【タイトル】
ナチュラル・ボーン・キラーズ(原題:Natural Born Killers)
【概要】
1994年のアメリカ映画
上映時間は118分
※ディレクターズ・カット版は122分
【あらすじ】
田舎のダイナーに立ち寄ったミッキーとマロリーは、そこにいた客や従業員を次々と殺し、生かしておいた男に「ミッキーとマロリーがやったと言え」と告げる。彼らの犯行はテレビでも大々的に取り上げられ、世間の注目の的となっていく。
【スタッフ】
監督はオリヴァー・ストーン
原案はクエンティン・タランティーノ
音楽はブレント・ルイス
撮影はロバート・リチャードソン
【キャスト】
ウディ・ハレルソン(ミッキー)
ジュリエット・ルイス(マロリー)
ロバート・ダウニー・Jr(ウェイン・ゲール)
トミー・リー・ジョーンズ(ドワイト・マクラスキー)
トム・サイズモア(ジャック)
デイル・ダイ(デイル・リグレー)
【感想】
クエンティン・タランティーノの原案をオリヴァー・ストーンらが脚色して映画化。タランティーノの原案は大幅に書き換えられている(脚本を担当した「トゥルー・ロマンス(1993)」でもタランティーノは結末を書き換えられている)。大ヒットこそしなかったが、取り上げたテーマやバイオレンス表現は各国で年齢制限や上映禁止になるなど話題を呼び、ヴェネツィア国際映画祭では審査員特別賞を受賞した。
2022年になった現代に見ると、ゲールによるインタビュー時のミッキーの発言も、マスコミ批判の構成もやや古臭く感じてしまうし、ちょっと説教臭くもある。他のもっと過激な映画や映像に見慣れたせいか、この映画で上映禁止になるとはなかなか厳しいなとも思ってしまう(当時の感覚を批判している訳ではない)。というか、ミッキーが「すべての動物が云々…」と言うが、殺人批判への回答としてそんなことを用意している人物には見えない。ミッキーもマロリーも人間的な部分は描かれていたが、「すぐに暴力に頼る人間」というある種のステレオタイプに落ち着いているようにも見える。
それからとにかく本作はカット数が異常に多い。サブリミナル的な映像も度々挿入されており、その情報量は膨大である。同監督の「JFK(1991)」も情報量の多い作品だった(それに伴って上映時間も長かった)が、本作は色調、粗さ、モーフィング、モノクロなど、使える限りの工夫が用いられている。当然すべてに意味があるのだが、すべてを網羅できるほど頭にすべては入らないし、何度も見てその意味を考えようとも思える魅力はそこまでない。情報量の多さも計算のうちだと思うが、追いきれないと分かると若干飽きてきてしまう。
結局のところ、オリヴァー・ストーンが監督したい題材であったとしても彼の監督すべき題材ではなかったと思う。だからこそタランティーノが監督すれば…と思われるのだろう。
【音声解説】
参加者
├オリヴァー・ストーン(監督)
オリヴァー・ストーン監督単独による音声解説。登場人物の行動原理、意図した映像演出など解説してくれるのだが、作品で意図したこと、テーマ、監督が現実の暴力に対してどう思っているかなどについてはあまり聞くことができない。
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語/ナバホ語/日本語)
【ソフト関連】
<DVD>
言語
├オリジナル(英語/ナバホ語/日本語)
├日本語吹き替え
音声特典
├オリヴァー・ストーン(監督)による音声解説
映像特典
├映像未公開シーン集
├メイキング
├もう一つのエンディング
├オリバー・ストーン監督 インタビュー
├劇場予告編
<BD>
収録内容
├上記DVDと同様
<BD>
本編
├ディレクターズ・カット版
言語
├オリジナル(英語/ナバホ語/日本語)
音声特典
├オリヴァー・ストーン(監督)による音声解説
映像特典
├監督オリバー・ストーンによるイントロダクション
├情報化社会と犯罪:現代における『ナチュラル・ボーン・キラーズ』
├メイキング
├監督オリバー・ストーン インタビュー
├未公開シーン集
├もう一つのエンディング 監督オリバー・ストーンによるイントロダクション付き
├オリジナル劇場予告編