【作品#0433】ロンゲスト・ヤード(2005) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

ロンゲスト・ヤード(原題:The Longest Yard)


【概要】

2005年のアメリカ映画
上映時間は113分

【あらすじ】

元アメフト選手で執行猶予中だったポール・クルーは、飲酒運転などの罪を犯したことから執行猶予が取り消され懲役3年の刑で刑務所に収監されることになる。アメフトに力を入れる刑務所長の要請で、クルーは看守チームの練習相手になるチーム作りを命令される。

【スタッフ】

監督はピーター・シーガル
音楽はテディ・カステルッチ
撮影はディーン・セムラー

【キャスト】

アダム・サンドラー(ポール・クルー)
クリス・ロック(ケアテイカー)
バート・レイノルズ(ネイト・スカボロー)
ジェームズ・クロムウェル(ヘイズン刑務所長)
ウィリアム・フィクトナー(クノール看守長)
エド・ローター(ドゥエイン)

【感想】

ロバート・アルドリッチ監督の「ロンゲスト・ヤード(1974)」のリメイクで、オリジナルに主演したバート・レイノルズと看守長を演じたエド・ローターが本作にも別の役で出演している。また、ピーター・シーガル監督とアダム・サンドラーは3年連続でタッグを組むことになった。

基本設定はオリジナルとほとんど同じで、全く同じやり取りをする箇所まである。ただ、オリジナルでクルーとケアテイカーが仲良くなる過程として印象深かった沼地でのやり取りなどは丸ごとカットされている。

また、本作のテイストが明らかにコメディに寄り過ぎている印象はある。それはコメディ俳優のアダム・サンドラーやクリス・ロックを起用したことからも明らかだし、オリジナルと同じようなコミカルなやり取りもどこか笑いを取りに来ている感じがしてしまう。また、オリジナルのギャグっぽいシーンをリメイクでそのままやっていると、どうもモノマネのような感じに映る。

そのためか刑務所長や看守長らの暴力も抑えめで、ケアテイカーが殺される展開はどうも浮いている。もちろん時代が変わったので冒頭のクルーの描写も控えめになっているのだろうけど、作品の雰囲気は明らかにアンバランスであると感じる。

それに、いくらコメディ寄りの作品にしたからと言って、主演はアダム・サンドラーではないな。オリジナルの主演バート・レイノルズが本作にも出演しているのだから、その雰囲気とは異なるものを狙っているだろうが、オリジナルとほぼ同じ境遇の元選手の葛藤もあまり感じられなかった。

また、クルーと看守長の関係性も薄い。オリジナル通り、ラストで看守長はクルーの気持ちを見て心変わりしていたが、本作は彼らの関係性もほとんど描かれていないのでなぜ看守長があそこまで心変わりしたのかがさっぱりという感じである。まして、オリジナルにはなかった「ケアテイカー殺しの件は俺が何とかする」とまで言っていたが、そこまで言わせる何かは感じなかったな。

それから、本作はスローモーションを多用し過ぎだと思う。オリジナルはラストまでスローモーションなしで演出し、ラストのクルーのタッチダウンまでをスローモーションで演出するから意味があった。なのに、本作は特に練習場面からスローモーションを使い過ぎて、ラストのスローモーションが全然生きてこない。

そして、本作のラストカットがヘイズン刑務所長というのも違うだろう。オリジナル通りじゃなくても良いから、せめて主役の2人を映して終わってくれよ。

オリジナルの暴力的な描写を現代的なアプローチで改変したものだから非常に弱々しい映画になってしまった。リメイクとしては完全に失敗作。

【関連作品】


ロンゲスト・ヤード(1974)」…オリジナル作品
「ロンゲスト・ヤード(2005)」…上記作品のリメイク

 

「ショート・サーキット(1986)」…本作で囚人たちが鑑賞している場面がある。



取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【配信関連】

 

<Amazon Prime Video>

 

言語

├オリジナル(英語)

 

【ソフト関連】

 

<DVD>

 

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え

映像特典

├NGシーン集
├未公開シーン集(音声解説付)
├撮影の舞台裏集
├ミュージック・ビデオ:“アータイム”byネリー
├オリジナル劇場予告編集