【タイトル】
アントニー・ジマー(原題:Anthony Zimmer)
【概要】
2005年のフランス映画
上映時間は90分
【あらすじ】
国際的な金融犯罪で指名手配されるアントニー・ジマーの愛人であるキアラは、アントニーの手紙を受け、TGVの中で適当な男を誘うように言われ、フランソワという男の向かいの席に座る。
【スタッフ】
監督/脚本はジェローム・サル
音楽はフレデリック・タルゴーン
撮影はドゥニ・ルーダン
【キャスト】
ソフィー・マルソー(キアラ)
イヴァン・アタル(フワンソワ)
【感想】
日本では劇場未公開作品。後に、アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップ共演でハリウッドリメイクがされたオリジナル作品。
粗がないわけではないが、リメイクと比べると、サスペンスとしてもロマンスとしてもよっぽど味わいのある作品であった。リメイクにおいて、濃い化粧と派手な衣装で着飾る、いかにも「怪しい女」を演じたアンジェリーナ・ジョリーよりも、ソフィー・マルソーの方が化粧も衣装もシンプルで映画のヒロインとして女優として十二分に魅力的だった。
また、リメイクでジョニー・デップが演じた役を演じたイヴァン・アタルは、この映画のキャラクターに相応しい雰囲気を持っていた。リメイクではジョニー・デップが演じたことでこの設定を丸潰しにしていたのを考えるとキャスティングは重要であるとつくづく感じさせられる。
それから、リメイクで警察や敵の描写が異常に多かったが、本作で描かれる程度が極めて妥当だろう。リメイクでは大作感を出すためか、敵も警察もと、裾野を広げ過ぎだし、その結果オチが読めやすくなってしまう印象さえあった。ちなみに、フランソワが螺旋階段で転倒して薬をぶちまけてしまった後、追手が迫るのをその薬が跳ねることで表現したのは「ジュラシック・パーク(1993)」の演出を思い出す。
本作も決して絶賛されるほどのサスペンス映画ではないが、90分以内にまとめられた一本として見て損することはないと思う。特にソフィー・マルソーの魅力に取りつかれたら、製作者側の思うつぼと言ったところだろう。
【関連作品】
「アントニー・ジマー(2005)」…フランス映画
「ツーリスト(2010)」…上記作品のハリウッドリメイク
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(フランス語/ロシア語/英語)
【ソフト関連】
<DVD>
言語
├オリジナル(フランス語/ロシア語/英語)
映像特典
├フォトギャラリー