【タイトル】
恋におちて(原題:Falling in Love)
【概要】
1984年のアメリカ映画
上映時間は106分
【あらすじ】
ニューヨークのクリスマスイヴ。本屋で買い物をしたフランクとモリーはお互いの荷物がぶつかったことをきっかけに購入した本が入れ替わってしまう。それから3か月後、彼らは偶然にも列車内で再会する。
【スタッフ】
監督はウール・グロスバード
音楽はデイヴ・グルーシン
撮影はピーター・サシツキー
【キャスト】
ロバート・デ・ニーロ(フランク)
メリル・ストリープ(モリー)
ハーヴェイ・カイテル(エド)
ダイアン・ウィースト(イザベル)
【感想】
本作はデヴィッド・リーン監督の「逢びき(1945)」のアメリカ版と称されることもある。ウール・グロスバード監督とロバート・デ・ニーロは「告白(1981)」に続いてタッグを組むことになり、ロバート・デ・ニーロとメリル・ストリープは「ディア・ハンター(1978)」以来の共演となった。
大学生当時に観た時は理解できない映画であった。そして10数年の時を経て改めて観てみたがやはり理解はできないかな。これなら後にメリル・ストリープが主演した「マディソン郡の橋(1995)」の方が設定に説得力があったと思う。ただ、人類が浮気や不倫の歴史を繰り返していることを考えると、ある意味語り継がれる物語なのかもしれないなとは思った。
浮気や不倫をする物語において、恋人や配偶者を悪者にするという設定を多く見かけるが、そうではないところが本作の良いところだろう。フランクは夫を気遣う妻と2人の子供たちに恵まれている。また、モリーも子どもこそいないが妻を想う優しい夫がいる。そんな2人がクリスマス・イヴの出会いを境に何度も顔を合わせることになる。これを運命とでも思ったのだろうか。フランクにはエドという友人がいて、彼が離婚するという話を聞いて思い切ったように見える。また、モリーはちょっとしたときめきを押さえきれずに「フランクが強引に誘ってきたから」と言い訳しているようにも見える。また、電車内で彼らが会話する場面で、フランクが「仕事?」と聞くと、モリーは前のめりに「結婚している」と答えている。不倫は絶対にダメだと自分に言い聞かせるように形式的に答えているかのようでなかなか面白かった。他にもまるで初デート前の女子高生みたいに服選びに苦労する様子やいざ肉体関係になろうかと思えば断るなど、どちらかというとモリーの方が役者としての見せ場も多かった印象はある。
その後、フランクは妻に事情を話し、モリーの夫も事情を知ってしまった。両者の家庭は完全に崩壊してしまった。とはいえ互いの配偶者が感情剥き出しにして泣いたり怒鳴ったりする場面がないため割とあっさりした印象はある。そして、フランクとモリーが再会して映画は終わる。両者の配偶者にとってはこんな悲しくて屈辱的な出来事はない。フランクとモリーは新たな恋人に乗り換えた。そしてその2人がどうやら幸せに向かおうとしている。まぁこれも現実に起こりえることかなと思えばそこまで嫌な気分にもならないが、この映画にするなら2人はすっきり別れてしまうか、とんでもない罰を受けるべきだったとは感じた。
あと、はやりフランクの友人エドのキャラクターの取って付けた感は否めない。このキャラクターがいなければフランクはモリーに声を掛けなかったかもしれない。そのきっかけをこのエドというキャラクターに委ねるにしてはちょっと都合の良いキャラクターだと思うな。演じたハーヴェイ・カイテルは流石だが。
とはいえ、芸達者なロバート・デ・ニーロとメリル・ストリープの共演は間違いなく楽しめる。彼らの表情、視線、仕草などからはやはり目が離せない。
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【配信関連】
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