付けられた実質ターミネーターのパクリみたいなキャラクターを演じた4人の俳優たちはただのカメオ出演程度にしか思えない。せめて4人全員がマチェーテと相対する場面を入れるべきだろうに。
基本的には他の映画からのインスピレーションごっちゃ混ぜみたいな映画で、その中にロバート・ロドリゲス監督らしさが組み込まれた作品。続編だからこそのパワーアップ感はあまりなく、特に前作の終盤に再登場したミシェル・ロドリゲスくらいにインパクトのある場面はなかったかな。
一応はオープニングとエンディングで流れる「マチェーテ・イン・スペース」の予告編があるので、もしシリーズ3作目があるとしたら「マチェーテ、宇宙に行く」が製作されたことだろう。もろに「スター・ウォーズ」のライトセーバーもろパクリのシーンがあるし、本作がどこか「007」っぽいところもあるので、「スター・ウォーズ」と「007/ムーンレイカー(1979)」を足して「マチェーテ」で割ったような作品になったのだろう。別にギャグ映画としてはありだとは思う。
2023年現在、ロバート・ロドリゲス監督はシリーズ3作目について言及しているが、主演したダニー・トレホがそろそろ80歳ということを考えるとさすがに厳しいだろう。ただ、80歳のおじいちゃん主演のアクション映画はそれはそれでオリジナリティがあるかな。ただ、このシリーズの続編として見るとあらゆる意味で落ちるだろうからあまり期待はしていない。
【関連作品】
「マチェーテ(2010)」…シリーズ1作目
「マチェーテ・キルズ(2013)」…シリーズ2作目
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【配信関連】
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【ソフト関連】
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