【作品#0198】MIRACLE デビクロくんの恋と魔法(2014) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

MIRACLE デビクロくんの恋と魔法

 

【概要】

 

2014年の日本映画

上映時間は114分

 

【あらすじ】

 

漫画家を目指している光は、照明アーティストのソヨンと知り合い、運命だと感じ恋に落ちていく。

 

【スタッフ】

 

監督は犬童一心

音楽は上野耕路

撮影は蔦井孝洋

 

【キャスト】

 

相葉雅紀(山本光)

榮倉奈々(高橋杏奈)

ハン・ヒョジュ(テ・ソヨン)

北山一路(生田斗真)

劇団ひとり(デビクロくんの声)

 

【感想】

 

山下達郎の「クリスマス・イブ」をモチーフにした中村航の同名小説の映画化。

 

本作を見ても一体何が「MIRACLE」なのかも、デビクロくんが存在した意味も分からないものとなっている。そもそも「MIRACLE=奇跡」というものは創作ではなかなか難しいものがある。また、デビクロくんは序盤こそ出番があるが、以降はすっかり出番を減らし、思い出したようにたまに登場するという、はっきり言って邪魔なキャラクターでしかなかった。急にアニメーション描写になるのも意図としても伝わってこない。

 

まず主人公の光にほとんど魅力がないのが致命的だ。相手に過失があってもまず自分から謝ってしまうキャラクターである。また漫画家を目指しているのに、コミケで人脈広げようとか、書店で働く利点を生かそうとかせずに、夜にあちこち出歩いて自分の書いたイラストのビラをそこら中に貼りまくるという違法行為を無邪気に繰り返しているのだ。相手が悪くても自分から謝る光が無邪気に他人へ迷惑をかける行為をするなんてキャラ造形として破綻している。これでは観客が彼に同情できなくなってしまうだけでしかない。これならビラ1枚ではなく漫画として読んでもらえるように、書店に無料で置いてもらうように店長へお願いするとか、ホームページを立ち上げて無料で公開するが誰も見に来てくれないとかの方が彼の設定を生かせたはずである。

 

主人公以外のメインキャラは主に3人である。まず、幼馴染の杏奈は光にこっそり思いを寄せているだが、そもそもそこがあまりピンとこない(榮倉奈々は好演していたので、分からなくもないくらいにはなっている)。

 

それから、その光が運命と感じて恋に落ちるのがソヨンという杏奈と同じ職場で働く韓国人である。ただ、彼女が韓国人であると言う設定がよく分からない。どの国籍の人でも別に良いが、その国籍や言語、文化の違いなどが生かされる場面もあまりない。

 

そして彼女の元恋人として登場するのが光の友人である北山である。彼は漫画を描き始めて3年で1千万部を売り上げるという超人設定である。そんな彼をしても「俺よりも上はいる」と光に言い放つ。光が諦めてしまうのも無理のないキャラ造形だが、極端にも程があると思う。

 

結局、最初から結末が見えているので、光がソヨンに恋する設定もただの寄り道にしか見えないし、そのくせ光が杏奈が旅立つ空港へなぜ行くことになるのかが伝わってこない。あと、この2014年という時代に女性を追いかけて空港へ行くのは古臭い(まず電話でもしろよ)。原作があるのは承知だがやはり、デビクロくんはいらなかったし、特に主人公2人をもっと深堀すべきだった。

 

 

 

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