マモノみち音頭解説の登場キャラクター編に続きまして、こちらでは主にその他の背景やサブキャラなどについて作品解説いたします☆
マモノみち音頭
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◎背景群とサブキャラ◎
さて、今回の作品舞台イメージは登場キャラクターの在るべき所に思考巡らせた結果、「イクサ後の魔界神社」が似合うことにたどり着きました。
◎鳥居
背景中心は全国各地にある千本鳥居を参照し、大きさバランスをアレンジして描き入れます。
朱色から虹色の鳥居なんかにしていくと面白いと思いましたがイメージ的に暗色(黒・紫)から始めたら虹もへったくれも無くなりました。魔界のエネルギーおそるべし
そもそも鳥居の形も種類があり、この辺になると大日本イニシエ界の深い蟻地獄にはまってしまうので詳しくは割愛。
参考:weblio辞典 明神鳥居の意味・解説
我らの奥深き国をおつくりたもうたイザナギ&イザナミのヤオヨロ’sの神々さまによろしく愛憎。
ちなみに昨今は世の中すでにいろんな色の鳥居があるようですよ。ポップに進化してますね~そのうちゆるキャラ着ぐるみのトリィちゃんとかも出てくるかもですね!無いか。
◎伝説の烏(カラス)
日本の伝記によるカラスは案外良いイワレとして扱われていることも多いようです。
◎八咫烏(ヤタガラス)
三本足の姿で知られ、日本神話に登場するカラスであり導きの神と呼ばれて、古くよりその姿絵が伝わっております。どうか禍なき世界に導きたまえ!
八咫烏①
やはりカラスは魔界の千本鳥居とやたら馴染みますね。頭蓋骨でも置いたら一層雰囲気も出るかもと思いましたが、作品のイメージ上、本当の地獄にはしたくないんです。匙加減て大事。
八咫烏②
三本足の見栄え良いアングルを模索しましたが、烏の足構造も案外複雑で難しい。違和感そんません。
今作ではすべてベースは“ハシボソガラス”をモデルにしました。ハシブトガラスはデカいしまさしくハシブトいし何かイカチー。でも調べてると黒光りしてカッコいいなとも思えてきます。あいつらたぶんなんか天然のトリートメントしとるね。
◎ヨゲンノトリ
江戸時代末期のコレラ流行を予言し、朝夕にこの姿を拝めば難を逃れることができるという二つ頭のカラスっぽい鳥。
二つ頭の怪鳥をリアルめに描くのはコワい姿にしかなりませんね。世の子どもさんたちごめんなさいポインツ。でもこのトリさんはきみたちの味方なんだよ…たぶん。
ちなみに「ヨゲンノトリ」という名前は、このアマビエブームにおいて「コロナへの不安を少しでも和らげることができたら」と、下記の書を所蔵する山梨県立博物館の学芸員さんが2020年4月初頭に名付けたとのこと。
名付け親はまさかの現代人さんでした笑
喜左衛門著 暴瀉病流行日記1858年に登場する通称“ヨゲンノトリ”
参考:読売新聞オンライン2020.4.16 アマビエに続け「ヨゲンノトリ」がネットで反響
最初この元絵を見たときは二羽かと思い、各々独立して描きました。が、具体的に調べると一羽というではありませんか。150年以上前の先人にこんなこと言って申し訳ないですが…やっぱヘタすぎるぞ村役人の喜左衛門はん。もっとがんばりましょう
◎馬防柵
現場をイクサ場のあとのイメージにしたいなら必要になるのは戦場と分かる素材となってきます、当然ですが。そしてなるだけ「これさえあれば人はそういう場だと認識できる」ものを配置する必要があります。
そこで日本の古戦場を調べると、ノボリ以外に唯一再現されている象徴的なものを見つけました。
関ヶ原古戦場の馬防柵
参考: FJ時事新聞 1人でも複数でも参加OK!「関ケ原古戦場で馬防柵をつくろう!」イベント【連載:アキラの着目】
なるほど名前の通り、馬にはご迷惑な造りの柵、おまけに火縄銃なんかひっかけやすい構造ですね。
意外と正面(敵)からの参考資料が少なく描くの地味に大変で、僕には画防柵ですた。たかが柵、されど在ると無いとでは全然絵も変わる柵。案外重要です。
◎裏・安土桃山城
これほど魔界が似合う城はあるでしょうか?
ただ安土桃山城は現存してないようですね。こちらは模型と思われる画像を参考に、向きを左右反転させてこの世には今も昔もない異世界の城に変えて闇色に染めました。裏織田信長もこの天守から禍とバトる現世を眺めてることでしょう。
※その他いろいろピックアップしたらキリがないほどいろいろありますが、ここまでで割愛しますm(_P_)m
◎おまけ談◎
著作の話とか。
今回はネット画像や記事のみならず、ヨウツベの楽器ハウツー動画などたくさんの情報資料のお世話になりました。考えたらこういう多岐にわたる情報・参考資料が手軽に深く調べられる現代ならではの絵になったかもしれませんね。ありがとうユウツーベーの皆さまm(_P_)m
ただ、いつぞや言ったことあるかもしれないですが著作物については絵の世界ではどこまでが参考であり、どこまで模写が許され、どうなれば盗作や著作侵害となってしまうのかの判断や扱いはまだまだ難しい。だからといって、法律で明確過ぎる線引きするのも私たちの表現の自由の侵害にしかならないし、白黒だけでは突き抜けた面白い作品など生まれようがない。
写実系の絵描きさんの「上手い」と言われる多くは、言い換えたら観察力に優れているのであり、さらに本質を表現したい場合にはその対象物に対して研究や勉強が必要です。その観察や研究の元となる参考資料や素材なしに良い作品づくりは厳しい。こういったところにもっと深い議論自体を世の中にもして頂く必要があるかなと思います。
この解説も許される範囲での参考・参照にしたつもりですが、問題あれば即削除するので言って頂きたいです(笑)
ってなわけで、皆様が元気にこの厄災の時代を乗り越えていけますように!
ご閲覧ありがとうございました☆m(_P_)m
今回は使われなかった鬼ドラマーくん
またいつかどこかで。
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