【タイトル】
ラッシュアワー2(原題:Rush Hour)
【概要】
2001年のアメリカ映画
上映時間は90分
【あらすじ】
休暇で香港を訪れたカーターだったが、リーに捜査の依頼が入ってしまい、リーの父親のかつての相棒だったリッキー・タンを追うことになる。
【スタッフ】
監督はブレット・ラトナー
音楽はラロ・シフリン
撮影はマシュー・F・レオネッティ
【キャスト】
ジャッキー・チェン(リー)
クリス・タッカー(カーター)
チャン・ツィイー(フー・リ)
ジョン・ローン(リッキー・タン)
ドン・チードル(ケニー)
【感想】
前作のヒットを受けて製作されたシリーズ2作目は、前作の3倍近い9千万ドルの予算がつぎ込まれ、前作以上となる3億4千万ドルのヒットを記録した。ちなみに、本作のクライマックスとなるホテルの名前はレッド・ドラゴンだが、ブレット・ラトナーが本作の次に監督した作品が「レッド・ドラゴン(2002)」である。
前作からの積み上げという観点で見ると、カーターは前作以上に格闘を頑張っているので、二人で協力するアクションに説得力は増した印象である。特に序盤に二人でリッキー・タンの手下たちと戦う場面はバディ感が存分に出ていた良いシークエンスだったと思う。せっかく大勢の敵をやっつけてポーズを決めたらまたもや大勢の敵が出てくるというオチも決まっている。また、バディ感あるアクションの中にも、ジャッキー・チェンらしさもしっかり入っている(狭い隙間を滑り抜ける場面など)。
そして、本作も前作同様になかなか豪華なキャスティングである。何と言っても、本作の2年前に「初恋のきた道(1999)」でデビューしたばかりのチャン・ツィイーがリッキー・タンの手下として出演しているのだ。まだ少女のような見た目ながら、ボスの手下という映画的にはNo.2の役割はそれなりに担えていたとは思う。ただ、アクションにもう少し迫力を感じられたらより良かったように思うし、またラストで再登場するとはいえ、カーターとの一騎打ちはやや物足らなかった。
前作よりも少し短くなった90分という上映時間であるが、なぜこうもまどろっこしい話にしたんだろうか。前作はほとんどアメリカで完結した話だったんだから、本作はいっそのことすべて香港で完結できなかったものか。まるで映画の半分以上はアメリカを舞台にすることが条件になっていたかのようである。香港で始まった物語がアメリカに移行する必然性は感じず、香港で登場した重要なキャラクター全員がアメリカに移動しているのも不自然でしかない。
結局、アメリカでクライマックスのアクションをやったらいつものハリウッドのアクション映画になってしまう。そこを香港に置き換えるだけでも他のアメリカを舞台にしたアクション映画とは違う、また前作とは違う味付けの作品にできたと思うのにもったいない(仮にいつものジャッキー映画と異なることを想定して香港を離れたのだとしたらそれも失敗だと思うぞ)。
確かに前作からの積み上げが功を奏している部分もあるが、アメリカに戻ってくる不自然さと前作を超える何かがなかった。こちらも前作同様に肩肘張らずに見られる作品ではある。
【関連作品】
「ラッシュアワー(1998)」…シリーズ1作目
「ラッシュアワー2(2001)」…シリーズ2作目
「ラッシュアワー3(2007)」…シリーズ3作目
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語/広東語)
【ソフト関連】
<BD>
言語
├オリジナル(英語/広東語)
├日本語吹き替え
音声特典
├ブレット・ラトナー(監督)、ジェフ・ネイサンソン(脚本)による音声解説
映像特典
├窮地から生まれるマジック~ブレット・ラトナーの撮影法
├チキン・ショップ
├爆弾を持つフー・リ
├命がけのスタント
├「ラッシュアワー2」のファッション
├視覚効果について
├未公開シーン集
├NG集