【作品#0218】香港国際警察/NEW POLICE STORY(2004) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

香港国際警察/NEW POLICE STORY(原題:新警察故事/英題:New Police Story)

 

【概要】

 

2004年の香港映画

上映時間は124分

 

【あらすじ】

 

香港で武装グループによる銀行強盗事件が発生し、捜査を担当したチャン警部は9人の部下を率いて彼らのアジトへ侵入した。ところが、待ち伏せされた彼らは返り討ちに遭い、チャン警部以外の9人の部下が亡くなってしまった。それによりチャン警部は停職処分となり、酒浸りの生活を送っているところへ、1人の若者が現れる。

 

【スタッフ】

 

監督はベニー・チャン

音楽はトミー・ワイ

撮影はアンソニー・プン

 

【キャスト】

 

ジャッキー・チェン(チャン)

ニコラス・ツェー(シウホン)

ダニエル・ウー(ジョー)

チャーリー・ヤン(ホーイー)

 

【感想】

 

「香港国際警察」という看板こそ、原題にも日本語タイトルにも付いており、ジャッキー・チェンが同じチャン役を演じているが、1985年に始まったシリーズとは関連のない作品。当時ハリウッド映画をメインの活動場としていたジャッキー・チェンによる久しぶりのオール香港ロケ作品。

 

まず、武装グループだが、黒幕のジョー以外は警察に対して憎しみの感情を抱いていない。なのに警官をあれだけ殺害しておいて、無邪気に喜べるって異常だわ。若者がゲーム感覚で人を殺すにしては度を越している。本作は犯人側(特にジョー)をある程度描写している(といっても回想シーンがちょっとある程度)ものだから、さすがにこの程度の描写では説明不足だと感じてしまう。これだったらまだ悪としての記号だけでも良かった。それにチャン警部だけ生かして苦しめており、悪役と彼を結ぶものが後に出てくると思いきや何もないというのも驚きだ。

 

それから、いくらなんでも香港国際警察が無能にしか見えない。9人の警官(冒頭の強盗シーンを含むともっといるか)が殺されたというのに、1年間も武装グループを捕まえる糸口すら掴めていないようだったが、警官殺しをされた警察が本気になったらこの程度のグループなんかあっさり捕まるだろう。しかも、映画的にはまるでこの事件の捜査をしているのが、シウホン(警官ではないが)とササだけにしか見えないのも問題だ。あと、部下を9人殺させてしまったとはいえ、チャン警部に対して周囲があまりにも冷たすぎやしないか。後に味方の裏切りが原因(この設定もどうかと思う)と分かるが、署内に彼の味方をする人間が一人もいない(ように見える)のはどう考えてもおかしい(というか署長とササ以外の警官は完全にモブキャラだし、冒頭の彼の活躍をわざわざ観客に見せたのは何だったのか)。また、相棒となるシウホンは警官ではないのがバレた後も当たり前のように警察署内に出入りしていることに誰も何も言わないのか。

 

あと、相棒のシウホンにコメディリリーフを担わせているが、このジャッキー映画でも稀に見るシリアスな内容にコメディは一切合わない。彼がゴミ箱を蹴飛ばしてしまうシーンなんかが顕著だった。あと、チャン警部がレゴハウスで首がもげた人形を元通りにする描写もあったが、あの切羽詰まった状況であんなことするわけない。これはコメディ映画なら許されるが、本作はそうではない。

 

アクションシーンも、ジャッキー全盛期とは違いスタントも多数使用されている(と思う)。分かりやすいのはバスの場面だろう。今までのジャッキー映画なら彼がバスの上でアクションしている様子も彼の顔を映してまで描いていたのに、本作では引きのショットや不自然なアップ、別撮りを思わせるカットを挿入するという、いわゆる「普通の」アクション映画の撮り方になっている。撮影当時で50歳手前だから、しょうがない部分もあるが、時代は感じてしまうものである。もちろんそれでも十分にすごいことは間違いないのだが。

 

ラストは、冒頭で敗れたゲームで復讐するというやり方なのだが、あのオペラハウスの屋上に、銃の組み立てをするのにちょうどいい机があるはずないんだよ。チャン警部があのやり方で銃の組み立て競争に勝つというのを見せたかったのは分かるが、どう考えても不自然だし、そもそも銃の組み立て競争で命を賭けるというのがアホらしい。

 

もっというと、シウホンが事件から1年後に現れるという設定もよく分からんし、息子が犯罪者集団の大ボスなのに父親が警察署長というポジションにいられるという設定もよく分からん。本作は不自然、気になる要素が多すぎる。

 

ラストは、シウホンが話していた昔話が本当で、強盗の父親が目の前で亡くなり、そんな子供時代のシウホンを慰めてくれたのがチャン警部だったというオチだ。結局人情ドラマをやりたかったんだろう。また、50歳手前になっても主演を続けるジャッキーが若者と対決するという構造はわからなくもないが、恋人と結婚するかどうかで…という設定は若い頃のジャッキー映画の設定と何ら変わっていないんだよね。

 

 

 

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├単独インタビュー集

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