【作品#0280】パーフェクト ストーム(2000) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

パーフェクト ストーム(原題:The Perfect Storm)


【概要】

2000年のアメリカ/ドイツ合作映画
上映時間は130分

【あらすじ】

舞台は1991年のマサチューセッツ州グロスター。カジキ漁船アンドレア・ゲイルは長い漁を終えて港に到着したが、不漁に終わってしまった。何とか稼ぐため、帰港からたった2日後に再び出港することになる。

【スタッフ】

監督はウォルフガング・ペーターセン
製作はバリー・レヴィンソン
音楽はジェームズ・ホーナー
撮影はジョン・シール

【キャスト】

ジョージ・クルーニー(ビリー)
マーク・ウォールバーグ(ボビー)
ジョン・C・ライリー(マーフ)
ウィリアム・フィクトナー(サリー)
ダイアン・レイン(クリス)
ジョン・ホークス(バグジー)
メアリー・エリザベス・マストラントニオ(リンダ)

【感想】

1997年にセバスチャン・ユンガーが発表した小説「パーフェクトストーム-史上最悪の暴風に消えた漁船の運命」の映画化。この小説は1991年に嵐による行方不明になったアンドレア・ゲイル号を巡る人々をモデルにしている。ただ、映画公開後に亡くなった船員の家族から事実と異なるとして訴えを起こされている(表現の自由により訴えは却下された)。ちなみに、ジョージ・クルーニーとマーク・ウォールバーグは前年にも「スリー・キングス(1999)」で共演している。また、音楽を担当したジェームズ・ホーナーは「タイタニック(1997)」に続き、またしても船の沈没映画の音楽を担当することとなった。

アンドレア・ゲイル号に乗船していた船員は全員亡くなっているので、彼らの乗船後の出来事はほとんどが想像である。アンドレア・ゲイル号と通信していた船や救出に来たヘリなどの周辺からしか情報は得られないので、実話をもとにした映画化にしてはそのほとんどが想像であると言うのは白けてしまうところだ。これなら架空の話にした方が逆にリアルに演出できただろうと思う。ただ、原作者による音声解説を聞くと、取材により当時の様子や実際に起こった漁船事故から類推する形を取っているので理解できなくもない。

また、90年代後半はパニック映画がブームだったころであり、SFや災害によるパニックを描いた作品は数多く作られた。基本的には本作もその枠の中で作られたものだと思う。終盤の演出などを見るに、当時のその手の映画の代表作「アルマゲドン(1998)」っぽいし、何といってもその「アルマゲドン(1998)」に出演していたウィリアム・フィクトナーも本作に出演している。最も難しいとされる水のCG表現をILMが実現できるレベルに達したことも本作が作られた要因と言えよう。

ただ、嵐に巻き込まれてからは、ずっと波に飲まれて揺れ続ける様子が延々と映っているだけなので、途中から映像的にも結構飽きてくる。確かにCG表現含め迫力ある映像にはなっており、ポスターイメージのクライマックスもなかなかインパクトはある。ただ、ここまで長いと途中でその表現に慣れてきてしまうのが正直なところだ。

映画の構成としては1幕が船員と家族や恋人、友人たちとのドラマ、2幕が出港とその後の細かいトラブル、メインとなる3幕が嵐との戦いという感じである。実話をもとにしているとはいえ、周辺の漁船の救出なんかは丸々なくても良いと感じた。もっと上映時間を短くして本作以降登場した4DXなら、劇場限定にはなるが嵐体験型映画として楽しめたのではないだろうか。

【音声解説1】

 

参加者

├ウォルフガング・ペーターセン(監督)

パッケージには「監督ウォルフガング・ペーターセンによる音声解説」と記載されているが、JM・ケニーという人が聞き手となるインタビュー形式になっている。聞き手がいることで、観客にとって知りたい情報をしっかり質問してくれているし、監督も真摯に答えていると言う印象。原作と試写の関係、映画化に向けてクリアすべきハードルなど興味深い話をしてくれる。

【音声解説2】

 

参加者

├セバスチャン・ユンガー(原作者)

本作の原作者セバスチャン・ユンガーによる単独の音声解説。ジャーナリストでもある彼が、現地を取材して得た情報を説明してくれ、それが映画の背景を理解する材料として最適に感じる。結果的に類推になってしまったアンドレア・ゲイル号について、様々な取材から過去の事故や当事者の話を参考にしていることが理解できる。

【音声解説3】

 

参加者

├ステファン・ファングマイヤー(視覚効果監修)

├ヘレン・エルスウィット(視覚効果プロデューサー)

上記2名による対話形式の音声解説。視覚効果の実質的な担当者とプロデューサーが、撮影前の打ち合わせ、どのシーンにどれくらいの人と時間をかけてどのように視覚効果を完成させていったかなどを聞くことができる。



取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【配信関連】

<Amazon Prime Video>

言語
├オリジナル(英語)

 

【ソフト関連】

<BD>

言語
├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え

音声特典

├ウォルフガング・ペーターセン(監督)による音声解説

├セバスチャン・ユンガー(原作者)による音声解説

├ステファン・ファングマイヤー(視覚効果監修)、ヘレン・エルスウィット(視覚効果プロデューサー)による音声解説

映像特典

├メイキング

├ウェブ・ドキュメンタリー

├ジェームス・ホーナーの音楽

├フォト・モンタージ

├サウンドトラック・プロモーション

├オリジナル劇場予告編