6月14日(火)、『ニッポン語の革命家たちの、文体レッスン。』の第3夜を、いつもの西麻布<新世界>にて開催します。
ゲストは、翻訳家/エッセイストの
岸本佐知子さんです。
岸本さんは、ニコルソン・ベイカー『中二階』、リディア・デイヴィス『ほとんど記憶のない女』、
ミランダ・ジュライ『ここにいちばん似合う人』(Twitter文学賞受賞!)……と、ビザールな小説を積極的に翻訳し続け、日本の海外文学の世界に風穴を開け、さらに、読者層も拡張させてきた、革命家の1人です。
一方、『気になる部分』、『ねにもつタイプ』と、虚実皮膜なエッセイストとしても怪筆をふるっています。
中でも、柴田元幸責任編集の季刊文芸誌『モンキービジネス』に連載中の『あかずの日記』においては、個人的には、もはや、内田百けん『東京日記』の21世紀版という域に達しているのではないか! と、毎号、脳内麻薬出まくりの状態あります。
このトーク・セッションは、第1夜の近田春夫さん(ミュージシャン)、第2夜の根本敬さん(特殊漫画家)と、毎回、せっかく準備してきたダンドリが崩壊していき、川勝が冷や汗をかく様のほうが、ご来場のみなさまにウケているようですが......。
ちなみに、今のところ、次のようなお話を伺う予定です。
<思春期編:我が文体の素は、筒井脳>
・少~中の愛読書が3冊(のみ?)だったというウィキペディアの記述は本当なのか?
・岸本さん言うところの“筒井脳”とは何か? そして、中3で邂逅した筒井康隆『日本列島七曲り』に始まり、山下洋輔が主宰し、ツツイ、タモリ……まで巻き込んだ“全日本冷やし中華愛好会”にもハマって影響を受けたものとは?
<翻訳編:翻訳はサンプリングである>
・藤本和子訳リチャード・ブロティーガンの衝撃について
・村上春樹☓柴田元幸『翻訳夜話』に収録された座談会における、ムラカミさんとキシモトさんとの微 妙に噛み合っていない対話の背景とは?
・「翻訳はサンプリングである」という“岸本理論”を、原書と翻訳で対比し、岸本さんがあとで気がついた過去に読んで忘れていたある方の著書に言及する。
・『変愛小説集 Ⅱ』に収録されたステイシー・リクター「彼氏島」のギャル文体のモデルは?
<エッセイ編:奇妙な味は、脳内をドキュメンタリーした結果?>
・内田百けん体験について
・ふだんは気遣いの人であるのに、マスメディアの教養主義に対して、パンク・アティテュードになってしまう傾向について(例:『☓☓新聞』の書評、女性誌『☓☓☓☓』の取材など)
・『あかずの日記』に登場する、“死に神女子とお茶する”などというクレイジーかつファニーなフレーズや発想はどこから生まれてくるのか?
というような感じで、現在、仕込み中です。
当日は、岸本佐知子さんの気になる部分を、文体中心に明らかにしていく所存ですが、大脱線したらそれもまたよし、ということで、ご容赦ください。
それでは、みなさまのご来場をお待ちしております。いろいろな意味で、お楽しみに!
イヴェント:『ニッポン語の革命家たちの、文体レッスン。』 第3夜
出演:川勝正幸(エディター)☓岸本佐知子(翻訳家/エッセイスト)
会場:西麻布 <
音楽実験室 新世界>
日程:2011年6月14日(火)
開場:19時、開演:20時、終演:22時半(予定) ※第1部(約1時間)~休憩(約15分)~第2部(約1時間)
料金:2,500円+1ドリンク代(別途)