2024年1月6日(土)。天気晴れ。丹沢・大山の周辺を巡ることにしました。利用したのは、小田急電鉄の「デジタル丹沢・大山フリーパス」です。小田急線内の任意の駅を発着駅として、小田急線の本厚木駅から渋沢駅までの間が乗降自由、また本厚木駅、愛甲石田駅、伊勢原駅、秦野駅、渋沢駅から丹沢方面に出る神奈川中央交通のいくつかの路線が乗降自由、その上で大山ケーブルカーを含めるか(Aキップ)、含めないか(Bキップ)という選択ができます。私はAキップを選択しました。このフリーパスは、「EMot(エモット)」という小田急のアプリをスマホにダウンロードして購入し、表示されるQRコードをかざして小田急線の改札を出入りします(QRコードの読み取り機は、駅事務室の窓口にあるので、やや不便な感じがします)。バスやケーブルカーはスマホの画面を見せるだけです。結果、このフリーパスを使ったことで、たいへんコストパフォーマンスよく移動することができました。

先ずは、「伊勢原駅」に降り立ちました。「大山ケーブル」行きのバスは大行列です。私は大山に行く前に、別のバスに乗ります。

「伊16栗原行き」のバスです。

栗原は、2級河川金目川水系の栗原川上流部にある地区です。伊勢原市街地からは、バスで15分程の距離になりますが、栗原まで行くバスが朝と夕方にしかないので、先ずはこちらに乗りました。

栗原の手前に、「相模国三之宮比々多神社」があります。

相模国一之宮は以前行ったことのある「寒川神社」、二之宮は二宮町にある「川匂神社」、三之宮はここ「比々多神社」、四之宮は平塚市の「前鳥神社」、五之宮は同じく平塚市の「平塚八幡宮」です。そしてこれら五社があわせて、大磯町にある相模国総社である「六所神社」に祀られており、毎年5月に「六所神社」で「相模国府祭」という六社が集まって国家安泰・五穀豊穣などを祈念するお祭りが行われています。「大國魂神社」を彷彿とさせる話です。「比々多神社」のある場所の地名は、まさに「伊勢原市三ノ宮」です。「比々多神社」の拝殿。

「比々多神社」は、現在の境内の後ろの宮山(埒面)という高台に元々の社殿が建てられていたということで、現在その「元宮」が再建されているということで、そこまで行ってみることにします。

その途中の「旧恵泉女学園短期大学」跡地に、「埒免遺跡」があります。同校は2005(平成17)年に閉鎖されてしまったため、現在敷地内に入ることはできませんが、外から遺跡の様子を見ることはできます。1964(昭和39)年に発見され、石室から飾り太刀、鏡、馬具などの副葬品が出土しました。6世紀後半から7世紀前半の古墳時代後期の相模の有力者の墳墓と考えられています。

「元宮」に到着しました!

ここからは、相模平野と相模湾の雄大な光景を見渡すことができます。

「元宮」の奥には、茅取り場がありました。

「比々多神社」から再び「伊勢原駅」に戻って来ました。今度は大山に向かいます。

「伊11大山ケーブル行き」のバスで終点に到着。

私は、ここで絶望的な案内を見つけました。下調べしなさすぎかも知れませんが、「大山ケーブル行き」であれば、バス停直近にケーブルカーの駅があるとばかり思っていました。。。。徒歩15分。

栗原川と同じく要川水系の鈴川が流れます。

私は、何回か大山に来たことがあるにも関わらず、このことが全然頭に入っていませんでした。以前、アルバイト先の友達と、勤務が終わった後に車で大山に来たことがあるのですが、その時にこのような道を駆け上ったような記憶を思い出しました。

元気があれば何でもできる、元気がないと何にもできない。

「もう無理」と思ったところで、ケーブルカーの駅に着きました。

立派な車両です。

かなりの勾配ですので、本当にこれ以上は無理でした。

途中駅の「大山寺駅」で途中下車します。

「大山寺駅」から「大山寺」までは、比較的平穏な道が続いています。

しかし、道から下を見ると、かなり険しい地形になっています。

いきなり真言宗大覚寺別格本山「雨降山大山寺」の本堂が現れました。本尊は「鉄造不動明王」。大山は関東における最も人気のある山岳信仰の対象で、多くの講があって崇敬を集めていました。明治初期の大山講の総講数は15,700、総檀家数は70万軒だったということです。現在の「国道246号」は「大山街道」であり、江戸からの参詣のための交通路でした。江戸時代は神仏混淆ですので、「阿夫利神社」と「大山寺」とは一体だったと思います。本堂は廃仏毀釈で破壊されたものを、1885(明治18)年に再建したものです。

下から登って来ると、こんな階段になっていました。これは絶対に無理です。

寛永7(1795)年に建立された「宝篋印塔」が、1914(大正3)年に再建されました。この塔も廃仏毀釈でバラバラにされたそうです。このことは、日本ではほとんど教えられる機会がないです。

再びケーブルカーに乗って「阿夫利神社駅」に着きました。「雨降山」と「阿夫利」は同じ読みです。

(続く)