【タイトル】
五線譜のラブレター(原題:De-Lovely)
【概要】
2004年のアメリカ/イギリス合作映画
上映時間は125分
【あらすじ】
ミュージカルや映画音楽において多くのヒット曲を手掛けたアメリカの作曲家コール・ポーターの伝記映画。
【スタッフ】
監督はアーウィン・ウィンクラー
音楽はスティーヴン・エンデルマン
撮影はトニー・ピアース=ロバーツ
【キャスト】
ケヴィン・クライン(コール・ポーター)
アシュレイ・ジャッド(リンダ・ポーター)
ジョナサン・プライス(ゲイブ)
【感想】
実在の作曲家コール・ポーターを描いた伝記映画で、彼を演じたケヴィン・クライン、その妻リンダを演じたアシュレイ・ジャッドがそれぞれゴールデン・グローブ賞でミュージカル/コメディ部門の主演男優賞、主演女優賞にそれぞれノミネートされた。ちなみに原題の「De-Lovely」は、強調を意味する「De-」が接頭語であり、「とても愛しい」といった意味になり、コール・ポーターの代表曲のタイトル「It's De-Lovely」にも使用されている。また、ケヴィン・クラインはアーウィン・ウィンクラー監督作品には「海辺の家(2001)」に続いての出演となった。
自身の勉強不足もあるが、コール・ポーターといっても正直ピンとこない人物である。日本人でも聞いてすぐにわかる楽曲があるというわけでもないだろう。ただ、かつての名音楽家の伝記映画というと、1950年代の「グレン・ミラー物語(1954)」や「愛情物語(1956)」なんかは思わせる雰囲気がある。
そのコール・ポーターは、バイセクシャルであり、奔放な性格である。そんなコールを妻のリンダはほぼ全面的に受け入れ、コールへ愛を捧げている。愛の形は人それぞれだと思うが、こんな男を愛し続けるというリンダ側の描写があまりにも欠如していると感じる。
才能あふれるコール・ポーターによる楽曲は、様々なアーティストによって歌われているが、どれもやや淡泊で印象に残るものは少ない。時折ミュージカル仕立てになっているシーンも中途半端である。ラストは、死期を間近に控えた主人公へカーテンコールの如く関係者が続々と現れるシーンも映画的な盛り上がりにはどうも欠ける。2時間以上の尺を取って描いた割には、コール・ポーターも妻のリンダも周囲の関係者も印象強く描かれたようには感じなかった。
【音声解説】
参加者
├アーウィン・ウィンクラー(監督)
├ケヴィン・クライン(コール・ポーター役)
上記2名による対話形式の音声解説。ミュージカル映画の製作が少なくなった時代に復活させた経緯、主人公や周囲の人物のモデルに関する話、役作りとそれを反映させた場面の話、ミュージカルシーンの準備の話、ジュリアードを卒業して舞台でトニー賞を獲得した経験のあるケヴィン・クラインが久しぶりに音楽に挑戦した話など聞くことができる。本作が気に入ったなら満足できる音声解説だと思う。
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
【ソフト関連】
<DVD>
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
音声特典
├アーウィン・ウィンクラー(監督)、ケヴィン・クライン(コール・ポーター役)による音声解説
映像特典
├メイキング・オブ・『五線譜のラブレター』
├ミュージック・オブ・『五線譜のラブレター』
├シーンの舞台裏
├ビー・ア・クラウン
├恋の売り物
├未公開シーン集
├"五線譜のラブレター"サウンドトラックTVスポット
├オリジナル劇場予告編
├MGMタイトル・プロモーション