【作品#0201】恐怖のメロディ(1971) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

恐怖のメロディ(原題:Play Misty for Me)

 

【Podcast】

Podcastでは、作品の概要、感想などについて話しています。


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【概要】

 

1971年のアメリカ映画

上映時間は108分

 

【あらすじ】

 

ラジオDJをしているデイブは行きつけのバーで「ミスティ」をよくリクエストしてくるイブリンという女性と出会い、一夜限りの関係を持つ。これきりと思っていたデイブに対し、イブリンはその後も執拗に関係を迫って来る。

 

【スタッフ】

 

監督はクリント・イーストウッド

音楽はディー・バートン

撮影はブルース・サーティース

 

【キャスト】

 

クリント・イーストウッド(デイブ)

ジェシカ・ウォルター(イブリン)

ドン・シーゲル(バーテンダー)

 

【感想】

 

クリント・イーストウッドの監督デビュー作。西部劇やアクション映画で悪党を対峙してきた彼が初監督作の題材として、女性に振り回される男性を取り上げたのは意外なところだ。また、イーストウッドの後の女性関係を思わせるところもあり、それはそれで見どころである。

 

何といっても一番の印象を残したのはイブリンを演じたジェシカ・ウォルターだ。「一夜限り」と約束して男女の関係になったのに、その後も執拗にデイブを追いかけまわす。勝手に合鍵は作るは、外で急に裸になるは、急に泣いたりわめいたりするは、挙句の果てには自殺未遂までする。たとえどんなキツい言葉をデイブがぶつけても、イブリンには効かないのである。そんなデイブをアクション映画や西部劇で悪党をやっつけてきた筋肉隆々のイーストウッドが演じているのだから面白い。何と言っても本作と同年には「ダーティハリー(1971)」でマグナムをぶっ放していたのだから。

 

そんな本作でやや気にかかるのはデイブの本命トビーの描かれ方である。トビーはデイブがプレイボーイで自分以外に遊んでいる女性がいることを知っており、そのことに対して怒ったり泣いたりしないキャラクターである。イブリンと対照的とも取れるが、どう見ても男性からして「都合の良い女性」として描かれているとは感じる。また、家政婦のバーディはイブリンによって刺されてしまったのに、デイブがバーディへ謝るなどの気遣う場面もないし、バーディがその後回復したかどうかが描かれる場面もない。50年たった現代に見るとやや時代を感じざるを得ない部分はある。

 

そしてラストはトビーを捕まえ、助けにやってきた刑事を殺したイブリンと、デイブの一騎打ちである。殴りの一発で決着と言うのはやや物足りなさも感じるが、女性には手を上げられないとして我慢してきたデイブの溜まりに溜まった怒りの集約と考えるとスッキリするものはある。ただ、助かったのは主人公のデイブと、都合よく描かれた男にとっての理想の女性トビーだけである。刑事まで殺す必要はなかったんじゃないかと感じるね。

 

にしても、当時ストーカーと言う概念が浸透していなかった時代に、イーストウッドは初監督作の題材として選び、傑作とまではいかないものの、シンプルでかつ興味深いサスペンススリラーに仕立て上げたことは評価すべきところだろう。

 

【関連作品】

 

危険な情事(1987)」…エイドリアン・ライン監督、マイケル・ダグラス、グレン・クローズらが出演したサスペンス映画。本作と同じく、一夜限りの関係を持った女性が男性を執拗にストーキングするといった内容。

略奪愛(1991)」…梶間俊一監督、黒木瞳、古尾谷雅人らが出演したサスペンス映画。上記作品を日本でパクったような作品。

 

 

 

取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

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